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漫画家・弘兼憲史氏の著書『死ぬまで上機嫌。』

漫画家・弘兼憲史さんは、サラリーマンの経験を生かした漫画『課長島耕作』シリーズが代表作で有名になった方です。ドラマ化されましたので、漫画に接していない人でも多少知っていることもあるでしょう。その弘兼さんが書かれた本を今日は紹介します。

究極の理想をいえば、死ぬ1日前までに全財産をきれいさっぱり使い切る。後生大事にお金を抱え込んだまま死んでしまったら、悔やむに悔やみきれません。やはり、お墓までお金を持っていくことはできないのですから。

これはよく聞く言葉です。ところが「子供や孫のために残してあげたい」と思うのも人情です。こんな時、イチかゼロで考えるのではなく、どの程度残してあげたら大丈夫なのかを考え、最小限残したうえで、使い切るというのはどうでしょう?

団塊の世代に向けた高額商品や旅行プランなどもたくさん売りに出されています。若い時にはできなかったこと、手の出なかったものにお金を使うのもアリだと思いますよね。「タンス預金」なんて言葉もよく聞きます。ぜひそれを世の中のために使って経済を回していただきたいと思います。

とはいえ、何が起こるか分からないので、病気や施設にいくらお金がかかるのか? そんなこと考えると使えないかもしれません。でも弘兼さんはこう書いています。

「老後資金はいくらあっても足りない」という考えにも一理あります。僕が断言できるのは、どんなにお金があっても老後不安は絶対になくならないということ。不安でビクビク生きるのはやめて、身の丈にあった消費をしながら豊かな生活を実現していくことを考える。そこに楽しみを見つけていく発想が求められるのです。

身の丈に合った消費、すなわち生活の縮小を図るにあたって、最初に取り組みたいのは、「見栄」や「プライド」を捨てることだとも弘兼さんは言います。

見栄やプライドを捨てるにあたっては、自然の流れに逆らわず、老いを受け入れる姿勢が大切です。「現状維持の生活をしたい」というのは、人生の下り坂に無理矢理逆行するようなもの。逆行して、もがけばもがくほど、余計に苦しくなるだけです。

年老いたら年老いたでいいと私も思います。何も見栄張ったり若作りしなくても、ありのまま老人になっていく自分を受け入れることができるかどうか、とも思います。多くの人は少しでも若く見られたいとか思うし、持ち物だって若い時からのこだわりがあって、手放せない人は多いです。だから「老いを受け入れる気持ち」は大切だと考えます。それができるかできないかで、ずいぶん考え方、生き方が変わると私も思います。

人間が老いて生活を縮小していくのは自然の流れであり、つまらない抵抗をしてお金を浪費するのは、残念な生き方だと思うのです。

お金をかけて無理に若作りしても、「いい年をしてみっともない」と思われるのが関の山です。年寄りにはシブくて慎ましい生活が似合っています。とにかく、逆らわずに生きるのが一番です。

でも、好きなものは好きでいいんじゃないかと私は思うのです。素直に好きと言える、好きだと表現できるって、ものすごく大切だと思います。アイドル好きの老人がいてもいいじゃないですか。追っかけするお婆さんがいたっていいじゃないですか。私は車好きなので、今でも車にこだわりがあります。それが私の個性だと考えるからです。一点こだわりがあるだけで、自分の人生は輝きを見せると思うのです。それは私のエゴであって、気持ちを押し通したいだけかもしれませんけど(笑)

さて、あなたはどんな老人になろうと思いますか? 年老いても、こんな人物になりたいという目標があれば素晴らしいですよね。ちなみに、私が目標とするのは、いかりや長介さんが弁護士役を演じた「猪狩文助」です。キャラが違うのでなれないですけど、憧れています。


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