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【2】発達障害の私が翻訳者になって気ままな在宅で自由に生きるまで

発達障害が見つかったきっかけ…それは瞑想の先生

ちょっとめずらしいケースかも知れませんが、実は私は、東南アジアの仏教をベースにしたマインドフルネス瞑想がきっかけで、自分が発達障害だと知りました。

瞑想の合間に相談の時間があり、人間関係がこじれがちだと話したところ、「わがままとか、自分勝手ということではないような気がする、もしかして発達障害か自閉症スペクトラムかもしれない。精神科で検査してもらって」と言われたのがきっかけです。それまでは、まったく自覚はありませんでした。

余談ですが、その瞑想教室にはうつ病の人も来ており、薬を飲まずにうつから抜け出したいと瞑想を続けていました。後で詳しく書きますが、きちんとした指導者のもとで行う瞑想は発達障害にも効果的です(でも、まず医療機関で診断してもらってください!)。

〜〜 このマガジンの目次です 〜〜

【1】はじめに 〜どんな人に向けて書いたのか〜
【2】発達障害が見つかったきっかけ…それは瞑想の先生
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【3】発達障害が判明してからがスタート
【4】5年間のブランクから脱しようとするも、ブラックに落ちる
【5】プログラミングスクールの落ちこぼれ
【6】3つのスキルをかける。100万分の1の人材になる方法
【7】日本人が英語を使う仕事をするならTOEICは避けられない
【8】
翻訳者にとって語学力以外に重要なこと
【9】ツールの使いかたを学ぶには派遣はおすすめ
【10】メンタルのコントロール

その後、発達障害当事者としてブログで発信しているうえすとさんからアドバイスをいただき、厚生労働省の発達障害相談窓口で情報収集しました。これは、必要な情報がまとまっている大変ありがたいサイトなのですが、具体的な医療機関はちょっと分かりにくいです。たとえば東京都はエクセルで医療機関リストをダウンロードできますが、すべての都道府県で情報が一元化されているわけではなさそうです。

うえすとさんからは、東京都で大人の発達障害を診断してくれる病院やカウンセラーのリンクも教えていただき、この資料をもとに候補のクリニックを選び、ネットで口コミ情報をチェックしてから、診断してもらうクリニックを決め、検査を受けました。検査の結果、やはり発達障害だと分かったというわけです。ちなみにADD(注意欠陥障害)でした。

精神科のドクターに、どうして受診したのかと聞かれ、瞑想の先生に発達障害の可能性を指摘されたと答えたところ、先生も興味があったのか、診察室でじっくり瞑想の話をすることになりました。

私が行った瞑想は、グリーンヒル瞑想研究所で、指導者は地橋英雄先生です。先生はスリランカやタイで上座部仏教を学んでおり、ブッダが教えた本格的なヴィパッサナー瞑想を教えている、知る人ぞ知る有名な先生です。

瞑想のクラスのあと、みんなで食事をしたときに、隣りに座った女の子が、自分は鬱で苦しんでいたけれど、薬を飲むのがいやだったから、ヴィパッサナー瞑想をすることにしたんです、と話してくれました。「ヴィパッサナー瞑想は効果があるんです。薬をのまなくても大丈夫になりました」と語っていたのが印象的でした。

地橋先生も、発達障害も瞑想でよくなるから安心して、と語っていました。実はその後、私はプログラミングの勉強をすることになり、この瞑想は続けていないのですが、独学で瞑想の習慣を続けています。忙しいと発達障害のために頭が混乱してしまうことがありますが、瞑想によってクールダウンして落ち着くことができ、結果的に仕事や勉強がはかどり、生活リズムを調えることができるのを実感しています。

難しく構えてしまいがちな瞑想ですが、言ってみれば頭の中の賑やかなおしゃべりをリセットする時間です。すごく気のいい場所でゆっくり坐るのもいいですが、散歩でもいいし、大自然の中で夢中で遊ぶことも、ある種の瞑想になると思います。

そんな時間を過ごしてから日常に戻ってみると、あれほど落ち着かなかった頭がすっきりして、「やりたいこと」や「やらなければならないと思っていたこと(でもなかなか体がうごかなかった!)」がごく自然にできていることに気づくはずです。特に発達障害で混乱しがちな人には、瞑想はぜひともおすすめです!

瞑想というと身構えてしまうこともあるかと思いますが、最近流行りの言葉で言えば、サウナに入って「ととのう」ことも一種の瞑想だと思います。また、海を見たり、森の中を歩いたりして気持ちいい…と頭もハートもすっきりする状態も一種の瞑想的な効果です。

突き詰めれば果てしなく奥の深い世界ですが、ちょっと試してみるだけでも十分瞑想のすばらしさを体験することができます。

瞑想的な効果を実感するためにおすすめする簡単な方法は以下の3つです。

1.運動する
2.自然の中で遊ぶ
3.アプリを活用する

運動する

運動は、得意な人も苦手な人もいると思います。おそらく発達障害の人は苦手な場合が多いのではないでしょうか。私は最近ではやや運動好きですが、子供時代は体育が大の苦手科目でした。今でも集団プレーは苦手です。でも、黙々とトレッドミルで走るのは大丈夫です。始める前はちょっとだるくても、音楽を聞きながら次第にゾーン(=瞑想状態)に入っていくと、30分くらいで極上の気分になります。

発達障害に副次的に起こりがちな障害として、生きづらさが原因となるうつや引きこもり、不安障害などが知られています。実際に精神的な障害になってしまった場合は医師による治療が必要だと思いますが、その手前で、自分でなんとかなりそうな場合は、実体験からしても運動がとても効果的だと思います。

運動は、自分が辛くない(むしろ楽しい)ものを見つけ、運動とセットになるオマケを用意するのがコツです。たとえば私はスポーツクラブに行った日は、必ずおいしいビールと生ハムで乾杯することにしていました。こうやって、運動前の「ちょっと面倒くさい」を解消していたのです。

自然の中で遊ぶ

毎日忙しくしていて、なんとなくイライラが募る場合は、とりあえず近くの公園や川など、自然の近くに出かけてみましょう。そこでぼんやりしたり、流れる雲を眺めたり、芝生や岩の上でころがってみたりしているだけでいいのです。ポットにおいしいコーヒーやお茶を入れ、お気に入りの音楽や本を片手に出かけましょう。

私たちは、自分が思うよりもずっと「生き物」であり、自然の力を必要としています。身近に自然がなくなると、元気がなくなってしまうのです。鳥の声に耳を澄ませたり、夕焼けをじっと見る時間を取るだけで、心の中に不思議な栄養が満ちてきます。自然の恵みに触れることは、どんなにお金がないときでも実践できる、神さまからの最高のプレゼントだと言えます。

アプリを活用する

マインドフルネスがブームになって、かなり時間が経ちました。おかげで、Apple Watchには「呼吸」アプリが装備され、瞑想に役立つアプリもたくさんリリースされています。

いくつか試しましたが、CalmのやMeditopiaのような多機能で高価なアプリを試してみるのもいいですが、無料でも使いやすいものがいろいろあるので、まずはシンプルなものをいくつか試してみるのがいいと思います。

私が使ったことがあるものでよかったのは、禅アプリの「雲堂」(AppstoreAndroid)です。ほんとうにシンプルなアプリですが、さまざまば要素を削ぎ落とした設計に好感が持てます。

また、現代ならではの方法として、音声によって強制的に脳をマインドフルネスモードに切り替えるのもおすすめです。有名なバイノーラルの音源アプリのBinauralは、寝る前にリラックスモードに切り替えるためや、仕事に集中するために活用しました。

〜〜 このマガジンの目次です 〜〜

【1】はじめに 〜どんな人に向けて書いたのか〜
【2】発達障害が見つかったきっかけ…それは瞑想の先生
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【3】発達障害が判明してからがスタート
【4】5年間のブランクから脱しようとするも、ブラックに落ちる
【5】プログラミングスクールの落ちこぼれ
【6】3つのスキルをかける。100万分の1の人材になる方法
【7】
日本人が英語を使う仕事をするならTOEICは避けられない
【8】
翻訳者にとって語学力以外に重要なこと
【9】ツールの使いかたを学ぶには派遣はおすすめ
【10】メンタルのコントロール




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