砂時計

雑記

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終電って何の略なんだろうね

画一的な話ばかりされると、自分の人生が間違っているかのような、マジョリティこそ正義だったいつかの空気に戻される気がしてしまう。 テンプレに沿うことで、決断力を温存しているのか。もう生物としての人間本来の寿命に近づいてきて、はつらつとした、ぼくらが知り合った頃のような生き方を手放したのか。そんな話は聞いていないのでやめてほしいのだが、止める権利も義理もないので受動的に聴き入れることしかできなくなってしまっている。 Netflixは、絵が綺麗なアニメ映画がウケることに気づいたよ

    • 理想と現実のサラブレッドことアニメ

      アニメ映画が好きで、Netflixとかに新作が来ていると必ず観る。好きな理由は、自分の憧れる人生と実際の人生をどちらも大切にしてくれているように感じられるからである。 アニメはもちろん現実ではない。ただし「空想世界のような作品があるから」とか「現実にこんな人間はいない」とかそういうことではない。あえて描かれずに捨てられる情報がある、という意味で現実ではない。 抽象化された季節や恋愛や冒険を、鮮やかな色彩とドラマチックな展開で描き出してくる。まるで過去のように美化された擬似世

      • 人殻

        今回の人は、なかなかに理想に近い。 名前のわからない鳥が意思疎通を図る。もう少し眠りの海を漂っていたかったのだが、ここまでしか許されないらしい。またの機会にすればいいだけの話だ。 大小さまざまの観葉植物はインスタントな自然への憧憬をいとも容易く実現している。ぼくが世話をしなければならないところが玉に瑕だ。 家具のトーンは完全なる人為ながら自然な統一感と相成っている。思い出を纏った物が少しだけ、しかし確実に、あちこちに置かれている。意識してのことかは分からないが、言われてみれ

        • がんばるますの権を他人に握らせるな

          頑張り終えた瞬間が好きだと、ふと気付いた。 定期テスト後に友達とやったモンハン。カッコいいライブができた日の飲み会。大学院入試を終えて放心状態のまま食べたサブウェイ。なんとか書き上げた修論を出したその足で向かったいつもの研究室。新卒研修の成果発表を終えて眠い目を擦って見た夕陽。 今を覚えておきたいと意識的に思った時は、残念ながら覚えていないこともある。だが頑張り終えた直後に五感から流れ込んだ情報は、少しの間だけ鮮やかに脳に焼き付く。出来事の大小は問わず、強制的に録画と保存が

        終電って何の略なんだろうね

          三ツ矢サイダー

          やりかけたままで放っておいたことがたくさん残っている。自宅には数百冊の本があり、そのうち二割ほどは読みかけである。全てに栞が挟まれている。幸せなことだと感じつつも、一刻も早くこんな状態からは抜け出したい。 今までに行った施設の入場券や、おもしろかった映画の半券などを捨てられないでいる。栞として使いながら、それらにまとわりつく思い出をついでにまだまだ味わおうとしている。こんなに栞を持っているからこんなに本を読みかけのままにしておけるのかもしれない。 二十年以上も生きてきたの

          三ツ矢サイダー

          ゆるやかに、しかし止まることはない

          次ぐ思考実家を売ってどこかに引っ越すかもしれない。もうその前がいつか思い出せないくらい久しぶりの帰省で、母から初めて聞いた話だった。 考えてみれば当然のことだ。弟も大学を卒業した今、両親の人生には大小さまざまの余白が生まれるだろう。建てた家もその一つだ。もう使っていない部屋のほうが多いのではないだろうか。 兄弟それぞれに一人暮らしの経験を与えるような両親の前にも、さすがに前提が崩れて全く新しい選択肢が現れたのだろう。 あるいは、それほどは何も考えていないのだろうか。それはそ

          ゆるやかに、しかし止まることはない

          全ては死ぬ直前のおたのしみ

          人を褒める時に「すごい」「えらい」と言う。 大味な言葉ではあるが、感心や勝手な比較結果を伝えようとしてくれている。 能力が高いことは、それだけでは何もすごくないしえらくない。 楽器が弾けること、本を読んでいること、東大に合格すること、プログラミングができること。 自己完結しているうちは、それはすべて単に人生の過ごし方の違い。 もちろんそれが個人の幸せなら、この話は終わり。 人が集団で生きている意味での社会で、すごくえらいのは他人の人生を豊かにした時。 勉強した経

          全ては死ぬ直前のおたのしみ