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実力×トーク力=時代の先駆者。Bリーグの千葉・富樫選手がキャリアタイ記録の42得点。試合後のコメントも秀逸

時代をリードする人は、実力だけでなく、トーク力も際立っている。Bリーグの千葉ジェッツ、富樫勇樹選手がキャリアハイに並ぶ42得点をたたき出した。ポジションのポイントガードは司令塔の役割だが、自ら得点も積み重ねていく。そして試合後のコメントが秀逸だった。今年はパリ五輪も行われる。世界へプレーでなく、どんなトークを発信するかにも注目だ。

20日にホームの船橋アリーナで行われたレバンガ北海道戦。この日、富樫選手はフリースローを連続で決め、チーム初得点を奪取するなど第1クォーター(Q)で24得点の荒稼ぎ。

第2Qで4点、第3Qで6点、最終Qで8点を重ねて、この試合計42点をマークした。富樫選手にとって、キャリアハイに並ぶスコアだった。

特に際立っていたのは、第1Qの終盤。富樫選手は3点シュートを3回連続で決めたのだ。

8分16秒で1発目を決めた後、北海道も3点シュートを決めて応戦。富樫選手は負けじと、8分49秒に2発目を決めた。さらに富樫選手はボールをスティールした後、9分5分に3発目を決めた。その間、1分も満たなかった。

富樫選手の3連続3点シュート。相手が3点シュートで応戦してきたら、自らもさらにやり返す。最後は富樫選手がボールを奪って、スリーポイント。まさに「富樫スリーポイント劇場」だった。

この「お返しスリーポイント」は14日に沖縄で行われたオールスター戦でも見られた。第2Q9分で相手に3点シュートを決められた後、富樫選手はスリーポイントラインよりも遠くから、「ディープスリー」と言われる3点シュートを決め応戦したのだ。

そして42点を決めた北海道戦で、際だっていたのはプレーだけでなく、コメント力だった。

試合後に、キャリアハイに並ぶ42得点について問われると、富樫選手は笑いを誘うコメントで受け答えした。

「(24点を奪った)第1クォーターが終わった時点で、今日50点いけるかと思ったんですけど、第2クォーターからいつもの自分に戻ってしまいました」

富樫選手の1試合平均得点は21.0点。これは横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝選手に次ぐリーグ2位だ。

この日の第2Q以降の得点が18点。第1Qの24点と比較して、「伸び悩んだ」自分を自虐的に語ったのだ。

通常ならば、キャリアタイ記録の得点を生んだのだから、自らの活躍を誇っていいのに、自虐のネタにしてしまう。

プレーだけでなく、コメントでもファンを魅了しようとする富樫選手。こういう人こそ、令和の時代の先駆者なのだろう。

今年はパリ五輪が行われる。日本代表は1976年モントリオール五輪以来となる自力での五輪出場権を手にした。

富樫選手と河村選手の「Wユウキ」の活躍が日本の躍進に不可欠だ。そして、富樫選手はプレーだけでなく、コメントでも世界へ広く発信してくれるだろう。

どんなプレーを見せて、どんなトーク力を伝えてくれるのだろう。富樫選手のさらなる活躍に期待だ。

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