豆腐の角

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豆腐の角

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習作句歌集『オナニヒル』(1)

首を吊るつもりの桜はもう葉桜 人の世は涙の谷と嘆ずる男 スーパードライはもう五本目 生きるのは体に悪いとくだを巻く無職の友の色褪せたジーンズ 誰を見てもまぶしい春の夕暮れ 何を見てもさびしい春の夕暮れ 憂愁の一語が似合う学生が読んでいた本が気になる古書市 気が付けば死ぬことばかり考える きょうも独りの五体満足 その手から渡された小銭は取っておき はからずも貯金 レジの恋 ギブギブとプロレス技をかけられるいじめられっ子の悲しき笑い マグカップの茶渋こそげ落とす 

    • 余はいかにしてしこしこ教徒となりしか、

      春だからしこしこばかりしている。暖かくなるとしこしこがしやすくなる。全裸で仰向けにならないと気分よくしこしこできない私にとって冬は不都合極まるんだ。何よりしこしこは金がかからなくていい。金をかけないと得られない快楽なんてのはだいたいろくなものではない。商品というのはいつだって罠だから。たいていの商品の裏には少しも必要もないものを買わせるための詐術がある。いい年してそんな認識も得ていない大人は腐った豆腐の角に頭をぶつけて死んだ方がいい。しこしこは「生きている他者」とは違って私を

      • オナニート、断章

        オナニート。「オナニーばかりしているニート」。「オナニーだけしか楽しみを持たないニート」。「オナニー以外の快楽はすべて不純だと確信しているニート」。 オナニートの日常には何も起こらない。あまりにも何も起こらないのでいっけん平和にみえる。絶対的平和主義者オナニート。 地上のすべての「人間」がいますぐオナニートになれば歴史は終わる。「人間」の歴史は、この血塗られた歴史は、落ち着きのない猿たち(非オナニート)によってつくられてきた。「御社と貴社の使い分け」などに神経を使ったこと

        • この残酷退屈宇宙を浮遊しているロゴス的肉片π

          この「世界」はあまりにも何も起こらない。その「空しさ」を嘆いてはいけない。笑われるだけだから。青臭いと。それはまだ君がこの「世界」をじゅうぶんに生きていないからだ、なんて説諭されるのが落ちだから。こんな「空しさ」が続くくらいなら世界核戦争でも始まればいい、などと自棄的なことを言ってはいけない。まさに空しさそのものである彼彼女らの小言を頂戴するだけだから。その「空しさ」を他人と共有しようとしてもいけない。がいして他人とは、「話せば話すほど自分とは縁遠い存在に思えてくる誰か」なの

        習作句歌集『オナニヒル』(1)

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        • 痰壺迷想録
          6本
        • いけぞんざい
          1本
        • 非社会的
          17本
        • 問わず語り
          16本
        • 絶望の手慰み
          0本
        • 貧乏なのにワイン
          0本

        記事

          痰壺迷想録(6/938)

          ◉生物に特有の愚鈍さ。繁殖はそんな愚鈍さの最悪の表現といえる。 ◉「国家だけじゃなくて個人も核兵器を保有すれば抑止力が働いてイジメもパワハラもなくなるよ」「いや個人なら銃でいいでしょ」 (きのう耳にした高校生同士の雑談) ◉「世界の残酷さ」はつねに暴力的なほどに過小評価され、「世界の美しさ」はつねに暴力的なほどに過大評価されている。 ◉「産んでくれなんて頼んでない」なんて紋切り型を叫べる知的鈍感さ。こういう紋切り型を叫ぶことになんの羞恥も覚えられないような人間はおそらく

          痰壺迷想録(6/938)

          オナニート絶望対話

          オナニートA:ボーっとしていることに五分も耐えられないほど「人々」は堕落している。もはや我々のまわりには病人しかいない。 オナニートB:オナニートに病気と診断されるようではもうおしまいだね。 オナニートA:さいきんはオナニートであることに劣等感を覚えなくなってきた。 オナニートB:俺は最初からそんな劣等感は覚えていない。 オナニートA:君は特殊だから。たぶん<底辺>からしか見えない風景というのがあるんだね。 オナニートB:底辺というより無次元ポイントと言った方がいいね。「ただ

          オナニート絶望対話

          痰壺迷想録(5/938)

          何を呪っていいのか分からないくらいに何もかもを呪っている。 自己パロディのパロディを中途半端に演じることしか出来ない、という「自覚」はつねにある。 「弱い者いじめ」が快楽でなかったことなどかつてなかった。「弱い者いじめ」の歴史に比べれば「強い者いじめ」の歴史はまだ浅い。 「書くものは暴力的なのに会ってみると優しくていい人」を素直に演じるためには相当の愚鈍さが必要だろう。 どんな自称エゴイストよりも「善良な市民」面した連中のほうがはるかに巨大なエゴイズムを生きている。

          痰壺迷想録(5/938)

          痰壺迷想録(4/938)

          ◉自分の快・不快に鈍感になることを「この世界」では成長と呼ぶ。 ◉東京大学に四人の子供を「合格させた」という母親が教育論についてべらべら喋っていた。とてつもない不快感。こんな奴の話を聞かされるくらいならまだレイプ魔の自分語りを聞かされるほうがマシだ、と思った。 ◉一頁の大部分がインクもドットもない「白紙」であることに気が付いてる読者は少ない。読者は「白紙」をも読んでいる。 ◉生まれたばかりの幼児を絞め殺す親と、それを育てる親と、「残酷」なのはどちらだろうか。「与える苦痛

          痰壺迷想録(4/938)

          痰壺迷想録(3/938)

          ◉「人々は」と口にするたび、私は、そのなかに自分を含めてはいないことに気が付く。「他の人々」もまた同様なのかもしれない。とすれば「人々」というのは一体どこにいるのか。「みんな」とか「世間」といったものはどこにあるのか。これは単純平凡ながら重大な問いである。 ◉こんにちにおいて「多忙であること(多忙だと思われること)」は、凡庸人が自己愛を充足させる上で、ほぼ欠かせないことになっている。誰もが「無為」に過ごすということを最大限回避しようとしている。にもかかわずけっきょく彼彼女ら

          痰壺迷想録(3/938)

          痰壺迷想録(2/938)

          (noteでは不定期気紛れにゲロ的雑文を書き散らかすこのアカウントの他に、読んだ本のことなどを真面目に綴っている(つもりの)日記用アカウントを持っている。日記用アカウントが表遊戯だとすれば、こっちのアカウントは闇遊戯である。どっちも精神安定上有効だが、こっちのほうがオナニート的人格を全面に出せるぶん、好きである。クズのクズによるクズのための雑文集。生きるのに何の役にも立ちません) 【子供】いわゆる「子供の相手」が出来ない人間というのがいる。私もそのなかの一人。「何歳になった

          痰壺迷想録(2/938)

          オナニート対話篇α-1

          A:こんにちはソクラテスじゃなくて、A君、 B:あけましておめでとう、 A:なにがおめでたいんだ? この残酷無類の世界におめでたいことなどあるのか? B:いや、たまには凡人どもの真似をしたかったんだ、 A:(テレビを見ながら)あいかわらず学生どもが走っているね、 B:ああ大いに走ってる、きっとみんな恋人がいて、友達もたくさんいて、将来ちゃんとした仕事に就くんだろう、俺たちとは対極的な人生を歩むんだろう、 A:俺はこんなキラキラした青春劇を見ていると生きているのがますます嫌にな

          オナニート対話篇α-1

          痰壺迷想録(1/938)

          ◉【地獄的】 かつて「親ガチャ」という頭の悪そうな言葉が流行していたとき、「なに言ってんだ、すべての親ガチャは例外なく外れじゃないか」と年甲斐もなく憤ったもの。でもこれでは「事の本質」を言い当てたことにはならないね。(出口のない「独我的議論」はさておき)そもそもあらゆる「有感生物sentient being」はそこにあるというだけで「限りなく不幸」なんだ。このことを「正しく」理解していない者が多すぎる(気がしてならない)。五体満足であろうが五体不満足であろうが、親が資産家であ

          痰壺迷想録(1/938)

          リアルに絶望すること(オナニート対話篇3)

          オ:オナニート ハ:オナニートの友人 オ:俺がまだ無能であることのうえに「胡坐をかく」術を知らなかったころ、「まともな市民になれ」圧力を全身で感じ続けていたころ、単独者として生きていなかったころ、「魂の恥垢」で爆弾を作る方法を知らなかったころ、人間の存在を無条件に「善」だと信じていたころ、「命の尊さ」なんて聞いてもほとんど違和感を持たなかったころ、いまよりもずっと邪悪で不潔だった。 ハ:最近この文章の作者、対話形式で書くことが多いようだね。どうしてだろう。 オ:一人称だけで

          リアルに絶望すること(オナニート対話篇3)

          脳髄の恥垢では爆弾は作れない(オナニート対話篇2)

          オ⇒基本全裸で過ごしているアル中オナニート(三三歳) ハ⇒極右思想をもてあそぶ底辺ハケン社員(三三歳) ハ:まえ会ったのは四月じゃなかったか、プロ野球開幕直後だったね、ことし阪神が優勝したらしいよ、また道頓堀に飛び込んだバカがいてさ、 オ:プロ野球なんかどうでもいいよ、大の大人が球を打ったり走ったりするのをみて何が楽しいんだ、スポーツなどはしょせん体制内娯楽に過ぎない、この世の根源問題から凡人どもの目を逸らさせる機能しか俺はそこに見ていない、 ハ:また陳腐なことを言い出した

          脳髄の恥垢では爆弾は作れない(オナニート対話篇2)

          全裸ニートは物を落とさない

          夏は死んだように本ばかり読んで過ごしていた。「生産的な活動」はゼロ。酒は飲んでない。飲めなくなった。朝の吐き気すごいから。「生きてそこにあり続ける」というはただただダルいだけ。ところでみんなどうしてまだ生きてるの。道行く一人一人に問いかけてみたい。「なぜ死なないのか」。そういう俺はどう答える? たまに自分と似たようなクズと駄弁っている。相互扶助的なクズコミュニティがいよいよ必要だな。いまの日本で俺ほど傷の舐め合いに飢えてる男いるかな。傷の舐め方うまいぜ俺。俺は《完全な孤独》に

          全裸ニートは物を落とさない

          オナニート対話篇

          A:派遣社員 B:オナニート A あいかわらずイカ臭い部屋でチンポいじってばかりいるんだな。まるで廃人じゃないか。ここの家賃払っている両親が死んだらどうするんだ。つぎは国に寄生先を変えようっていうのか。もうクズすぎて殺してやりたいよ。そのほうが世のため人のためかもしれない。 B 殺してくれるなら殺してほしいよ。ただし痛みという痛みはすべて耐えがたいんだ。自分に加えられる痛みにも、自分以外に食わられる痛みにも、俺は等しく否を叫びたい。これいじょう《宇宙における苦痛の総量》を人

          オナニート対話篇