本を読むということは / はるな檸檬「れもん、よむもん!」

今「ダルちゃん」が話題になっているはるな檸檬さんの、「れもん、よむもん!」を読んだ。
彼女の読書遍歴を綴ったコミックエッセイだ。

作中には、

17歳の私たちは
「ここではない何処か」に憧れ続け、
とにかく知りたくて知りたくて
たまらなかった
一日も早く
大人になりたくて
そのために まるで
栄養を摂るように
読み続けていました

であったり、

以前某漫画家先生が
結局 私たちは
人生に答えが
欲しいから
読むんだよね
とおっしゃって
いたことがあったのですが
私は、あの
読んでも読んでも
読み足りなかった
読書狂時代に
たくさんの本たちから
少しずつ答えを得ていたのかも
しれません

といった言葉があるのですが、
もう、めちゃくちゃよくわかる!!!


わたしが今までの人生で一番ゆううつなきもちですごしていたのは、小学校四年生くらいの頃。
なんだか友達とうまくいかなかったり、それまでできていた勉強でもつまづいたり、今となってはたいしたことじゃないけれど、当時はとてもつらかった。毎晩、次の日学校に行くための準備をするたびに泣いていた。

そんなとき、ひさしぶりに本を読んだ。
小学校の低学年までは頻繁に読書をしていたのに、なぜか本から遠ざかっていたのだ。
読んだのは森絵都さんの「リズム」。
ひさしぶりの読書は単純に楽しかったし、「リズム」は当時のわたしのこころをすこし軽くしてくれる本だった。

それからわたしは、たくさんの本を読むようになる。読めば読むほど、世界は広いのだと知ることができた。

つまるところ、その頃のわたしは世界の狭さに絶望していたのだと思う。
まだこどもで、世界が本当は広いということを知らず、一生このスケール感で生きていかなければならないのだと思い込んでいた。
だからこそ、自分に身近な友達や勉強のことでいっぱいいっぱいになって、もう救いなどないような気持ちになってしまったのだ。

この頃の気持ちを、「れもん、よむもん!」を読んで鮮明に思い出した。


世界は広い。
今いる場所がつらいのなら、それを変えて行くこともできる。歳を重ねるごとに自然と変わっていくことだってある。
本はそれを教えてくれる。

わたしはまだまだいろんな世界を知りたい。
だからこれからも読みつづけると思う。

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