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1979年12月12日9時15分に私は生まれたそうだ。
誕生日、おめでたいはずなのに気分はドンヨリしている。

理由は、昨夜のコリスとの喧嘩だ。夫は出張で不在のため、いつも通り、コリスと二人でゆっくりデイを過ごしていた。お風呂に入り、夕飯を食べて、アイスを食べながらアイスのランキングを当てるテレビを見ていた。

そろそろ21時になるし寝る準備を始めようかと動き出すと、コリスが宿題を始めた。漢字をひたすらノートに書くだけの宿題が嫌いなコリスは、嫌だ嫌だやりたくない……と言う。やらなくていいと伝えるけど、やらないわけにはいかないと思っているようだ。嫌だ嫌だと言いながら、やろうするけど気持ちものらないし、やる気もないので全く進まない。

コリスが寝たら仕事したいと思っていた私は、「やらなくていいって、連絡帳に書くから」と強めに言ってしまった。強めに言われて、さらに嫌だ嫌だ、でもやらないとダメなんでしょ……ああ嫌だ、という具合にコリスも怒り出した。

コリスとは滅多に喧嘩しないのだけど、昨日は二人でスイッチが入ってしまった。喧嘩と言っても、二人で言い合うわけではない。
コリスがやりたくないーとワンワン泣いているのを、私がなだめることもせず、だから、やらなくていいって言ってるでしょと、話を聞くこともせず、突っぱねる感じだ。私の言い方がキツくてコリスはさらに泣く。

私の心に余裕がなかった。仕事が今、詰まっている。詰まってくると、どうでもいいことでイラッとしてしまう。よくない。
今日はイライラしているから早く寝ようと、コリスに伝える。

宿題しないと先生に怒られるとコリスが言う。先生には連絡帳で伝えるから大丈夫だと私が言う。話はそれて、学校での忘れ物の話になる。三日連続で忘れ物すると強めに怒られる……とコリスが言う。コリス、忘れ物とかしてるんだ……と初めて気づく。

もう、22時過ぎてるし早く寝ようと伝える。リビングの電気を決してトイレに入る。コリスがリビングへ行ったようだ。電気をつけて何かしている。しばらくすると、トイレのドアの下からA4のコピー用紙が入ってきた。

よく見ると、薄い鉛筆で文字が書かれている。
コリスから私への手紙のようだ。その内容を読んで衝撃受けた。

ひらがな多めの時々漢字で書かれたその手紙は、8歳の子どもが書いたとは思えないほど、しっかりしていた。内容は、そんなこと言ってない、と言い訳したくなるようなことも持ち出されつつ、コリスの気持ちが書かれていた。

わたしなんてただのーーといっしょでバカできもちわるいってママに言われたほんとにじぶんでもそう思う ちょっとかなしくてことばをうしなってしまった。そのときにママにきもちわるいと言われた。なんでそんなことを言うんだろう。と思ってあやまってほしかった。

きもちわるいなんて言ってない。
でもコリスはそう捉えたのだろうか。どこかで人を気持ち悪いという表現を知ったのだろうか。

「ちょっとかなしくてことばうしなってしまった。」

コリスも言葉を失ってしまうことがあるのだ、それをこうして文章で現していることにショックを受けた。
娘に言葉を失わせてしまったことにだろうか。

コリスが書いた人の心に訴えかけてくる文章にショックを受けたのだと思う。

手紙を持ってベッドに入っているコリスの元へ向かう。
「手紙ありがとう、気持ち悪いなんて言ってないよ」と、伝えるとニヤリと笑った。

すごいね、この手紙、さっきリビングで書いたの?

うん。気持ち悪いとは言ってないけど、イライラするって言った。

言った、ごめん。

ハグして仲直りして寝た。
そして朝起きたら、自分の誕生日だった。

母に産んでくれてありがとうって電話しよう。
心の余白を取り戻そう。

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