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最後まであきらめない粘りが勢いを生む。カーリング日本選手権。SC軽井沢クラブが新女王に。若者とベテランの力が融合し「下剋上」V

最後まであきらめない粘りと雪辱を果たす思いが新女王となる力を生んだ。カーリングの日本選手権で、SC軽井沢クラブが初優勝。20代前半の3選手と40代のベテラン選手の息がぴったり合った。準決勝、決勝ともに最終エンドで逆転勝ち。チームはこの勢いに乗って、来月に行われる世界選手権に臨む。

札幌市で行われた大会。4日の決勝は北海道銀行との大接戦だった。軽井沢は3-4と1点追う展開で最終10エンドを迎えた。ハウス中心の最も近い位置に自チームのストーンを確保し、ラストショットで勝負が決まる。

後攻の軽井沢。22歳のスキップ上野美優選手による最後の一投。狙いは円の中心へ。相手側のストーンよりもギリギリ内側に止まった。相手よりも内側に2つの石があるため2点を奪取。5-4と逆転勝ちを収めて、初の日本一に輝いた。

氷上で戦った4人は上野美優選手に加えて、21歳の妹、結生選手、22歳金井亜翠香選手と20代前半が3人。そして「お母さん」的な存在ともいえる43歳の西室淳子選手。若手とベテランが絶妙にマッチして、氷上のチェスを制した。

上野美優選手はラストショットに自信があった。「最後のドローショットは、スイーパーも持って行ってくれると信じて気持ち良く投げることができた」と振り返る。メンバーへの信頼が逆転勝利への道筋を描いたのだ。

SC軽井沢は「下剋上」と言われる勝ち上がり方だった。1次予選リーグは5チームずつ2つのブロックで戦う。各ブロック3位までが2次予選へ進める。軽井沢はAブロック3位で2次リーグへ進んだ。

そして6チームで行われる2次予選。上位3位までが決勝トーナメントに進むシステム。軽井沢はギリギリの3位で勝ち進んだ。

ギリギリの勝ち上がりの中でも確かな自信が生まれた。2次予選で、軽井沢は昨年のチャンピオンのロコ・ソラーレに10-8で競り勝ったからだ。昨年の決勝で5-7と敗れた相手に雪辱できた。これが決勝トーナメントに向けた勢いとなった。

準決勝では中部電力(2次予選2位)に最終10エンドで2点を奪い逆転勝ち。あきらめない粘りが最終盤の逆転へ導いた。そして決勝戦でも2次予選1位の北海道銀に土壇場の逆転勝利。下剋上の優勝を果たした。

粘って粘って最後に勝つ。軽井沢は新チャンピオンにふさわしい強さを発揮した。

軽井沢は3月にカナダで開催される世界選手権への出場権を手にした。チームは初めての出場。日本選手権で粘り続けた戦いを、世界の舞台でも見せてほしい。

最後まであきらめない。粘り続ければ勢いが出る。だから、最後まであきらめない。

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