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[小児科医ママが解説] 「ぜいぜい=喘息(ぜんそく)」ではありません。

夜中に ぜいぜい 聞こえたんです!
喘息か?!とおもって心配で…

ずっと ぜいぜい 聞こえてる気がします…
なにかの病気ですか?

今回は、こんなご質問にお答えしていきます。

鼻水や痰(たん)があるだけでも、ぜいぜい聞こえます。


「ぜいぜい」と聞くと、どうしても、
「喘息(ぜんそく)」とか「呼吸が苦しい」などと考えちゃいますよね。

ところが「聴診器をあてないで、聞こえるぜいぜい」
というのは、
単純に、鼻水や痰があるだけでも、ぜいぜい聞こえます。

医学的には「鼻性喘鳴(びせいぜんめい)」などといいますが、
これは「喘息」のぜいぜいではありません。

なんなら「よだれ」だけでも、ぜいぜい聞こえます。


新生児や生後まもない赤ちゃんでも、
よく聞いてみると「ぜいぜい」や「ごろごろ」した音が聞こえるかもしれません。

もちろん、赤ちゃんでも周りのホコリなどに反応して、鼻水が出ることはあります。
が、赤ちゃんのよだれも、ぜいぜいした音の原因になりえます。

よだれが、のどの奥に少したまっているだけでも、
鼻水や痰がたまっているときと同じように、
ぜいぜいした音が聞こえる可能性はあります。

これも全く異常なことはなく、健康なお子さんでもよく見られます。

聴診器で聞こえる「ぜいぜい」も、喘息ではないことも。


では、聴診器で「ぜいぜい」が聞こえた場合、そのお子さんが喘息か?

というと、喘息ではない場合もあります。

というのも、特に乳幼児のお子さんは、
いわゆる風邪(ウイルス感染症)のときでも、
ぜいぜいした音が聞こえることが多いからです。

つまり医師に

「ぜいぜいした音が聞こえますね」

と言われても

「え?うちの子、喘息ってこと?!」

とビックリしなくてもいいですよ、ということです。

詳しくは過去noteをご覧ください。

顔色が悪い。水分がとれない。などは受診を。


ということで、とっても元気なのに「ぜいぜいした音が聞こえる」というだけで、受診を急ぐ必要はありません。

しかし、ぜいぜいした音が聞こえる「以外」にも、

●顔色が悪い
●ぜいぜいや咳のせいで、水分がとれない
●咳き込みがひどくて、水分を全部はきもどしてしまう
●ぐったりしている

などの様子があるときは、受診を検討してください。


毎日一緒に過ごしていると、お子さんの呼吸ひとつが、心配になったりしますよね。
少しでも安心して過ごせるように、これからも医学的な情報をお届けできればと思います。



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