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役割が変わっても全力を尽くす姿が尊い。楽天の新クローザー、則本投手がプロ入り初セーブ。亡き恩師の星野さんに捧げた。「立場が変わっても頑張っていると伝えたい」

役割が変わっても全力を尽くす。その姿が尊い。楽天の則本昂大投手(33)のことだ。通算114勝右腕はプロ12年目の今季、クローザーに配置換えとなった。役割が大きく変わる。そしてプロ初セーブをマーク。今は亡き恩師、星野仙一さんに捧げた。天国にいる星野さんも目を細めて喜んでくれているだろう。

楽天は今季、球団創設20周年を迎える。メモリアルイヤーに日本一に輝きたい。チームの指揮官には40歳の今江敏晃さんが就任した。新監督は大胆なプランを打ち出した。則本投手のクローザー転向だ。

則本投手は先発投手陣の柱だった。実際にこれまでの11シーズンで265試合に登板し、そのうち先発が258試合。2019年以降はすべての登板が先発マウンドだった。

昨季まで守護神だった松井裕樹投手が海の向こう、米国のパドレスに移籍。通算236セーブをマークした松井投手の穴をどう埋めるのか。そこで白羽の矢に立ったのが則本投手だった。

気合で投げ込むマウンド度胸抜群の則本投手。終盤のプレッシャーのかかる場面では勝負根性のある投手がふさわしい。則本投手にピッタリの役割だった。

そして2日に北海道で行われた日本ハム戦。4-2とリードする九回のマウンドに、則本投手が立った。

則本投手は先頭打者への初球。うなりを上げる154キロ直球で空振りを奪った。そして2球目は132キロのスライダーでセカンドゴロに打ち取った。次の打者には初球の112キロのカーブでライトフライに。

ツーアウト。ここで要警戒バッターを迎えた。万波中正選手だ。この日適時打を放っている。則本投手は変化球勝負。初球に103キロのカーブでライトフライに打ち取った。ゲームセット。則本投手はわずか4球で三者凡退に封じてプロ初セーブをつかんだ。

役割が変わっても全力を尽くす。則本投手のピッチングは尊く見えた。

則本投手には、この初セーブを捧げたい人がいた。今は亡き恩師の星野仙一さんだ。プロ入り初年の2013年に開幕投手に抜擢してくれた。則本投手に絶えず目をかけてくれた。

2018年に逝去した星野さんを思いながら、則本投手は語る。「12年目ですけど、ルーキーのような感覚でやってます。立場が変わっても頑張ってますよと伝えたい」

役割が変わっても全力を尽くす則本投手の姿に、天国にいる星野さんも目を細めて喜んでいるはずだ。

「これからもどんどん勝ちを締めくくっていきたい」と意気込む則本投手。新クローザーとして全力を尽くす則本投手のさらなる活躍が楽しみだ。

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