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ミステリー小説に学ぶ仕事と人生の問題解決

一般的には人や物事を疑うことよりも、信じることの方が良しとされているように思います。

信じるものが報われるような物語の方が世間にも多く認知されているはずです。

また、現代の日本社会は世界的に最も安全な環境であることから、日々の生活で過剰に気を張って生活する必要もありません。

これらが原因なのかはわかりませんが、僕が職場で接する若い社員たちは非常に素直な若者が多く、社員同士はもちろんお客さんに対しても疑う気持ちをあまり持っていない様子がうかがえます。

プライベートではその様な素直さがあった方が気持ちよく過ごせると思いますが、仕事をする場合には、接する相手を信じてばかりいると問題を解決できないケースが多々あります。

お客様アンケートの回答が顧客の本当のニーズであるとは限りませんし、社内でこっそりと不正を働いている社員がいるかもしれません。これらを正しく把握するためには疑う姿勢がどうしても必要になってきます。

しかし、素直な気持ちで仕事に取り組む若者たちに「もっと顧客を疑え」「社員を信じるな」と伝えるわけにもいきません。

信じることの尊さを伝えるのは簡単ですが、疑うことの重要さを伝えるのは難しいものなのです。

では、どの様にしてその様な姿勢を学べば良いのかを考えてみたところ、世の中には疑うことの正当性が描かれている娯楽があると気づきました。

それはミステリー小説です。ミステリー小説を読むことで、楽しみながら物事を疑う姿勢を自然と身に付けることができます。


ハウツー本よりミステリーがお好き

ミステリー小説の世界では、現実ならばあってはならないような殺人事件が次々と発生し、その事件の発生と解決を通して数多くのドラマが繰り広げられます。

登場人物は主に容疑者と被害者を含む事件の当事者と、様々な証言や証拠を提供することになる人々、そして事件を解決に導く探偵または刑事というケースが大半です。

ここで事件を解決する探偵や刑事は事件を客観視しながら様々な推測を立て、実際に証言や証拠を探し集め、論理的に問題を解決していくプロセスを経ていきます。

こういった第三者視点に立って物事を疑い問題解決に向かうプロセスは、ビジネスにおいても必要になってきます。これを楽しみながら学ぶことができるのがミステリー小説です。

また、ビジネス書ではなく小説であるため、登場人物の心理も克明に描かれています。こういった人間の心理も学ぶことができるのは一石二鳥とも言えます。

具体的な仕事のハウツーを知ることはできませんが、本質的な思考や人間の様々な心理を学ぶことは、時が経っても陳腐化しない本当の力になってくれます。

疑いながら生きていく自分を信じる

探偵や刑事が解決する事件に比べると、日々の仕事で解決する問題はドラマ性を感じにくいしれません。

しかし、小さな不満や問題が月日を経て蓄積され、大問題に繋がってしまうことは多くあります。それらを未然に防ぐことは重要なことです。

更には、仕事だけではなく自分の生活についても疑う姿勢は良い影響を与えてくれます。

仕事や勉強がうまくいかずに苦しんでいるならば、自分に原因があるのではなく環境に原因があるのではないかと疑うことで、転職や転校など新しいキャリアを切り拓くことに繋がります。

自分が病気になるはずがないと何となく思ってしまう心理的なバイアスを疑うことで、医学的な健診を受けて病気の早期発見をすることにも繋がります。

疑うことが正しい対応に繋がっていきます。こうして考えてみると疑うことはより良い人生のために必要な姿勢だとわかるはずです。

必要な姿勢が「疑うこと」であるならば、信じること以上に「疑うこと」に慣れていった方がいいに決まっています。

一見すると聞こえの悪い「疑うこと」ですが、ミステリー小説はその姿勢を正当化してくれます。

疑う姿勢を身に付けることが仕事の成果やより良い生活に繋がるのであれば、もっともっとミステリー小説を読もうじゃないかと思うわけです。


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