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読書感想文『成瀬は天下を取りにいく』

【成瀬は天下を取りにいく】



・2024年本屋大賞受賞作



個性が突き抜けている主人公は魅力的である。
ただし、成瀬あかりは天下を取りにいける魅力の持ち主である。この本を読んだことで、200年に及ぶであろう成瀬あかり史のほんの一時を見届けることができた。なぜ200年かは読んだ人なら分かるだろう。


性格を表現する言葉の一つに「真っ直ぐな性格」がある。成瀬あかりを表すなら、「真っ直ぐしか知らない性格」であろう。もし、そんな人が身近にいたらと思うと、ずっと見ていたくなってしまうだろう。それがまさしくこの小説である。



この作品は成瀬あかりが中心となりながらも、むしろ、成瀬の周りにいる人やニアミスしている人の視点で語られている。だからこそ、成瀬が如何に周りに影響を与え、希望をもたらしたのかがよく分かる。そして、最終章で成瀬視点で語られることで、最初の章の視点となっていた島崎が成瀬にとってどんな存在かが分かると同時に、この章まで築かれていた成瀬のイメージとのギャップで切なさを生む。これがさらに成瀬をもっとみていたくさせてしまう。本屋大賞受賞作史上最も突っ走ってる主人公の物語。



余談。
サイン本買いに行って開いてみたらあたりだった👑
小説は勿論、この一冊までもが最高なものになった。


続編は『成瀬は信じた道を行く』なのだが、一作目以上に『真っ直ぐしか知らない』性格の成瀬なのかどうか、見届けようと思う。




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