マガジンのカバー画像

私はまた旅に出た

120
おまえ は もう 静か な 部屋 に 帰る が よい。 煥発 する 都会 の 夜々 の 燈火 を 後 に、 おまえ は もう、 郊外 の 道 を 辿る が よい。 そして … もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

旅と読書

以前、旅行で新幹線に乗った時など、前席背中に挟まれている「トランヴェール」なる車内誌をめ…

ちくわ会長
1か月前
12

後ろ髪

先日の夕方のこと。妻は、夜7時キックオフだという地元サッカーチームの試合を応援しに、仕事…

ちくわ会長
1か月前
9
+2

富盛のシーサーと私

ちくわ会長
1か月前
12

首里城で鎌倉芳太郎

先日、妻を連れ沖縄へ旅行に出かけた。 朝一の新幹線で東京へ、11時の飛行機で沖縄那覇へ。…

ちくわ会長
5か月前
11

女子タイツ

東日本の寒い山間の町に暮らしている私たち夫婦の、2月半ばの、とある日に起きた大きな事件、…

4

みんな、いやしい、欲張りばかり

1,濡れ落ち葉 かなり年下の女とひっそりと恋愛をしていた2年前などは、もう少し艶っぽい記事…

11

閑話二題

4月26日という日 あれからもう一年、経った。 4月26日。亡き先妻の遺骨を、それまで納めていた霊園の区画墓から取り出し、同じ霊園の高台にある、事情ありの遺骨をまとめた、いわゆる「合葬墓」に入れてしまった、いや、投げ入れ、放り込んでしまった、その日だった。【記事】 まず私は、この4月26日と言う日を忘れなかったことに、何故だかホッと胸をなで下ろしたと言うのが正直なところだ。今までの長い月日の中で、生活に追われて妻の命日を忘れてしまい、その数日後に思い出す、と言った失態が何回

阿呆の季節

鼻毛 「あっ!」 その時、確かに私は「あっ」と言う声とともに一瞬青ざめ、そのまた一瞬のち…

7

「ア、秋」

1,梶井基次郎「雪後」まずは、一年を通して、暇になれば太宰治か梶井基次郎の電子書籍を開い…

15

太宰治「津軽」と、梶井基次郎「檸檬」と、可愛いやまパンちゃんの件

太宰治の傑作中の傑作、紀行小説「津軽」はこんな一節で終わっている。 多分にも脱稿が1944年…

16

夢は自己表現、らしい

1,こんな夢 こんな夢を見た。 前妻の面影を強く持っている、私の大切な娘が、ある日、突然に…

6

夏も終わる

1、ちら見 久しぶりにトレーニングジムに行った。そこにいた、白く薄いアディダスTシャツを着…

4

死にゆく妻との旅路

1、火垂るの墓 これを読んでくれているあなたは、胸が詰まって苦しくてつらい、といった読後…

11

工場日記

1、シモーヌ ヴェイユ 高校生の時分だったか、「工場日記」という、どこかの革命家?が書いた本を読んだ記憶がある。読み終えた訳ではなくて、難解のあまり途中で放棄したような気がする。 さて、この「工場日記」を書いたのは一体誰なのか、この記事を書き、推敲していく内にふと考え始め、過去を摺り寄せてみることにした。当初、ローザルクセンブルクかと思って、彼女をググって見たが、ヒットしない。改めて、タイトルそのままで引いてみたら、著者はシモーヌヴェイユだったことが判明した。 若き哲学教師