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野いちご

昨日から体調が優れない。

心が疲弊している。よくあることだ。

こういうときには決まって学生時代の夢を見る。

小学校の先生が出てきて、僕は友達と野球をやっていた。

友達には“お迎え"の車が来て、一人、また一人と去っていき、ついに僕は独りでグラウンドに残される。




僕は今でも昔のことを鮮明に思い出す。

そんなとき、自分の“生"が惰性によるもののように感じられ、“今"に心が伴わない。

今まさに目の前で起こっている出来事に心が鈍くなっていったとき、楽しかったことや苦しかったこと…“誰か"が必ずいた“何か"を思い出す。少しだけ、慌ただしかった日々のことを。



それはフラッシュバックにも似ている。


「野いちご」という映画を観た。老いた医師の、ある一日の物語だ。

物語のラストはこう締められる。

“心配事や悲しいことがあった日はーー
子供の頃を思い出して心を慰めてきた
今夜もそうしよう"





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