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コピー ロボット 《詩》

「コピー ロボット」

君には特別な何かがあり 

そして何かが欠けていた

曖昧と言う言葉は無く 

イエスとノーで出来た


ある種の
進化の過程にあるロボットの様に

機械仕掛けでありながら 

混乱した心を有していた


君の前では
異論を唱える時計の針は止まり

何もかもが消えて行った


僕の記憶を読み取る様な目で
僕を見ていた


それは明らかに女の瞳だった

生きる事は決して容易な事では無い

その部分だけが

僕と彼女の共通の認識であった


推測に過ぎない
未来の寸法を計測し記録した

確信なんて無い 

一時的な不安を

紛らわす行為に過ぎない


僕は一般的で凡庸な

コピーを造り出し

それを演じ続ける


何処かで 
時間厳守だぞ!…そう声が聞こえた


彼女は僕を見て笑っていた

僕もまた 彼女を見て笑った


何もかもが違う 全ては出鱈目だ 

僕等はそれを知っていた

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