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読書感想文 『正欲』

【正欲】


社会や個人にとって正しいとされてたり思っていたりする欲が、如何に社会や個人都合な正しい欲であるのかが良くわかる(欲だけに)。そして正欲という感情をもつことの重みを知る。



この作品の感想を見るとよく、『多様性』という言葉を見かける。実際、作品中にも出てくる言葉である。この『多様性』という言葉は便利に使える言葉であるけれど、多様性という言葉を使って『正欲』を表現するとしたら、

多様性という言葉の内側で護られているのが世間一般的な『正欲』で、多様性という言葉の外側で護られていないものが世間一般的でない『正欲』なのだろうと思う。



この作品は、世間一般的でない『正欲』をとことん突き詰めて表現している。読んでいて、自分の考えの未熟さ、至らなさを責め立てられる様に感じ怖くなるほどに。


自分にとっての『正欲』が、他人にとっての『正欲』と無条件に決めつけない様に生きていきたい。



そして、自分にとっての『正欲』が他人にとっての『正欲』と同じだと思われずに生きたい。
そう思ってしまうのは少々『強欲』な考えだろうか。


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