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特急・古代への旅  8

出雲から、西へ! 日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちは出雲へ向かった。 その地で古代の謎のいくつかの答えを探した私たちは、 さらに深い真実を発見するために、西へ向かった。 その第8話である。 西へ 出雲から、山陰本線を西へ進もう。 新幹線中心の鉄道体系になって以来、非電化、単線の「本線」は、この山陰

    • 特急・古代への旅 7

      その7 さらば出雲 日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちはまず出雲へ向かった。 その第7話である。 佐太大社 出雲には3つの大神がいる。熊野、能義(のぎ)、そして佐太大神だ。 松江から一畑バスで30分、島根半島に分け入った佐太に鎮座する。 延喜式には佐陀大社とある。この社も古く壮大で、三殿の大社造りが並び立ち

      • 特急・古代への旅  6

        その6 出雲の秘密に迫る 日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちはまず出雲へ向かった。 その第6話である。 熊野大社 出雲国一の宮は出雲大社だ、と誰でも当然思うが、何とそうではない。 熊野大社なのだ。 現在は、ともに一の宮とされているが、出雲大社の謎を解く鍵もここにありそうだ。 古代出雲を司った意宇の王は、前述

        • 特急・古代への旅  5

          日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちはまず出雲へ向かった。 その第5話である。 その5 出雲の深部へ 八重垣神社 大庭の八重垣神社はスサノオノミコトの妻、稲田姫を祀る神社である。 いつも良縁を求める若い女性たちで華やかににぎわっている。 「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに 八重垣つくる其の八重垣を」の歌物語のとお

        特急・古代への旅  8

          特急・古代への旅 4

          日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちはまず出雲へ向かった。 その第4話である。 その4 出雲の原郷へ 奥出雲から、出雲の原郷へと向かう。 たたら 出雲では古来、良質な砂鉄を産した。 鉄は農耕と軍事に欠かせない。鉄を持つ者が強い勢力となる。 出雲の力はそれゆえ強大となった。 たたら製鉄は、山砂を掘り崩して

          特急・古代への旅 4

          特急・古代への旅 3 

          日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちはまず出雲へ向かった。 その第3話である。 その3 出雲神話の現場へ 須佐大宮(須佐神社) スサノオは「須佐の男」であるともいわれる。 この須佐の盆地に伝えられた神格だとする説がある。 静かな里だ。 スサノオノミコト終焉の地とされている須佐大宮は、静かで落ち着いた質素な神社

          特急・古代への旅 3 

          特急・古代への旅  2

          日本の古代は謎に満ちている。 私たちの日本の成り立ちと始まりはどのようなものだったのか。 その謎を解き明かす旅へ出発する。 東京駅9番線21時50分発、最後の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、 私たちはまず出雲へ向かった。 その第2話である。 その2  第一章 出雲 出雲には限りなくポイントがある。 興味が湧いたら、何度も訪ねてさらに深く分け入ることができる、古代冥界への入口である。 出雲市駅から松江しんじ湖温泉行きの一畑電車に乗り、途中の川跡(かわと)という駅で乗

          特急・古代への旅  2

          特急・古代への旅 1

          その1 サンライズ出雲  東京駅9番線、夜10時前。 まだ通勤客や酔客でざわめく広い駅構内のなかで、この時間帯のこのホームだけは、新幹線が失ってしまった懐かしい「旅情」が、ほんの少し漂っている。 エンジ色とアイボリーに塗り分けられた寝台特急電車「サンライズ出雲・サンライズ瀬戸」の16輌編成が、静かに横たわっている。 2007年までは、同じホームから30分前に、ブルートレインの寝台特急「出雲」が発車していた。 京都から山陰本線を夜通しヒタ走ったブルートレイン、「出雲」

          特急・古代への旅 1