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極私的ジャズ銘盤選2021秋DX

本編の前にまずは、今週の二郎系のコーナー!!

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「店長の気まぐれメニュー」なる存在を知り仕事の合間、問答無用で駆け付けた銘店・麺家徳甲子園口店。煮干しらーめんニンニクヌキヤサイマシアブラマシマシカラメ、味付け背脂ご飯のサービスまで。「来てくれると思ってました」行き付けのお店から一度は言って欲しい台詞ナンバーワンを頂き、なおかつコールの癖まで見抜いた先手先手の接客に心も体も大満足。幸せ。

以下、本題。

ナンバリングが独特なのは仕様です。来るべき「冬の陣」に向けて積み残しが決して許されない状況下において苦肉の策としてデラックスエディションを刊行、前回お伝えした通り二段構成の延長戦となっております。まさかのダブルヘッダー、ヘタするとトリプルヘッダーも?絶望的な胃もたれを覚悟の上、選ばれし戦士の方々のみ以下へお進み下さい。

※通し読みには絶望的分量です、小分けでお楽しみ下さい。

~第一部~

という訳で7月初週盤、まだまだ続いていきます。Bobby→Taylorときまして今度はMadisonが鮮烈デビュー、一貫して「声」にフォーカスした音楽姿勢が聞く者の心を掴んで離さない。植物が芽吹くような、朝日が昇るような、有機的な波の押し引き。主宰はふと思い立ち、セイリング種目のネット中継を無実況でこの曲かけながら眺めておりましたよ。もう抜群過ぎる相性で。

逸る気持ちを今一度静めて、メロウに行こうではありませんか。勿論こちら再販でなく令和3年れっきとした新作。レアグルーヴといえばナッシュビルという抜群の安定感を帯びてきた感がありますね。ネットでは海外のコミュニティラジオ局にだって簡単にチャネリングできる時代になりつつありますから。たえず四方八方にアンテナを張り続けること、を今後もモットーに。

いやあ痺れるイントロですよね、お馴染み「至上の愛」からの引用と推測。カリフォルニア出身のプロデューサーPaul GrantとバンクーバーのKey奏者がタッグを組む。ひょっとするとこれもコロナ禍の中、音源データのやり取りだけで完パケまで持って行った可能性というのも十分考えられます。昨今のリモート環境がさらにラップトップ音楽を深化させている確かな実感。

一転、異国情緒全開なこちら。ロンドン発男女デュオとの謳い文句で登場、Khruangbinフォロワーは問答無用でぶっ刺さる鋭利でアクの強いサウンド。一言で言い表すことが非常に難しい、しかしサイケでアフロ的でフレンチの質感も感じ取れて。まあ小難しく色々総合勘案した結果、主宰にはジャズの銘盤としてカウントされました。新感覚のもんじゃとでも申し上げておく。

これも英ブライトン出身のSSWですがキトセバ(※Kit Sebastian)同様南米音楽のコンテクストが非常に強い。カルディの有線で流れていそうなんて書くとよりイメージが湧きやすいでしょうか。この辺りは要研究の分野ですよね。アシッドフォークとジャズの邂逅といったサウンドは散見されますが今回のようなケースはあまり前例がイメージしにくいもので。

泣く子も黙る名手の新曲がドロップされました。信じられない事実ですが、ここまでご紹介した盤すべて同週リリース。主宰がなかなか秋の陣を畳むのに苦労している理由はただ一点、無茶苦茶に良作揃いだからに他ならない。9月27日リリースのアルバムから先行シングル、これはもう期待値鰻登り。折を見て別稿拵えましょうかアルバムレビュー、の構えでもって。

はからずも英国産が続きます。ハックニ―出身、新進気鋭のSSWが纏うのはオールドの風格。サウンドといい、言語感覚といい。挙げるまでもない面々ですが敢えて列挙しますと、例えばそれはCurtisであり、Marvin Gayeでありあるいは彼らの往年のサウンドを現代音楽として高らかに鳴らせしD'Angeloであり。そこに割って入る勢いすら感じる新星。要チェックです。

Spotifyでのリリースは現在この1曲だけ。いかにも主宰のコレクター本能をくすぐる存在が登場。元々Deborah Bondが大好きで、この度Release Laderに偶然彼女の名前を見つけたところ。今回見事選出となった。米ワシントン州に拠点を置いていると思しきバンドThe Compellersに関して情報をお持ちの現地勢おられましたら是非コメント下さい、情報少な過ぎて詰みました。

興味深いジャケ。詳しくはサブスクして頂ければわかりますがこちらの方、すべて石の写真をジャケに据えている。一貫してずっとです。未だ謎多き、スコットランドの新星ピアニスト。石にも魂が宿るなんて言いますものね。主宰はこの辺りかなり学が浅いもので、これ以上は口を慎みますがしかし。ちょっとしたジャケにも無限に想像力を掻き立てられる瞬間がある。

セブ島出身、まずもってこの歌声に惹かれました。これまで前述してきた、例えばサウスロンドンジャズ/LAジャズでは、比較的ふくよかでシルキーなタッチのヴォーカルが絶妙な浮遊感を生むこと。またそれが無機質なリズムマシンと絶妙に絡み合うことが数々の音源で証明されてきました。あるいはリバーブ感も重要なファクターになりつつある。無論彼も例に漏れません。

〜第二部〜

という訳で第一部終了。耳タコでしょうがまだまだ続く7月初旬リリース。ベルリンのビートメイカーBluestaebが、シカゴを拠点に活動するラッパーMick Jenkinsをフィーチャーした1曲。メロウながらも非常にハキハキとしたビートが脳裏に焼き付く。残念ながらArénaに関する情報が少なく、有識者のタレコミお待ちしております。

あるいはLaura Nyroの生まれ変わりということなのかもしれません。定期的に音楽界を賑わせる生まれ変わり理論、例えばRumerの1stには紛れもなくKaren Carpenterの魂が乗り移っていたと断言できますし、先述のChad LBの肩越しには微笑むブレッカーの姿がはっきりと見える。せっかくの顔ジャケに影が差し込む辺りも確信犯的と言えそうです。ブレイク必至の逸材。

こちらもスルー不可避、実に優美で感傷的な大傑作。北欧ジャズヴォーカル→澤野工房→Sinne Eegくらいの予測変換なら余裕という貴方はマストバイ。当楽曲はちょうど10年前にカルテット編成でリリースされていますが、今作は大掛かりなオーケストレーションを施すことで全く別の世界線を披露してくれています。伸びやかでしなやか、芯は強くそれでいてフェザータッチ。

再三繰り返しますが同週リリース盤継続中。日本人が連想するブラジリアンといえばIvan LinsやGilberto Gil、Caetano Veloso辺りがやはり強いでしょうか。しかし彼女とて20年以上のキャリアを数えるビッグネーム、ギタリストJonathas Pingoの抑制的で言葉少なに語り掛けるバッキングも非常に美しいです。休日の午後のひと時にぴったりなアルバム。

夏の陣でもご紹介したSmoke Sessionsシリーズの最新作。リリシズムここに極まれりと言わんばかりの、凄まじい哀愁が押し寄せてくる。マクブライドのアルコソロも圧巻で、Carl Allenのブラシワークはまさにドラムの教科書。室内楽的アプローチが随所に感じられるのも面白い。ジャズ喫茶というよりはむしろ茶室のイメージというか。

コンセプチュアルな作品が続きます。敢えて曲名を付けずナンバリングだけ施す手法は、ライヒ的でありダンス音楽的であると言えそう。どれを挙げるか非常に迷いましたが、アルバム中盤、特に主宰の心をざわつかせてくれたチャプター7を取り上げて今作のハイライトとしたいと思います。ジャズ民は勿論、ハウステクノ好きにもビシビシ響く不思議なサウンド。

副交感神経優位なサウンドが、北欧アイスランドから届きました。「我々が生まれる時」なる含みありまくりなアルバムタイトルに思いを馳せながら、Olafurの言うスパイラルがどうか正の循環を指していると切に願うばかり。この永遠に続くような至福のひと時がわずか3分半で終わってしまうというのも、些か残酷な話ではあります。

遂に来ました、待望のバカラック曲集最新作。このシリーズが長年の大好物でして。メトロポール・オーケストラを従え堂々の歌い回し。彼女の末恐ろしい点はこれ、全編ライブレコーディングだっていうところ。ホントびっくりしますよね。絶妙なハスキーさも魅力。完全無比に見えてわずかに綻びがあるところに、人の心の温もりを感じられる逸作。

祝・同週リリース脱出、ですがすかさず主宰のフェイバリットで重ね打ち。振り出しに戻る。しかし毎回同じこと書いてる気がしますがKurtの引出しの多さには驚かされるばかりで、こういう8フィールの楽曲は意図的に避けて来たのかななんて疑念があったのですが、Aメロが流れてきたところでその疑いは完全に消え失せました。もっと早く聞きたかった1曲。

第二部の締め括りは、夏の陣辺りでチラッと名前を挙げた彼女達。『Mood Valiant』は勿論ナイスだった、恐らくは今年度ベスト筆頭でしょう。しかし現を抜かしていると、シンガポールからの刺客がHiatus Kaiyoteすら追い抜くそんな時代が近い将来訪れるかもしれない。アジアの音楽がマジでアツい。ポップな出音に惹かれ聞き始めると、途中で強烈なアクの強さに気付く。

〜第三部〜

2019年以来となる新曲が届きました。小西康陽フォロワーも思わずニヤケ顔な1曲は、同じくオランダ出身シンガーLilian Hakをフィーチャー。野宮真貴さんの役回りを120%キチンと果たしています。すっかりオールラウンダーの名を手中に収めたWouter Hamelですが、さあ20年代はどんな顔を見せてくれるんでしょうか。ワクワクします。

昨年末の銘盤選2020でも珍盤奇盤枠でご紹介した彼ですが、やはりこちらでも同枠でのピックアップ。ドローンミュージックとなれば俄然彼の音使いと空間支配力が際立つ。友情出演ほどの手数ですが圧倒的存在感を見せているドラムはJamire Williams、このキャスティングもなかなかニクい。コロナが明けたら是非、来日公演が観てみたいですね。

これもまた不思議な味のするカクテルですよ。英ブリストルの新星Gabriel Giffordが、東部ノリッジのNeo SoulシンガーMaya LawとあのGiles Petersonも認める天才Freya Royとタッグを組む。フォーキーでサイケな音像はこれぞ英国産という純度の高さで、10年代の流行とは明らかに潮目が変わってきたのだとわかります。

激渋、の一言です。Fearless Flyersで持てるフィジカルオバケっぷりを存分に発揮してみせた後で、こんなに切なく優しい音楽を届けてくれるのですからそりゃあ皆、彼の虜になる訳です。Alabama ShakesのフロントマンBrittany Howardの登場も、10年代最大の衝撃だったと言う他ない。薄暗がりの中、虚空を見つめるジャケに貴方は何を思いますか。

事あるごとに挙がる名前、公式YouTubeではお馴染みこちらのスタンダードが待望の音源化。問答無用で重ね打ちです。オリジナルの質感を活かしつつ現代的解釈を余すことなく盛り込んでいくバランス感覚、もう恐怖と言う他ありません。テナーソロは言わずもがなChad LB。お気にドラマーである、Jimmy Macbrideのソロもイカしてます。

積年のジャズファンとしてそれなりに責任持ってポストRoy Hargroveの座は彼に託したいと思ってます。割とガチ。Royが度々セッションに訪れていたSmallsでのトリビュートライブにも、しっかりと彼の名前があった。吹き姿のみならずフォーマルとストリート性を併せ持つファッションセンスでも、しっかりイズムを継承していると言える。そんな彼の最新作から。

ジャケもなかなか凄いこちら。「今度は何が起こるんだ?」はシェルブールの雨傘オマージュなんでしょうか。米サンディエゴの雄Salami RoseがRemixを担当、4か月前にリリースされたオリジナルとも是非聞き比べて下さい。文字通りFlylo以降のサウンド、これぞBrainfeederという仕上がり。しっかし気になるのはこのジャケ。何故に切り株。

キワドいサウンドが続きます。時代はリハモから「Reimagined」ブームへ。オリジナルリリースから35年の歳月を経てLA出身のチェリストKelsey Luが、楽曲に新たな息吹をもたらす。エヴァンスで例えるとそうですね、『New Conversations』に『Symbiosis』の空間要素を加えたような仕上がりとでも言うべきか。あくまで実験音楽愛好家の皆様に向けての私信。

傑作『Septet』から僅か数週間足らずで、新曲をドロップ。昨今のコロナ禍でリリペがとんでもないことになっているアーティストの一人です。題名のPhoebeが一体誰を指しているのかについては、正直掴み切れずにおります。昨年素晴らしいアルバムを届けてくれたPhoebe Bridgersへ向けて、あるいは今年没後10年を迎えたシンガーPhoebe Snowに向けてか。

当初の計算ではここまでで7月分完全走破のはずが、やっぱり無理でした。Tp奏者Phil Grenadierとのクインテットから繰り出されるサウンドは、令和版『Nefertiti』と言うべき60年代中後期ポストバップの香り。「Fall」に掛けてFlyingと名付けた、まであると思っています。ピンボケしたジャケもどこかShorter的というか。

〜第四部〜

これはさすがに景気良過ぎないか。第四部は独ケルンが世界に誇るビッグバンドWDRから。オランダ・ベルギーのヴォーカルジャズトップランナーを双璧とした分厚いアンサンブルを響かせてくれています。「それでもなお我々は歌い続けるのだ」はファンにとってこれ以上ないほど力強いメッセージにも感じますね。

琴線ど真ん中ですね、80sリバイバルの文脈から生まれた令和の新プロジェクトShook。シンセポップ、ディスコ、ファンクからアニソン、ゲーム音楽まで網羅するサウンドの中にも着実にジャズのエッセンスが息づいていて。意図的にバイオグラフィを制限したスタイルなのか謎の多い部分もありますが、サウンドがサイコーなら万事OK。秋口にはアルバムが届くそうです。

重ね打ちに次ぐ重ね打ち。両者の思惑ががっちり合わさった、これもRemixというよりは前述の「Reimagined」のコンテクスト。と思ったらしっかりとアルバムタイトルにも刻んでございました。ThundercatやFlyloとの共演作も話題となりましたが、聞いてみたいコラボ目白押しのBADBADNOTGOOD。気になった方は是非動向を追いかけてみて下さい。

父・石橋凌。妹・石橋静河。その昔母・原田美枝子さんがトーク番組の中で「親の役目は選択肢を与えること。選ぶのは子ども自身」と仰ってらして、大変共感を覚えたものでしたがしかし。ここまで振れ幅のある姉妹もいないのでは。名手・岡田拓郎氏との共作。古びたフィルムが現代技術で蘇ったかのような音像が魅力的、ルーツ音楽をライフサイズに鳴らせる逸材。

国産サウンドを続けていきます。2019年東京で結成、フロントマンの菊池剛氏は、自身のNY留学を契機としてジャズの世界にのめり込んだ。こちらも、オールディーズを下地としながら今風のローファイサウンドに仕立て上げ。「休符で音楽する」なんて言いますが、余韻余白をたっぷり聞かせてくれる銘盤ではないかと思います。

曲名が指し示す状況というのは疑うまでもなく先のコロナ禍かと思います。主宰はあまり下調べもせず、名も知らぬ抽象画家の作品展なぞに足を運んでは音楽的なインスピレーションを得て。頭バッキバキの状態で音楽スタジオに籠りドラムを鳴らし続ける、なんて経験をよくしたもので。なにかあの時の感覚にも似ている。一つ一つの音に想像力を膨らませて聞いて下さい。

本稿恒例行事、Kurt Rosenwinkel参加盤のコーナーです。夏の陣辺りで紹介したFabia Mantwill盤での怪演も記憶に新しいところですが。なんというか、空間の魔術師っぷりと真のラスボス感が凄い。いつバッキングに加わるんだどんなフレーズで入るんだろうとつい前のめって聞いてしまう。かといってKurt独り勝ちかというとそうでもない。各人のパワーバランスが絶妙。

オールディーズファンを虜にさせる音像、のっけの聖子ちゃん進行からもう心が締め付けられ。同じレトロポップテイストで言えば、オーストラリアのK.L. Mazlinにも共通した不思議ポイントなのですが。声質がどことなくJohn Lennonに似ている気がする。これは単なる偶然なのかそれとも所謂「生まれ変わり理論」の継承者なのか。

都合上、ヒップホップ盤はかなり数を間引いてご紹介してきましたがさすがにこれだけは外せなかった。NYブルックリン出身、バークリー音大在学中。近い将来、必ずテッペンを獲るであろう逸材です。Kendrick Lamarで言えば9th Wonderプロデュース「DUCKWORTH.」へのオマージュを随所に感じることもできます。

第四部終了です、まだ7月盤が捌き切らない。先を急がなければならないとわかり切っているのに面白いサウンドが次々やってくる。NY発ジャズブラスバンド、奇天烈な編成とリフは癖になること間違いなし。人力EDMとの解釈も果たして成り立つでしょうか。こんなのどこで見つけてきたんだと訊かれれば勿論、Spotifyが世界に誇る「Release Lader」機能とあいなりやす。

〜第五部〜

重ね打ち、重ね打ちなんて言ってるから間に合わなくなってんじゃないの。という声を華麗にスルーしつつの重ね打ちで第五部開幕。パーソネル情報に関してはChad LBの公式動画に譲りますが、文字通り各国から選りすぐりのプレーヤーばかりを集めていて。ひょっとすると、全編リモート録音されたアルバムということになるのかもわかりません。画期的作品。

こんなに心優しいピアニストだったかしら、Jean-Michel Pilcを良く知る皆様には頷いて頂けるはずの暴言。アヴォイドノートやらデハーモナイズやらといった現代ジャズのコンテクストはどこへやら。抜けるような青空と白い雲がジャケなんて、これまでの作風からは想像も付かない。恐らく年末ジャズ誌アワードをかき回してくれるはず。本当に心洗われる必聴盤です。

青空ジャケ繋がりでもう1曲。こちらもプロフェッショナル集団の息遣い、呼吸感を堪能できます。主宰激オシの手数派Brian BladeことRudy Royston、相変わらずのシバきっぷりにも惚れ惚れする。コロナ禍では「Shelter In Place」なんてワードもよく耳にしました。街へ出よう、元通りの生活を取り戻そうのきらいが生んだアルバムタイトルなのかもしれません。

6月リリース盤をしれっと挟み込み、まだまだ終わらせる気ゼロ。世界観を作り出す冒頭VibraphoneはAntonio Loureiro。音価の高い粘っこいリズム。結成20年目みたいなグルーヴ感を覚えますが、なんとこれがデビュー作品。いやあ一体何者なんだ。バイオ情報をお持ちの有識者様、おられましたら、早急にリプライよろです。そろそろ年末アワードをまとめ始めないと。

本末転倒、もう一発ぶち込みましょう。せっかくなのでブラインドテスト。どちらの国の音楽だと想像されましたか。隠し切れぬサイケ感。レーベルの宣伝文句にすら、「謎多きミュージシャン」とか書かれちゃう程ですから。相当煙に巻くタイプの難敵。名前の字面で大体わかっちゃうという貴方は、なかなかの手練れとお見受けします、さては相当音楽に詳しい方ですね。

間もなく8月盤に入れそう、とだけお伝えしておきます。虚しく響くだけ。とはいえ泡沫DJイベントとして彼の存在をスルーしていく訳にいかず。主宰は客演のJarreau Vandalの大ファンでして、その繋がりで偶然発見、しっかしこちらもプロフ情報が少なくかなり音探しに手こずっております。公式MVの彼が本人であることの確認は辛うじて取れる程度。

ジャズの客演を誰にオファーするのか全世界的にセンスが問われるところ、しかしミゾベ氏というのはなかなかお目が高いと思います。東京都の出身、上智大学在学中ジャズと出会いその後New York City Collegeを首席で卒業。本場最新鋭のサウンドを吸収しつつ、東洋的なアプローチでもってジャズを鳴らすというコンセプト。令和3年、新たなフェーズ到来の予感。

売れ線に対する意識は勿論のこと、ジャズ界隈のリアルをつぶさに見極めて自身のサウンドに還元していく姿勢。King Gnuがあれだけスマッシュヒットを飛ばしましたからWONKやTENDREが追従したとて何の不思議もなかったはず。ところが、思った程の第二波とはなっていない印象。非常に惜しい。近日メジャー移籍1stのリリースが控えています。今度こそハネて欲しい。

言わずもがな、サウスロンドンの出身。13名からなるラージアンサンブルLevitation Orchestraのピアニストでもあります。東京ザヴィヌルバッハや、The Cinematic Orchestraがお好きな貴方に刺さる音像かも。アナログと電子音楽のちょうど中間地点、あるいは人力と非人力の融合を強力に推し進めてくれる救世主となるか。ストリート感覚も程良いスパイスとなっている。

同じく英ロンドン出身のTp奏者を取り上げ第五部の〆。結局8月盤には到達しませんでしたねえ。これは秋の陣DXⅡでは飽き足らず、DXⅢまで広がる恐れありです。なんかもう格ゲーみたいなナンバリングになってきました。もし仮に銘盤選2022が開催されたとして、季刊発行→月刊誌への格上げまで視野に入ってくる勢い。ただでさえ多忙の隙間に頑張って書いているのに。

約9,000字を書き終えDXⅡへ続く。ゼミ論文ちゃうぞ。


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