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今朝、玄関で泣き叫ぶ長男を見て思ったこと

子どもというものは、いつのまにか自分の中に譲れない「こだわり」や「ルーティン」を持っていたりする。

それは、我が家の長男も一緒だ。

主人が仕事に行く前、4才の長男は主人と玄関で「いってらっしゃいのハイタッチ」をするのが日課になっていた。

だけど、最近の息子はテレビやご飯に夢中で、ハイタッチをしない日が増えていた。

子どもの興味やルーティンは日々、目まぐるしく変わる。「もう長男の中では習慣じゃなくなったんだなぁ……」と思っていた矢先だった。

主人が会社に向かい、わたしは「さて、次男(0才)が寝ている隙に家事を前倒しでやろう!」と、急いで朝食後の洗い物をしていたときのこと。

突然、玄関から長男の泣き叫ぶ声と、床をドンドンと叩く音が聞こえてきた。

「パパ、何で行っちゃったのーー!ハイタッチしたかったーー!」

……どうやら、今日はハイタッチをしたかったらしい。以前のように長男に声をかけずに、そのまま会社に行ってしまった主人にご立腹のようだ。

(あぁ、これはちょっと面倒だなぁ……)

(そりゃ、最近はハイタッチしなかったから、主人はもうハイタッチしなくていいと思うでしょ……)

心の中でぼやきながら、ため息をつきつつ玄関に向かった。

さいわい、次男はまだ眠っている。

長男は、ボロボロと涙を流していた。怒りもあるけど、本当はすごく悲しかったのだろう。

ギュッと長男を抱きしめると、わーんと泣き出した。

「ハイタッチできなくて、悲しかったね。パパ、そのまま行ってしまって悲しかったね」

まずは長男の気持ちを受け止めた。

「だけど、パパは長男くんのハイタッチしたかった気持ちは知らなかったと思うよ。最近、テレビを見ていてハイタッチしなかったでしょ?だから今日もそのまま行ってしまったんじゃない?」

そう言うと、長男は涙を流しながらも、コクリとうなずいた。

「言わないとパパには気持ちが伝わらないよ。今日、会社から帰ったら一緒に伝えてみようか」

コクリとうなずく長男。
どうやら、理解したらしい。

そのまま長男と色々と話していると、気持ちも落ち着いてきたのか、徐々に泣き止んでいった。

(よかった……)

そのまま、何事もなかったかのように長男は元気に家の中で遊び出した。

子どもの気持ちや興味は日々変わる。
今日の長男は、たまたまハイタッチの気分だったのだろう。

だけど、その気持ちは相手に伝えないと伝わらないのだ。

ごくごく、シンプルなこと。誰でも考えたらわかること。

だけど、息子にそう伝えながらも「はたして自分はできているのだろうか?」とふと疑問に感じた。

シンプル過ぎて、いつの間にかできない大人も多いだろう。人間関係の悩みの大半は、結局コミュニケーション不足なのだ。

「(いつもそうだから)言わなくてもわかってくれるはず」

「何を考えてるの?なんで伝えてくれないのだろう?」

「なんで相談もなして、勝手に物事を進めるのだろう……」

特に相手が家族や長く付き合いのある人だったら、誰しもが一度は相手にそう苛立つことは経験あるだろう。

そんな些細なことから、関係性が悪くなっていくケースを身近でたくさん見てきたし、自分もたくさん失敗してきた。

なのに慣れてくると、人はまた同じ失敗を繰り返すものだ……。

ボロボロと涙を流して泣き叫ぶ長男を見て思ったこと。子どもの姿から、自分を振り返る。

子どもの言動は、ときにブーメランのように自分の言動を振り返るきっかけになる。

我が子の姿を見て、「アイタタ…痛いいたい…」と、苦笑いする親は今日もたくさんいるのではないのだろうか。

親になって気付いたけど、けして、自分も子どもには偉そうには言えないことが多いのだ。矛盾だらけ。

だけど、子どもの今後を考えると伝えなければいけない。大半は、過去の経験や失敗に基づいて「こうだよ」と伝える、というイメージだ。

そして、そっと我が振りを直す(笑)

そのうち、成長した息子たちには「その矛盾」に気付かれるのかもしれないけど……。

(「子育て」って、実際は自分を育てることにもつながるなぁ……)

子どもから教わることは、本当にたくさんある。つい見逃していた自分の問題にも、向き合わざるを得ないことも。

これは、つい今朝の出来事だ。

今日はまだ、はじまったばかり。

まだまだ、わたしの「子育てという名の自分育て」は続く。

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