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"歴史" 系 note まとめ

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2023年9月の記事一覧

復元に賛否両論、欧州一古い遺跡、クレタ島のクノッソス宮殿

クレタ島のイラクリオンの郊外には、クノッソス(Knossos)宮殿と呼ばれる有名な遺跡があります。 今回の旅行でいくつかの遺跡に行っていますが、保存状態良くない限り遺跡にはあまり興味がありません。パートナーがとにかく歴史上価値のある遺跡だから1人でも行くということ。そんなにすごいなら、じゃあ行く!ということで行ってきました。今回は、この遺跡の世界遺産登録に関連して綴りたいと思います。 クノッソス宮殿とは紀元前2,000年くらいに始まった青銅器時代のミノア文明。クノッソス宮

「103万円の壁」は、いつから103万円だったのだろう?

 このところ、「年収の壁」の話がよくなされてますね。本日(9/25)の日本経済新聞電子版には、政府が年収の壁への対応策をまとめたことを報じています。この年収の壁のうち、最も金額が低いのが103万円の壁。この103万円の壁って、いつから103万円だったのでしょうか? 103万円の壁は、所得税がかかるボーダーライン  電子版の記事にもあるように、年収が103万円を超えると本人に所得税がかかります。さらに、学生のように親の扶養家族になっている人の年収が103万円を超えると、親の

【行政院 旧台北市役所】竣工から5年足らずで敗戦を迎えた市役所の新庁舎|『増補版 台北・歴史建築探訪』より(7)

 ここは日本統治時代の台北市役所である。竣工は1940(昭和15)年で、翌年から使用されている。つまり、竣工からわずか5年足らずで終戦を迎え、中華民国・国民党政府に接収された官庁建築である。  日本人が台湾を去った後、ここは中華民国台湾省行政長官公署となり、その後は行政院が使用するようになった。行政庁舎としての機能に変化はないが、現在、この建物がかつて台北市役所だったことを知る人は多くない。  建物は装飾を排したデザインである。建坪数は1122坪で、広い前庭を擁している。

メモ 大英帝国の覇権を支えた海底ケーブル

19世紀から20世紀の初頭まで続いたイギリスの覇権国としての地位は、一般的に海上戦力を中心とするシーパワーで維持されていたと考えられています。しかし、この海上戦力を地球規模で運用する上でイギリス人が情報の重要性をいち早く認識し、電気通信の研究開発を推進していたことにも注意が向けられなければなりません。電信は国際通信の分野で特に重要なテクノロジーであり、海底ケーブルがその通信路の構成に大きく貢献しました。 19世紀の後半に海底ケーブルの重要性が増すにつれて、その保護が国際政治

136 京都の文化的権威は、いかに創られたか

「京都は日本の文化を代表している」というイメージは、国内のみならず国際的にも受け入れられている。京都市は「世界が憧れる観光文化都市」を標榜し、「京都が日本の財産、世界の宝であることをアピールする」京都創生PRポスター「日本に、京都があってよかった。」を2007年から発表している。 筆者は、京都に暮らして20年以上になるが、このまちをPRするポスターを見るたびにもやもやしてしまう。かつて天皇が住む「みやこ」であったにしても、いまは日本の首都ではなく、いわば一地方都市に過ぎない

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台湾のミュージシャンは兼業が当たり前?人気アーティストたちの気になる「別の顔」をご紹介!

どうも、台湾在住、日本語で歌ってるバンド「ゲシュタルト乙女」のボーカルMikanです。 この連載「ゆらゆら台湾」では音楽に限らず、台湾情報をゆらゆらと発信!台湾の現地の最新情報や面白いコト・モノを、時差なしでお届けします。 ごきげんよう!台湾は台風が行ったり来たりの真夏です。大体、午後はすごい大雨で、夜はとても蒸し暑いです。今文章を書いてる朝はとても晴れていて気持ちいいです! 先月私が所属してるバンド、ゲシュタルト乙女の2023日本台湾ツアーが無事完了しました!ライブで皆

第9回 ジョージ五世と、首相になれなかった貴族ジョージ・カーゾン|本田毅彦(京都女子大学教授)

 誰が、どのようにして首相に任命されるのかについて、日本社会とイギリス社会を比べてみると、両国はともに民主主義国家であって、議院内閣制を採用しているので、本質的には同じだが(衆議院/下院の多数派を率いる政党の指導者が、首相になる)、実際の手順は少々異なっている。  日本では、国会の議決によって首相が指名され、それに基づいて天皇が任命し、新たな首相が組閣を行う。イギリスでは、選挙などを通じて議会の多数派に変動が生じた場合、新たな多数派の指導者が国王から宮殿に招かれ、首相とな

古代に存在した巨大神殿のルーツに迫る

―――――――――――――――――――― 國學院大學メディアの公式サイトから、 note担当者がおすすめ記事を転載! 旧暦10 月ー神無月。日本各地の神様が出雲大社に集まり、 島根県では神無月ではなく神在月と呼ぶのだそうです。 神様が集う地に立つ巨大神殿のルーツとは? 國學院大學 笹生教授のインタビューです。 ―――――――――――――――――――― 「古事記」などで伝えられる日本の神話。それらの背景を考古学から迫ると、本当の〝古代〟が見えてくる。出雲大社がかつて〝巨大神殿

ヒップホップ生誕50周年の温故知新~MEGA-G × Genaktion『インディラップ・アーカイヴ』重版記念対談

『インディラップ・アーカイヴ もうひとつのヒップホップ史:1991-2020』の重版出来を記念した特別対談をお届けします。  対談ゲストには、ラップの解読を日課とする著者Genaktionさんをして「リリックに対して並外れたこだわりをもつ」と言わしめるラッパーのMEGA-Gさんをお招きしました。 『Illumatic』でのデビューからもうすぐはや30年が経つも、衰えるどころかその存在感は増すばかりのNasのラップにかける想い、インディラップ・シーン随一のパンチライン・ラッパ

『聖杯の神話――アーサー王神話の魔法と謎』訳者解説公開

訳者解説 キャンベルの比較神話学と「聖杯の神話」について 訳者 斎藤伸治  本書の著者ジョーゼフ・キャンベル Joseph Campbell(1904-1987)は、20世紀を代表するアメリカの比較神話学者である。キャンベルは、世界の神話の比較ということに対して、幼い頃からずっと特別な関心を抱いていた。彼は生涯にわたってアメリカ先住民の神話や文化に関心をもち続けたが、それは6歳の時に父に連れられてマディソン・スクエア・ガーデンでバッファロー・ビルのワイルド・ウエスト・ショ

『記憶を語る,歴史を書く』刊行記念:「オーラルヒストリーの入口で」③

(①はこちら、②はこちら) 生活史の読み方について四竈 この話、私の個人的な引っかかりかもしれないんですが、ちょっとお伺いしたいことがあって。『家(チベ)の歴史を書く』について、さっき、何度も感動したし、笑えるし、っていうふうに申し上げたんですけどね。たとえば文庫版の98ページで延奎(よんぎゅ)伯父さんに、「最後にもう一度人生をやり直せるなら何になりたいか」と聞く。すると伯父さんのほうが「やっぱりね、教育者になりたい。今度は、もう、そんな偉くなくていいから」って、なんとなく