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魔女狩りの詩 《詩》

「魔女狩りの詩」

生きる事を目的として戦い続ける 

目には見えない

圧倒的な力を持つものが襲う

其れに相対する

救いに似た光を求めた


あらゆるものを  

ただ黙々と受け入れ

其処にあるものを

呑み込み全てを赦した


其の優しさに身を委ねた

僕等の時間が
それぞれの経路を辿り流れる

恐怖や希望

絶望の中に揺らぐ炎を見た

だが君は心の奥底で死を望んでいる


その流れがひとつに交わる時

僕は君の大切さを知る

非現実的な影の中で 
ふたりは愛し合う 

炎は今でも揺らぎ続けている 


静かな海鳴りと天使の吐息を聴いた

綺麗だ何もかもが 
こんなにも美しい

月がゆっくりと

長い時間をかけて移動して行く

僕は君の心の中に
入って行く事は出来ない

だけど一緒に生きる事なら出来る

そして一緒に死ぬ事も

もつれて行く意識 

何重にも重ねらた人格


魔女狩りの詩

誰かが書いた其の詩を読んでいた

匿名的な鉄条門が
ふたりの世界を威嚇する

僕等の周りを囲い込み隔離する


無音の夢の中 架空の景色

輪郭がくっきりと
浮かび上がる夜の雲

月明かりがそうさせている

神が人を試し 人が神を試す

そして魔女は殺される


歩みを運ぶ自分自身に問いかける

星の軌跡 潮の満ち引き 

草木を舞う風

白い月の光 

混迷の泥を喰らい

激しく合致し貪り合う 

非均一な神の慈悲


善きものであれ悪きものであれ

ふたりの心は壊れ無い 

僕は君の名前を口に出して呼んだ

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