爪痕を残す

「めちゃくちゃいいピヴォだね」

僕の隣で観戦していたスポーツライターの仲間が、ある選手に視線を向けながら、こう言った。

その視線の先にいた選手の名は、岡村康平(31)。現在、フウガドール すみだに所属するフットサル選手だ。 

岡村は、30歳の時に初めて日本代表合宿に呼ばれたが、それまでFリーグでの出場試合数も決して多くはなく、下積みがとても長い選手だった。

この日、僕は友人たちとFリーグの観戦をしていたのだが、岡村はいつものように、後ろから前線に配給されるボールをしっかりと納め、攻撃の起点を幾度となく作ることに成功していた。

埋もれていた才能に陽が当たると、才能は花開く。この日の岡村のパフォーマンスを見れば、誰でも「いいピヴォだね」と言ったことだろう。

岡村康平の爪痕

僕が初めて岡村と会ったのは、友人の誘いで食事会の行ったときのことだった。数名で会食したのだが、席が対角線の端っこ同士で、少し遠かったこともあり、あまり話をすることもなく、その会は終わってしまった。

帰宅途中、最後にお店の店員さんにとってもらった写真が友人から送られて来たのをみたときに

「あれっ?」

と思ったのを覚えている。

その写真には、プロのパフォーマー、ものまねタレントらが写っているのだが、アスリートの岡村ただ一人が、異彩を放っている。なぜか、ベネチアンマスクを着けて、セクシーポーズをとっているのだ。

その後、彼が湘南ベルマーレから、フウガドールすみだに移籍して、急に距離が近くなり、取材したり、たまに食事を一緒に行くようにもなったが、初めて出会った食事会の時の話をすると、

「あの時、ぜんぜん会話できなくて、せめて爪痕を残そうと思って(笑)」

とおどけながら話す。

この話を聞いたとき、岡村康平という人間の魅力って、こういうところなんだろうなと思った。でしゃばりでは決してないけど、なにか印象を残す。印象を残すことって、スポーツ選手だけに限らず、ビジネスの世界でも、もちろん、取材者としても、とても重要なことだ

ムキムキの身体とひょうきんで汚れ役ができる大胆な性格。かと思いきや、どこか気が小さいところもある。そして、少しでも爪痕を残そうという貪欲さも併せ持つ。

彼の、今風の奥ゆかしさに、僕はまた、人としての、アスリートとしての魅力を感じてしまうのだ。

彼のインタビュー記事では、そんな性格が垣間見えるはずなので、ぜひ読んでみていただきたい。

ギラギラしたアスリートもいいが、一般人のようなどこか愛嬌があるアスリートもまた、良いものだ。

彼と知り合えば、きっと彼のファンになる人は多いんじゃないか。まずは興味を持ったら、ぜひFリーグを観戦してみてほしい。

岡村康平インタビュー

前編/ 後編


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瀬川 泰祐

ライター。東洋経済オンラインやITメディアビジネスオンライン、OCEANS、キングギアなどで執筆中。スポーツ・アスリート交流会も主催する。最近の取材テーマは「Beyond Sports」。スポーツと社会の接点からスポーツの価値を探っている。

美しきアスリートたちの人生模様

東洋経済オンラインやOCEANS、AlpenGroupMagazine、キングギア などの媒体に寄稿しているスポーツライター、瀬川泰祐が取材活動や、日々の執筆活動の中で感じたアスリートたちの人生
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コメント2件

すごい爪痕の残し方ですね(笑)嫌味なく、爽やかに印象付けることが出来るって素敵です。見習わなければと思いました。
コメントありがとうごさいます。爽やかかどうかは疑問ですが笑。人柄が出ますね^_^
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