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強すぎる高校は嫌いですか?全国高校サッカー選手権で青森山田が2大会ぶり4度目の優勝。私は王者をたたえたい

スポーツの世界で、強すぎる高校は嫌いですか?全国高校サッカー選手権で、青森山田高が2大会ぶり4度目の優勝を果たした。悲しいかな、青森山田に対してはロングスロー論争や別の大会での判定をめぐって一部から批判が起きている。ここにはサッカーゆえの戦術論争もあるようだ。私は王者をたたえたい。強すぎたっていいじゃないですか。

8日に東京・国立競技場で行われた決勝。青森山田は、初優勝をめざす近江(滋賀)を3-1で快勝し、2年ぶりに王座を奪還した。

青森山田は前半33分に、福島健太選手のゴールで先制。ただ後半2分に追いつかれた。今大会で後半に無類の強さを見せる近江。このまま近江ペースになると思われた。

しかし青森山田は慌てない。後半16分に米谷壮史選手が勝ち越しゴールを決めると、さらに10分後には相手のオウンゴールで加点して、快勝した。

今大会5ゴール目となる米谷選手の勝ち越し点は、スピードに乗って生まれた。鮮やかなゴールシーンだった。大会の得点王にも輝いたストライカーの一撃は圧巻だった。

かつて大相撲の横綱北の湖は「憎らしいほどに強い」と言われた。今回の高校サッカーの王者青森山田に対しても、一部のサッカーファンからはこのような位置づけで見られているのかもしれない。

今年度は全国選手権のほかに、Jリーグのユースチームも参加する高円宮杯U18(18歳以下)プレミアリーグも制した。

高円宮杯で日本一を決める一戦が、強すぎる青森山田への批判を生むことになった。1点を追う展開でロングスローからゴール前に。これが相手選手に当たって、得点となったのだ。

ロングスローばかりしている。あの得点シーンで反則があったのではないか。これが起因となって、強すぎる青森山田へ一部のサッカーファンから厳しい視線が送られているのだ。

ただ、今回の高校選手権でロングスローを多用するのは、ほかの高校でも見られた。開幕戦でもあったので、青森山田だけがやっているわけではない。さらに高円宮杯の判定問題については、審判のジャッジするものなので、選手たちに批判を向けられるのは気の毒だろう。

ここには、どうしてもサッカーゆえの哲学論争が絡んでいるように思われる。スペクタクルにボールを回して美しく勝つというポリシーだ。

「美しく勝つサッカー」。かつてのオランダ代表を思い出す。「1-0で勝つよりは2-3で負けた方がいい」という哲学だ。

そういう美学は格好良いけれど、青春を完全燃焼する選手たちが負けていいとは考えないだろう。

かつて長崎の国見高校が黄金期を築いていたころも「蹴って走るだけ」という批判を浴びた。しかし、勝利のために切磋琢磨し、その中で勝ち続けるのも立派なことだと思う。

決勝でスピーディーに戦かった青森山田は美しかった。青春を完全燃焼した王者を、私はたたえたい。

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