見出し画像

デザインリサーチ実践『第四回:グループからストーリー、インサイトの見分け方』

出てくるテーマをグループにする

ポストイットを論理的なグループにすることから始めます。正確にグループをまとめる必要はありません。どれがどのグループにふさわしいのか、自分の直感に従うだけです。

自分がこれだと思った部分が繋がらないこともあるかもしれません。もしくは、全く共通点のないメモがいきなり「しっくりくる」かもしれません。同様に、他のメンバーが自分では発見できなかった「パターン」を見つけるかもしれません。

自信をもって議論を進める時と、謙虚に他人に耳を傾けて見る時を使い分けましょう。

インサイトがまとまるにつれ、適当な名前を振り当てることで頭の中で位置付けることに役立ちます。グループの名前を十分に議論することは大切です。あなたがつけた名称が、まだどこのグループにも属していないメモの居場所になるかもしれません。

明確なインサイトが集まりだしたら、残りのポストイットを見てみてください。残っているポストイットでグループを形成出来そうですか?

もしかすると、どこのグループにも属さなかったことで自然になくなるかもしれません。

でも、まだそのポストイットを取り除いてはいけません。そのメモがここまで残ってきているのなら、 もう少しだけ、残されたポストイットと「見つけたグループ」の間を行き来するのです。

ストーリーを伝える

私がグループで活動している時、メンバー間での議論が静まった場合はメンバーにこう言います。

「なんでもいいから、ポストイットに書かれたことのストーリーを話してくれ」

と。

こうすることで、またすぐにグループ内での議論を盛り上げることが出来るので驚きです。

行き詰まらない方法

ポストイットの海のど真ん中にいると感じる時でも、再び動き出すためにできることがあるのです。

最も重要なのは、行き詰まったと”認識”することです。これもプロセスの一部なのです。外部からの助けを求めましょう。プロジェクトにあまり関与していない人は「新しい観点」を与えてくれるます。

この役割を受けてくれる人が見つからない場合は、自分に質問してくれるような人を見つけるのです、 たとえその人がプロジェクトに詳しくなくても。

彼らは、あなたが見つけたものについて質問するでしょう。インサイトを説明している時には、彼らの「純粋な質問」でさえ役に立ちます。あなた自身に説明しているようなものなのです。

行き詰まらない2つ目の方法は、休みを取り、考える場所を作ります。もしグループが緊張していたり、もしくは怒っているなと感じたら、部屋から出て、コーヒーを飲みましょう。

それは負のサイクルに陥るより、よっぽど「価値のある時間」の使い方です。

最後にチームを活性化させるとても実用的な方法です。それは、「次に繋がる構造化された課題」を自らに課すことです。

インサイトを1つ選び、 もし私だったらどうする?の質問を作れるか確認してみてください。

これらの質問を作ることで、特定のインサイトについて考えるようになり、それがデザインを”刺激”することができるか見定めることができます。

ある特定の分野について考えることで、その近くにあるチャンスが出てくるのです。似たような機会に遭遇し、状況を新しい見方で見れるようになるかもしれません。

インサイトかどうか判別する

インサイトに対しての完璧な公式というものはありませんが、このような質問を問いかけることができます。

「それってインスピレーションある?」
問題を解決する何かをデザインしたいと思わせるかな?

「それってストーリーはある?」
そのインサイトを説明している時、感動的で説得力のあるユーザーのストーリーを描くことができている?

「なにか新しい感じがする? 」
それを発見した時、自分やクライアントが驚いたような何かがある?

「デザイン上でインパクトがある?」
考えやデザインに影響をもつかな?

「今回のリサーチに関連している?」
クライアントが調査したい領域の話かな?

もしすべての答えに”YES”と答えられるなら、おそらく、正しい場所にいるでしょう。

まとめ

インサイトを捉えて、上の質問に答えられたなら、文章に残しておくべきです。

数にして3つ以上8つ以下のインサイト数を目指してください。 大まかなガイドですが、だいたいの目安となるでしょう。明確な目標インサイト数はないのです。

これらのインサイトはプロジェクトの成果物の一つになりえます。今後のデザインプロセスを刺激するためにもチームで共有しましょう。

あなたのインサイトは対象者のニーズを明確に示したものです。もしプロジェクトのあとで、インサイトからかけ離れたデザインが好きだと感じたら、インサイトではなく、デザインに問いかけましょう。

(この記事の内容の大部分を発展させてくれたJenny Winfieldに大きな感謝を贈ります。JennyはIDEOのデザインリサーチャーです。彼女のTwitterをフォローしてください。)

ーーー

Original article posted by Matt Cooper-Wright on Design Research Methods, translated by Ryo Kobiyama with permission. Supervision by Lina :)

頂いた資金は子供支援団体などに寄付していきます。