マガジン

  • 息子との日々

    2021年10月21日に生まれた息子との生活を綴ります

  • 友人インタビュー

    友人へのインタビューをまとめたものです。 世界を変える発明をしたり、伝記に載るような人生を送っていなくても、毎日懸命に生きて、周囲を少しだけ幸せにしている、そんな人々の軌跡を残せればと思い始めました。

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コーヒーのわたしから紅茶のわたしたちへ

朝起きると夫がキッチンに立ち、コーヒーをいれている。 その香りにつられ目が覚めて、寝ぼけ眼で駆け寄る。 なんちゃって。ウソである。ただの空想だ。 CMや映画で見た…

Sayuri
5年前
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預かっている生命(1歳9ヶ月)

息子の成長を見るたびに、人はたった1年と数ヶ月でこんなにも成長するのかと驚いてしまう。大好きなトーマスにご飯やお茶をあげたり、「ねんね」と言ってアンパンマンを寝…

Sayuri
9か月前
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取るに足らないことを愛する

子どもの体感時間は大人の6倍もの長さらしい。 そう言われてみると確かになと思う。歳をとるにつれ一年があっという間に過ぎていくように感じるけれど、子どもの頃はそう…

Sayuri
1年前
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ちぎりパンの腕の先

息子が今日で8ヶ月を迎える。生後8ヶ月、この世に生まれてからもう半年以上が経ったらしい。 寝て起きてミルクや離乳食を食べ、遊び、また眠る。大胆な行動は何一つしてい…

Sayuri
1年前
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狭い部屋との別れ

おととい、3年半住んだマンションの部屋を引き払った。 1LDKにしては家賃が高かったけれど、コンシェルジュがいたり共有のPCスペースやキッズスペースがマンション内にあ…

Sayuri
2年前
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せかいにふたりだけ

ふにゃあ、ふにゃあという息子の声で目が覚める。 時刻は深夜3時すぎ。スマホで育児記録アプリ「ぴよログ」を立ち上げると、授乳の時間がとうに過ぎていることに気づいた…

Sayuri
2年前
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ウクライナの人々が一人でも多く温かな場所で安全に過ごせることを祈る。壊されたくない愛おしいものついて話すのも反戦の一つかもしれない #戦争反対

Sayuri
2年前
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ピンクのカーテン

柔らかくも硬くもない合皮の椅子にボッーと座りながら、総合病院はまるで空港みたいだと思った。 吹き抜けの大きな内装、どこまでも続く大量の座席、目的の診療科へ進む老…

Sayuri
2年前
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灰色の世界とディズニーのカラフルな魔法

「ディズニーランドが完成することはない。世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう」 そう言い残したウォルト・ディズニーは正しかった。 彼の言葉通り、ディズニー…

Sayuri
3年前
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甘美な秘密

ナチス・ドイツから逃れようと、隠れ家で生活していたユダヤ人少女アンネ・フランクは、自身の日記のなかで「生理」のことを「甘美な秘密」と表現したそうだ。 「苦痛で、…

Sayuri
3年前
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きっと私たちは大丈夫

毎日マスクをつけ、店先では除菌をし、帰宅したらうがいと手洗いをする。 未だかつてここまで「自分や他人の健康を第一に考えて生きる」という生活をしたことがあっただろ…

Sayuri
3年前
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My last twenty-something

先日、晴れて29歳になった。なんだかんだ健康に生きてこれたこと、29年前の夏に私を頑張って産んでくれた母、嬉しさのあまり私を取り上げた医師や看護師全員にご飯をご馳走…

Sayuri
3年前
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行きたい場所をつらつらと書いてみる

2012年に実施された調査によると、イギリス人は人生で平均121回(!)も旅に出るという結果が出たそうだ。 3000人を対象とした調査では、イギリス人は18歳から78歳の間に…

Sayuri
3年前
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『ハリーポッター』とあきらめない心

小学生のころ、地元の駅の近くにある6階建ての本屋さんがわたしのお気に入りの場所だった。 特に6階の児童書コーナーは、読み尽せないほどの本で埋め尽くされていて、まる…

Sayuri
3年前
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自分の怒りのパターンを知る

すでに決められたお題に沿って、30日間のあいだ毎日文章を書く“30 Day Writing Challenge” 。 自分への新しい挑戦として、ここのところ毎日取り組んでいる。 とは言っ…

Sayuri
3年前
13

伝え方と接し方がすべて

心理学に「ジョハリの窓」という言葉がある。 自分が知っている自分、他人が考えている自分を4つのカテゴリ(窓)に分けて考える方法だ。 社内研修やコーチングでも使わ…

Sayuri
3年前
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固定された記事

コーヒーのわたしから紅茶のわたしたちへ

朝起きると夫がキッチンに立ち、コーヒーをいれている。 その香りにつられ目が覚めて、寝ぼけ眼で駆け寄る。 なんちゃって。ウソである。ただの空想だ。 CMや映画で見たようなそんな風景に昔は憧れていた。 しかし、理想と現実は程遠い。 私たち夫婦は(特に私)眠ることが好きだ。かっこ悪く言うと、朝がとても弱い。 毎朝私より15分も早く起きる夫に心の中で賛辞をおくりながら、「あと5分」と布団の中に縮こまる。最近はめっきり気温が低くなってきたので、朝弱族には耐えがたい。 よし

預かっている生命(1歳9ヶ月)

息子の成長を見るたびに、人はたった1年と数ヶ月でこんなにも成長するのかと驚いてしまう。大好きなトーマスにご飯やお茶をあげたり、「ねんね」と言ってアンパンマンを寝かしつけたり。トマトを食べている時に突然立ち上がり、おままごとのトマトのおもちゃを持ってきて見せてくれたり(これ知ってる!同じものを持っているよ、と言いたかったたのだと思う)。 息子の寝言で「ママ…」と呼ばれた夜は、すごく嬉しくて少しだけ切なくて。あんな不思議で尊い気持ちになったのは初めてだった。 もちろん大変なこ

取るに足らないことを愛する

子どもの体感時間は大人の6倍もの長さらしい。 そう言われてみると確かになと思う。歳をとるにつれ一年があっという間に過ぎていくように感じるけれど、子どもの頃はそうではなかった。特に学校生活。あそこは日々新しいものを学ぶ場所であり、他者との関わりを通じて初めての感情が毎日のように湧き出る場所だった。1日として同じ日はなかった気がする、本当に。 息子はいま1歳3ヶ月である。1歳の彼にとっても日々は刺激に満ちていて、大人よりも長く感じているのだろうか。 息子は普段、気になったも

ちぎりパンの腕の先

息子が今日で8ヶ月を迎える。生後8ヶ月、この世に生まれてからもう半年以上が経ったらしい。 寝て起きてミルクや離乳食を食べ、遊び、また眠る。大胆な行動は何一つしていないけれど、彼の心と体は静かに、そして確かに成長している。 シワシワな顔はいつの間にかぷくぷくの大福のようになり、自分の意思で動かせなかった腕は、まるでちぎりパンのようになってきた。その腕で色んなものをつかみ、投げて、また拾おうとブンブン振り回す。 新生児の頃の息子は、ぼんやりと空(くう)を見つめていることが多

狭い部屋との別れ

おととい、3年半住んだマンションの部屋を引き払った。 1LDKにしては家賃が高かったけれど、コンシェルジュがいたり共有のPCスペースやキッズスペースがマンション内にあったりと便利だった。特にPCスペースがあるのは在宅勤務にはとても助かった。 子どもが生まれて「さすがに狭い」と思い引っ越しを計画。母に息子を見てもらったり抱っこ紐をしたまま内見すること十数件。ようやく新居が決まった。 新しい街は子育て世代が多くて、駅前にはお店がいっぱい、ショッピングモールなんて2つもある。

せかいにふたりだけ

ふにゃあ、ふにゃあという息子の声で目が覚める。 時刻は深夜3時すぎ。スマホで育児記録アプリ「ぴよログ」を立ち上げると、授乳の時間がとうに過ぎていることに気づいた。 素早くベッドから這い上がり、キッチンの電気をつけ、哺乳瓶にミルクのキューブを入れていく。静かなキッチンにコロン、コロンと音を立てるキューブの音色が響きわたる。 給湯ポットのスイッチを押し、140mlの目盛りに合わせてお湯を注いでいく。はずみで指にお湯が跳ねた。思わずあちっと声が出る。 息子の声が少しずつ大き

ウクライナの人々が一人でも多く温かな場所で安全に過ごせることを祈る。壊されたくない愛おしいものついて話すのも反戦の一つかもしれない #戦争反対

ピンクのカーテン

柔らかくも硬くもない合皮の椅子にボッーと座りながら、総合病院はまるで空港みたいだと思った。 吹き抜けの大きな内装、どこまでも続く大量の座席、目的の診療科へ進む老若男女の患者たち。 自分の行くべき場所を受付で質問し、診療室というゲートへ旅立つ患者には付き添いの家族がそっと寄り添う。 そんな空港、いや総合病院の産科に、今まで大病もせず生きてきた私が2週間から4週間に1度のペースで通院している。 理由は妊娠、お腹に宿った命の安否確認のためだ。もうすぐわたしが呼ばれる番である

灰色の世界とディズニーのカラフルな魔法

「ディズニーランドが完成することはない。世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう」 そう言い残したウォルト・ディズニーは正しかった。 彼の言葉通り、ディズニーワールドは新しいエリアやアトラクションを導入し続け、今もなお、姿かたちを変え続けている。 先月、旦那さんがずらして取得した夏休みを利用して、ディズニーランドへ行った。最近はディズニーシーに行くことが多かったので、ランドは実に4年ぶりである。 普段から「夢の国」と揶揄されるそこは、本当に夢の国だった。 360度

甘美な秘密

ナチス・ドイツから逃れようと、隠れ家で生活していたユダヤ人少女アンネ・フランクは、自身の日記のなかで「生理」のことを「甘美な秘密」と表現したそうだ。 「苦痛で、不快で、うっとうしいにもかかわらず、甘美な秘密を持っているような気持ちがします。」『アンネの日記』より抜粋 なんて純粋で瑞々しい文章なのだろう。 わずか14歳の少女の感性とは裏腹に、わたしは今自分の生理痛と戦っている。 ヤツは毎月必ずやってきて、ジワジワとわたしの心と体を苦しめるのだ。 これまで生理痛の痛みを

きっと私たちは大丈夫

毎日マスクをつけ、店先では除菌をし、帰宅したらうがいと手洗いをする。 未だかつてここまで「自分や他人の健康を第一に考えて生きる」という生活をしたことがあっただろうか。 一生命体として健康を守ることは最低限必要だとわかっているのに、未知のウイルスと対峙して初めて予防の重要性を知った。 事態が緊急を要していた頃より社会は落ち着いたけれど、一体こんな生活がいつまで続くのだろう。 気づけば8月も終わろうとしているし、安倍首相は体調を崩し辞任の意向を示している。コロナウイルスに

My last twenty-something

先日、晴れて29歳になった。なんだかんだ健康に生きてこれたこと、29年前の夏に私を頑張って産んでくれた母、嬉しさのあまり私を取り上げた医師や看護師全員にご飯をご馳走した明るい父の存在に感謝したい。 25歳を超えたあたりから「年齢」はただの数字になってきた感が否めない。けれど今年が最後の20代だと思うと、なんだか感慨深いものがある。 「もうハタチだからしっかりしなくちゃ」という気持ちで参加した成人式も、転職や恋愛にてんやわんやだった23歳〜25歳の頃も、全て自分が辿った過去

行きたい場所をつらつらと書いてみる

2012年に実施された調査によると、イギリス人は人生で平均121回(!)も旅に出るという結果が出たそうだ。 3000人を対象とした調査では、イギリス人は18歳から78歳の間に、平均で年2回の長期休暇を取り、一度の旅行に平均1392ポンド(当時の金額で約18万6000円)を費やすという。 過去のデータとは言え、イギリス人はなんてラッキーなんだろう? 日本では大半の人がそんなに頻繁かつ長期で休むことはできない気がする。会社や職種によって休暇取得はピンキリで、退職するまで有給

『ハリーポッター』とあきらめない心

小学生のころ、地元の駅の近くにある6階建ての本屋さんがわたしのお気に入りの場所だった。 特に6階の児童書コーナーは、読み尽せないほどの本で埋め尽くされていて、まるで宝の山のようだったと思う。 活字から世界を知る面白さに味をしめたわたしは、物語の世界にどっぷり漬かり、オリジナルの漫画や手作りの本を書いては友達に見せる毎日を送っていた。 そんなある日、いつもの本屋さんの児童書コーナーで、母がとんでもなく分厚い本を見つけて指を差す。 「これベストセラーだって」 そこにあっ

自分の怒りのパターンを知る

すでに決められたお題に沿って、30日間のあいだ毎日文章を書く“30 Day Writing Challenge” 。 自分への新しい挑戦として、ここのところ毎日取り組んでいる。 とは言っても今日でまだ3日目。あと27日間も毎日書き続けられるだろうか......!? (1日目の記事はこちらです) 正直、ひとつのことが続いた試しがないので「3日坊主になるんじゃ」とビクビク怯えているが、とりあえずお題だけでも覗いてみることにする。 Pet Peeves. ペットピーブ

伝え方と接し方がすべて

心理学に「ジョハリの窓」という言葉がある。 自分が知っている自分、他人が考えている自分を4つのカテゴリ(窓)に分けて考える方法だ。 社内研修やコーチングでも使われる手法なので、ご存知の方も多いかもしれない。 自分は気づいていない「盲点の窓(他人から見た自分)」や「秘密の窓(自分だけが知っている自分の秘密)」に分類された内容を知ることで、自分と他人の認識のズレを理解し、他人の認識を受け入れる。 そうすることで『自分にはそういう面があるかもしれない』と思えるようになり、左