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子どもへの声掛け『食事の巻』#3

子どもとの食事中「子どもに何を話したらいいだろう?」と思ったり、食べ進めが遅かったりして困ったりしたことはありませんか?

ここでのポイントは

⊛子どもは日々成長しているので、その発達を理解して段階的に働きかけること

⊛その子それぞれの食べ進めのタイプを見極めながら、無理なく様々な食材に慣れていこう!という感覚

⊛食べ方や座り方、マナーなどは子どもは自然とできるのではなく、教わる中でできていく事を理解して分かりやすく丁寧に根気よく伝えて習慣を作っていくこと

⊛大前提として食べる時の環境がとっても大事!

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⊛子どもは日々成長しているので、その発達を理解して段階的に働きかけること

ここでは年齢別にどのような段階にいるのか目安を説明します⊛

(発達の目安ですが進み具合はそれぞれなので、プラスしてお子さんのタイプも見つつ柔軟に対応していく事が大切です)

【発達】

0歳児 乳児期は1年で体重は3倍に、身長は25cm伸び、脳も急速に発育するので、栄養摂取が重要です。乳児の栄養源は、たんぱく質、脂質、糖質など。消化吸収がよいことや免疫力が強いことなどから、母乳(※特に初乳には病原体の増殖を抑制する免疫グロブリンAが多く含まれていて腸内での病原体の増殖が抑制される。)に勝るものはありません。

生後5か月までは授乳で健康に発育するが、それ以降は唾液が出始めれば、鉄やビタミンなどの成分が不足したり、水分が多いこともあり、離乳食で栄養を補っていきます。

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1歳児 乳歯が生えそろい、離乳食から初期幼児食になると、物を噛んで食べる喜びを覚える時期を迎えます。発育のためのエネルギー補給を目的としていた事が文化・人格形成としての食生活に切り替える重要な時期。

直立歩行ができ、自分でイスに座って手掴みで食べる意欲が出てくる。1歳半を過ぎるとスプーンを使って食べるようになります。

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2歳児 手指の巧緻性(手先や指先を上手に使う力)、目と手の協応性などの発達が進み、スプーンやフォークを使って食べるようになります。

自分の力で食べられる力は、自立していくために生きていく基礎。子どもにとっての自信に繋がる大切なものです。食材の好き嫌いも出てきて、好きな物から食べるようにします。

2歳後半から「はし」を使える子も出てきます(園では急がず、スプーンやフォークを正しく持てるところをしっかりするのではしは3歳児クラスになってからしていました。)

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3歳児 右手と左手が同時に違う動きができるようになると、片方の手で食器を持ち、はしを使って食事をします。

菜園の世話や収穫を大人と一緒に楽しんだり、料理の手伝いに参加したり、手先をより上手に使えるようになり、食材に応じてスプーン、フォーク、はしを選んで食べられるようになります。

配膳の位置を理解して並べたり、食器の大きさを分類して片付けたり、当番を任せると主体的にお手伝いをします。

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4歳児 体を作るために食べ物の大切さを分かり、食べ物の命をいただくことに感謝できるようになります。

食事の前の「いただきます」食事の後の「ごちそうさま」のマナーを、作って下さる方への感謝の気持ちも込める事ができるので、習慣を付けていける大切な時期です。

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5歳児 体に必要な野菜、魚、肉類、果物の栄養的な働きや料理の仕方などに関心を持ち、食事をします。

味覚が発達し、食材や献立の好き嫌いがでますが、栄養上必要な事を理解して食べるよう努力します。

はしの使い方が上手になり、小さく細かい食材をつまめたりマナーを理解して食べられる。一定時間内に食べ終えようとすることもできるようになる。

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⊛その子それぞれの食べ進めのタイプを見極めながら、無理なく様々な食材に慣れていこう!という感覚

⊛食べ方や座り方、マナーなどは子どもは自然とできるのではなく、教わる中でできていく事を理解して分かりやすく丁寧に根気よく伝えて習慣を作っていくこと

それでは、ここからは声掛けですが、いつも同じことを話すというよりは、目の前の子に向き合う中で自然と話しかけていくことと、段階を経ながら食事の習慣を付けていける機会にしていくとよいと思います。

【声掛け】

0歳児 ゆったりとした雰囲気を大事にして横抱きにし、「○○くんミルクどうぞ」「おいしいねぇ」「よく飲んでるね」と顔を見てときどき話しかけながら飲ませます。

離乳食が始まったら、リラックスした雰囲気の中で「あーんして」「おいしいね」「今日は○○と〇〇だよ」「ごっくんしようね」と声をかけていきます。

歯が生えてきたら「もぐもぐするよ」「かみかみしてからごっくんするよ。」と言葉をかけて大人ももぐもぐする様子を見せながら噛むことを覚えられるようにしていきます。

※手の届くところにお皿やコップがあるとすぐに触ってしまうので置かず、手づかみで食べられるようになったら「もってたべてごらん」と持ちやすい物。例えば卵焼きやニンジンスティックを茹でたものなど、食べるときに目の前に置いてあげるとよいです♪

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1歳児 好き嫌いがはっきりしてきます。今まで食べられていた物を嫌がる子も出てきます。スプーンを持たせてあげ、子どもの手を持ちながら、口に運べるよう手伝って感覚を掴めるようにしていきます。

好きな物の時は「おいしいね」と共感し、嫌いなものは「じゃあ小さく切ってあげるね」と本当に小さくしたものを「じゃがいもがお口の中にぴゅーん」などと楽しんだり、

大人が食べてみて「おいしー!!」とおいしそうに食べる様子を見せてから「いっせーのーでで一緒に食べよう!」と大人と一緒だと食べられることもあります。

食事の時間が楽しいと思えるような関わりが大切です。嫌いなものは「じゃあ今日は一口食べたらおしまいにしよう」と無理強いせず、「一口食べられて偉いね!」「すごいね、お兄ちゃんになったね!」そのように褒めながらゆっくり慣れていけるようにします。

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2歳児 スプーンの持ち方を丁寧に見せながら教えていきます。上手持ち(赤ちゃん持ち)→逆手持ち(お兄ちゃんお姉ちゃん持ち)→3点持ち(お父さんお母さん持ち)をその子が上手にできていたら次に進めていく要領で、ゆっくりと持ち方を教えていきます。

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逆手持ちができるようになっている子が上手持ちに戻っているときは「お兄ちゃん持ちできてるかな?」などと声をかけると、自分で気づいて直そうとしたりします。できているときは「上手にお兄ちゃん持ちできてるね!」などと褒めます。

時間がかかるので食べさせようとすると「じぶんで!」という子もいるので、「最後あつまれできないとき手伝うからいってね」などと声を掛け、やりたい気持ちを尊重します。

2歳半頃から食事のマナーが分かってくるので、「お話は口の物がなくなってからね」と伝えたり、食べる時に姿勢もその都度伝えていきます。足がぶらぶらせず、下につくように足代など置くと安定します。

大体食事は1時間を目安にしながら、声をかけて時間を区切っていくのも大切です。食べずに遊びたべになっていたら、食欲がなかったり、お腹いっぱいだったりすることもあるので「もうおなかいっぱい?」「いらない?」と子どもに確認して無理せず終わりにしても大丈夫です。

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3歳児・4歳児 食器の持ち方や配膳の正しい位置、器に手を添えて食べるなども丁寧に見せながら「こうやって使うよ」と教えるとできるようになります。

「机をふくお手伝いしてくれる人~」などとお手伝いを頼むと喜んでしてくれるかもしれません。簡単なお手伝いを一緒にできるといいです!

食器の片付けも同じ種類ごとに重ねて片付けることができます。

小食の子は「今日はこれくらいは食べられる?」と事前に聞き、無理に食べさせようとせず、「おかわりしたかったら言ってね」と伝えるとよいです。

少しでも苦手な物をたべられた時は「頑張って食べてすごいね!」などと褒めていきます。

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5歳児 菜園の水やりなどを通して「こうやってミニトマトはできるよ」などと伝えたり、様々体験した上で教えられると、しっかりと理解して、食べ物の大切さを理解していきます。バランスよく食事をとると元気になることも絵本などで伝えていくとよいです。

クッキングにも最適な時期です。

「時計の長い針が12までに食べてね」などと食べる時間の見通しを持たせ、時間内に食べられるように声を掛けていきます。

嫌いな食べ物も小学校を見通して「もうちょっと頑張れるかな?」「さすがおにいちゃん!」などと食べ進められるよう励ましていけるとよいと思います。

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⊛大前提として食べる時の環境がとっても大事!

最後にですが、子どもは周りの環境に大きく多大な影響を受けます汗

例えば手におもちゃを持っていたり、周りに片付いていないおもちゃが見えたり、テレビがついていたりすると。。

集中ができないのです 泣

なので、食べることに集中できる環境を作ることもとっても大切です♪

家族で食べる楽しい食事の時間が作れるととってもいいですね♪

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参考になれば嬉しいです!

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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