たとえば あれが間違った愛でも
あなたを愛したことに変わりない
あの日 カタログにないキスをしていても
時間どおりに帰るあなたを見送っても

淋しいとは言えない 抱きしめてと言えない
言ったら きっとそこで終わること
わかっていたから

合鍵も渡せない プレゼントも渡せない
おそろいの物など以ての外で
あなたは家に帰る 子どもの寝顔を見る
そして ありふれた会話をしてただろう


タバコの匂い 窓を開けて消した
黙ってシーツも取り替え 洗った
わざと時計の針をズラしていたなら
あなたは私になんて言ってたのだろうか

あなただけの特権 文句を言う特権
ならないように 素直を押し込め
偽り笑った

たわいない生活を 終わらせた出来事へと
変わっていった それが嬉しかった
愛じゃないと知ってた ダメなことと知ってた
思い浮かべてたオトナになれなかった


終わりは簡単に来た ベッドは軋むのやめた
サヨナラもなく連絡が突然に途切れた
受け入れるしかなかった それしかできなかった

ただ時計の針は音を立ててまわってた


やるせない生活が 終わること覚悟してた
会いたくても もう会えない 泣かない
たわいない生活に ただ戻っただけだと
言い聞かせることに専念した あれから...

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