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懐かしい時代がよみがえる。西武ライオンズ45周年。黄金期のスターらが初のOB戦。かつて好走塁を見せたレジェンドも今や全力疾走は無理。死球をめぐるパフォーマンスも

懐かしい時代がよみがえる。西武ライオンズが発足してから45周年。黄金期のスターらが集結して初のOB戦が行われた。往年の名選手が再びユニホームを着て、一球一打にファンを沸かせた。かつて好走塁を見せたレジェンドも、今や全力疾走は無理。死球をめぐるパフォーマンスもあり、チームの本拠地、ベルーナドームは大いに盛り上がった。

1950年に発足した西鉄クリッパーズを起源とし、西鉄ライオンズ時代には3度の日本一に輝いた。その後、数度オーナーが変わり、西武ライオンズとなって埼玉県所沢市に本拠を移したのが1979年。今年は西武球団45周年のメモリアルイヤーだ。

これを記念して初めて行われたのが、西武の黄金期に活躍したスター選手らによるOB戦「レジェンドゲーム2024」だ。西武となって以降、日本一に輝いたのは10度。チームの本拠、ベルーナドームに懐かしの選手たち63人が駆け付けた。

青いアウェー用のユニホームに身を包んだ「西武」チーム。一方、白いホーム用のユニホーム姿が「ライオンズ」チームだ。

初回にいきなりビッグネームの対決が実現。ライオンズの先発投手は工藤公康さん。西武の先頭打者は辻発彦さんだ。ともに1990年前後の黄金時代を支えた。

カウント1-1からの3球目。辻選手はショートへゴロを放った。しかし一塁へ全力疾走できない。無理もない。お年65歳となる。会社員なら定年退職を迎えている。

時代の移ろいを感じた。辻さんと言えば、1987年の日本シリーズで見せた好走塁が忘れられない。巨人との頂上決戦第6戦目。2-1とリードした八回裏。一塁走者の辻さんは、次打者のセンター前ヒットで、中堅手の緩慢な送球の隙を突いて、一気にホームインしたのだ。

この好走塁がシリーズの流れを決める好走塁となり、西武が日本一へと駆け上がった。あの時、一気に生還したスピードも時の流れには勝てない。それでもファンの記憶には今も深く刻まれているはずだ。

そして、今回のOB戦では、面白いパフォーマンスも飛び出た。西武発足時の「オリジナルメンバー」東尾修さんと田淵幸一さんの勝負で起こった珍場面だ。

マウンドにはライオンズ監督の東尾さん。打席には西武監督の田淵さん。内角球の山なりのボールが田淵さんに当たる。

ここで田淵さんが半笑いで、ゆっくりマウンドへ詰め寄る。「一触即発」の雰囲気?現役時代はケンカ投法で有名だった東尾さんは手をついて謝罪。2人はハグをして「和解」し、肩を並べて写真撮影に応じた。スタンドが大きく沸いたパフォーマンスだった。

1990年からV3を成し遂げた西武も2008年を最後に日本一から遠のいている。今回のレジェンドゲームは、再び黄金時代を築き上げよという「喝!」にも思えた。

OBたちによる名勝負。懐かしい時代がよみがえった。現役世代の西武の選手たちは、新たな黄金期を作り上げられるか。今季の西武の戦いぶりに注目したい。

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