凛せんか

詩人: 日々の感情の、わりきれないもの

凛せんか

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記事一覧

夏の夕焼けにかかる虹

灼熱の1日のほとぼりを冷ますように降った雨が 夕方に虹を運んできた。 この想いもこんなふうに 少し冷めて七色に浮かべばいいのに。

凛せんか
2年前
2

焦がれるということ

その夜と引き換えに 体も心も全て燃やしてしまった 再生までの時間が どれほどかかったとしても 構わないと思うほど あなたに焦がれてしまった 灰のようになってしま…

凛せんか
3年前
2

静寂の凍てつく湖に 薄く張る氷 触れた瞬間に消えてしまう粉雪 視界全てを覆う白 全てが儚くうつくしい 冬の世界

凛せんか
3年前
6

長く細いトンネルを抜けて

当たり前の価値観が反転する 次の時代へ向かうために 多くの荷物を捨てて躰を削りながら そのトンネルを抜けていかなければならなかった そのひずみと痛みの頭上には …

凛せんか
3年前
4

必要なものが必要なときに

虫も魚も花も木々も呼吸しているように このひとつのまるい生命体もまた呼吸している 天体の星たちもまた常にサインを送りながら 膨大な空の上で動き続けている 人がそ…

凛せんか
3年前
3

繰り返されるということ

渦中にいるとわからないものなんだ それが毎日毎日、あきれるくらい毎日 ずっと続いていくことに小さく絶望して 向こう岸へふと、渡る そこから見える景色がこたえだろ…

凛せんか
3年前
2

あきらめないをつづけるには

プライドを手放すこと それをおろしたら 背中はすーっ、と 楽になる 世界を漂って 息をすう

凛せんか
3年前
8

大切なものは身につけるべきか仕舞っておくべきか

どちらなのだろう ほんとうに なくさずにいるためには 大切なものが側にある時 心は、強くもなるし 弱くもなる

凛せんか
3年前
3

知性と感性を鍛えながら

世界が変わらないのなら 自分が変わるしかないのだ 無常なほどに深い谷が横たわり 息を止めて立ち止まる わたしたちは無力 しかし知性と感性はどこからも 侵されるこ…

凛せんか
3年前
4

1ミリも減らない

あなたのことが大好き 毎晩、そう思って眠りにつく その気持ちがもうずっと 1ミリも減らない それはいつか減るのか 形を変えるのか 愛は、わからない わからないけ…

凛せんか
3年前
4

そのおもいでとともに

なんという、すばらしい夢のような時間だったんだろう。 もうずっと前のことだけど いまもその記憶をいとおしく抱きしめている わたしの現世とあなたの現世は もう二度…

凛せんか
3年前
3

死と眠り

長いのか短いのかわからない残りの時間で 小さな死と再生をあと何回繰り返すのだろう 掌から砂のようにこぼれ落ちてゆく夢の記憶は 巡り巡って海へ還る そして軀は土に…

凛せんか
3年前
4

視力

そうか、きっと、あの人は とても目の良い人だったんだなあ 見えてしまうものが多すぎるのは 情報過多の現代では とても刺激が多すぎるのだ 情報がよせてはかえる波の…

凛せんか
3年前
3

メインディッシュはいつも恋愛の話

とりとめもなく 答えもなく 輪郭のないものに色を塗るような 恋愛の話 ふと、10年後を想い この曖昧なものが自分を満たしていることに 不安になる からっぽの頭に …

凛せんか
3年前
2

渇きと怒り

ゆらゆらと心地よい波間を漂って すっかり忘れてしまった わたしを駆動させていた渇きと怒り このままではもう走れない 青や灰や白の空を眺めながら またゆっくりと、…

凛せんか
3年前
1

この夏が、一年前だったら。

凛せんか
3年前
夏の夕焼けにかかる虹

夏の夕焼けにかかる虹

灼熱の1日のほとぼりを冷ますように降った雨が

夕方に虹を運んできた。

この想いもこんなふうに

少し冷めて七色に浮かべばいいのに。

焦がれるということ

焦がれるということ

その夜と引き換えに

体も心も全て燃やしてしまった

再生までの時間が

どれほどかかったとしても

構わないと思うほど

あなたに焦がれてしまった

灰のようになってしまった朝

空の色は深く蒼く

どうかこのままこの時間の狭間に

吸い込まれたいと

瞼を閉じ願った

冬

静寂の凍てつく湖に

薄く張る氷

触れた瞬間に消えてしまう粉雪

視界全てを覆う白

全てが儚くうつくしい

冬の世界

長く細いトンネルを抜けて

長く細いトンネルを抜けて

当たり前の価値観が反転する

次の時代へ向かうために

多くの荷物を捨てて躰を削りながら

そのトンネルを抜けていかなければならなかった

そのひずみと痛みの頭上には

大きな満月

微かに照らされるその光りだけを頼りに

長く細い線を辿ってきた

今わたしは最早躰ひとつだ

新しい朝

新しい構築がはじまる

必要なものが必要なときに

必要なものが必要なときに

虫も魚も花も木々も呼吸しているように

このひとつのまるい生命体もまた呼吸している

天体の星たちもまた常にサインを送りながら

膨大な空の上で動き続けている

人がその中の中心だなんておこがましいことだ

今の現象は淘汰の過程として必要なことなのだ

わたしたちの前にはただ

必要なものが必要なときに差し出されている

それだけのことだろう

物質的な豊かさの価値観が今揺らいで

新しい価値観に

もっとみる
繰り返されるということ

繰り返されるということ

渦中にいるとわからないものなんだ

それが毎日毎日、あきれるくらい毎日

ずっと続いていくことに小さく絶望して

向こう岸へふと、渡る

そこから見える景色がこたえだろう

繰り返される日々、それはあなたにとって

どのようなものですか

あきらめないをつづけるには

あきらめないをつづけるには

プライドを手放すこと

それをおろしたら

背中はすーっ、と

楽になる

世界を漂って

息をすう

大切なものは身につけるべきか仕舞っておくべきか

大切なものは身につけるべきか仕舞っておくべきか

どちらなのだろう

ほんとうに

なくさずにいるためには

大切なものが側にある時

心は、強くもなるし

弱くもなる

知性と感性を鍛えながら

知性と感性を鍛えながら

世界が変わらないのなら

自分が変わるしかないのだ

無常なほどに深い谷が横たわり

息を止めて立ち止まる

わたしたちは無力

しかし知性と感性はどこからも

侵されることはない

体の中の透明な場所

そこはどこへでも

繋がることができる

1ミリも減らない

1ミリも減らない

あなたのことが大好き

毎晩、そう思って眠りにつく

その気持ちがもうずっと

1ミリも減らない

それはいつか減るのか

形を変えるのか

愛は、わからない

わからないけど

ただあなたが大好き

夜空の彼方に

この気持ちをおさめる

そのおもいでとともに

そのおもいでとともに

なんという、すばらしい夢のような時間だったんだろう。

もうずっと前のことだけど

いまもその記憶をいとおしく抱きしめている

わたしの現世とあなたの現世は

もう二度と交わることがないかもしれないけど

そのおもいでとともに。

死と眠り

死と眠り

長いのか短いのかわからない残りの時間で

小さな死と再生をあと何回繰り返すのだろう

掌から砂のようにこぼれ落ちてゆく夢の記憶は

巡り巡って海へ還る

そして軀は土に還る

いつかなだらかな地平線におさまる日まで

また今日も小さく死に、夢をみる

視力

視力

そうか、きっと、あの人は

とても目の良い人だったんだなあ

見えてしまうものが多すぎるのは

情報過多の現代では

とても刺激が多すぎるのだ

情報がよせてはかえる波のように

おしよせてくるこわさ

目を閉じてみる

瞼の裏の景色が

唯うつくしいものでありますように

メインディッシュはいつも恋愛の話

メインディッシュはいつも恋愛の話

とりとめもなく

答えもなく

輪郭のないものに色を塗るような

恋愛の話

ふと、10年後を想い

この曖昧なものが自分を満たしていることに

不安になる

からっぽの頭に

なってしまいそうだ

渇きと怒り

渇きと怒り

ゆらゆらと心地よい波間を漂って

すっかり忘れてしまった

わたしを駆動させていた渇きと怒り

このままではもう走れない

青や灰や白の空を眺めながら

またゆっくりと、漂う

この夏が、一年前だったら。