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年寄りの死

あんたな、お兄ちゃんな、
あんた、本書いたらええねん。

『ええ?なんてテーマですか』

年寄りの死や、いうてな、
わしの死ぬところ書いてくれたらええねん。

そんなんな、もう死にたいわ、わし。
まずな、夢がないわな。

『えー。あやちゃんの孫が楽しみとか』

そんなんもう、そこまで頑張られへんわ。
そんなんちゃうくてやな。
生きてる意味がないやん。87やで。
もう早く死にたいわ。

そやけどな、勝手に死にたいいうても死なれへんし、車に飛び込んだら、向こうにも迷惑やし、電車にも飛びこまれへんしな。

1番ええのは、子供や。1人やもん。
全部もらってるやん。
わしのことは、構いよらへんで好きなことしてるわ。

『子供育てながら、家のことして、なんやかんや、良くしてくれはりますやん』

そんなんな、それは当たり前や。
わしは、もう夢も希望もないで。

『もっと若い頃は、なにしたいーあれしたいーてありましたん?』

いやまぁ、その頃は、ただ生きてるだけやったけどな。87になって、頭もこないボケてきたら、もうおしまいやで。

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安楽死ではなくても、
旅立つこともまた権利かも知れないね。

いや、社会生活の中だから、
義務と権利とを両手に抱えているとして
社会生活を捨てる選択肢を選べるのなら。

選べないのは、生き地獄かも知れないね。

『年寄りの死』書いてみようかな。

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