マガジンのカバー画像

”国際系” note まとめ

3,079
This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

おじいわんが亡くなりました

お久しぶりです。 2021年もあと残りわずかですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。 ちょっと今回は寂しいニュースです。 そうです、おじいわんことマックス君が亡くなりました…。 今回の記事は愛犬の“死”が多分に含まれています、動物の死が苦手な方、今読む気力が無い方はご注意ください。 私、瀬川の移住地であるカナダではペットの最期は獣医による安楽死が一般的ですが、「回復する見込みが無い」「これ以上処置をしても生活の質が見いだせない」と動物の暮らしを尊重する行為として捉えられてい

2021年の10曲(海外編)

続いて海外編の「2021年の10曲」もあげておきます。今年はわりと聴くもの偏った感じがするけど、好みはこんな感じでした。 underscores - Spoiled little brat Spotifyの「2021年まとめ」を見たら、これが1番聴いた曲でした。カリフォルニアを拠点に活動するunderscoresのデビューアルバム『fishmonger』に収録された曲。アルバム自体もかなり聴いてた。 もともとハイパーポップというのはプレイリストから生まれた言葉だけあって、

地理旅#0「自分の羅針盤をつくる」

僕は中学高校の地理教師。でも、元々は全くといっていいほど「世界」に興味がなかった。特に、中高時代は野球と、点を取るためだけの勉強に明け暮れていた。それ以外の世界には関心を寄せることもなく、キッカケもなかった。 ・・・いや、正確に言えば、キッカケは、その辺に転がっていたのかもしれない。帰国子女の友達に、校内の留学案内ポスター。でも、どれも僕の目には映らなかった。 それどころか、僕は地理が好きではなかった。というのも、ただ覚えれば終わりの丸暗記。それの何が楽しいのだろう。山の

外国語学習コンテンツとして「ネイティブ向け教科書」が熱い件

野本響子さんが、外国語学習を続けるためのコツとして「自分にとって楽しいコンテンツ」を見つけることの重要性について書いていました。 これは外国語を勉強している人にとって、本当に大切なことです。仕事などで必要に迫られて外国語を使う人以外は、自分から能動的に学習素材を探していかなければいけません。しかし、興味が続くくらい楽しく、かつ自分のレベルに合っているものはそうそう転がっておらず、自分にとっての「当たり」はなかなか見つかりません。 僕自身、中国語学習者としてこの素材探しには

【研究機関と政策(国際開発分野)】イギリスと日本の違い

ここのところ大学院についての話を書いてきた。 今回は質問されたわけではないのだが、前回の話とリンクして大学院とか研究機関と政策がリンクしているかという話。 開発や国際協力関係の話であるが、日本とイギリスではだいぶアプローチが違う。 日本だと地域研究とか、国に興味を持って研究を始める人が多かったりするが、イギリスだと理論構築から始める。開発援助にもこの傾向はあって、イギリスの開発援助機関は最初に理論構築を行い、その後そのモデルを使って開発支援を行っていく傾向にある。 例えば、

通訳の道が見えた瞬間

この文章は、ヤマハ発動機と開催する「 #エンジンがかかった瞬間 」投稿コンテストの参考作品として、主催者から依頼をいただいて書きました。 こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 僕が来日して15年目の今日まで色々な困難を乗り越えたけど、今思い返すと大した事がない困難でも当時からすると非常に厳しい事だった。それでも諦めず自分を信じる事ができて今があるのは、僕の強い意志と出会った人たちからいただいた気持ちのおかげだ。 今日は僕が日本語を学ぶことになったきっかけと

アニメ聖地巡礼のモヤモヤ、「海外」の存在

アニメの舞台になった町や建物を実際に訪問する「アニメ聖地巡礼」は、2018年以降『訪れてみたい日本のアニメ聖地88』(アニメツーリズム協会)の選定が行われるなど、注目度が高まっているようです。一方で、海外の「巡礼地」は今もニッチな界隈にとどまっているように見受けられます。 先日も2022年度版が発表されました。 こういったアニメ聖地巡礼を後押しする取り組みは非常に大事だと筆者も感じるわけですが、同時に腑に落ちない、モヤモヤする感情もあるわけです。 というのも、そもそもア

「だれも、何もしてくれない」 南スーダン

2012年、僕はアフリカの南スーダン国に海外出張しました。 日本とはまるで異なる環境に衝撃を受けたことを、今でも忘れることができません。 南スーダン渡航前この記事の最後で、僕は「寄付をはじめる人」に変わります。でも南スーダンに行く前はこう思っていました。27歳のときです。 「寄付?僕のメリットはなに?」 「どうせ中抜きとかされいるんだよね?ならしないほうがマシ」 「寄付より飲みに行くほうにお金を使ったほうが楽しい」 今考えると、とても自分本位な20代だったと思います・・

リタトリップのはじまり スリランカの旅

「発展途上国の人たちは、観光客を『歩くお金』としか見ていない」 僕はどこかこんな偏見を持ったバックパッカーでした。 しかしスリランカで出会ったタクシー運転手のサガリは、現地の人しか知らない情報を教えてくれ、出会ったその日に僕を家に招き「世界一おいしい」という奥さんの手料理カレーを無償でご馳走してくれました。 リタトリップをはじめるきっかけとなった原体験の1つです。 ■■■■■ 2014年8月、僕はバックパックを背負い、インド洋に浮かぶ南国の島スリランカを訪れていました。

ネットメディア「立場新聞」取締りで思うこと(追記あり)

香港のネットメディア「立場新聞」が消えた。わたしが毎日ニュースチェックしているメディアの一つだった。ちょうど今月からニュースチェックの手法を変えたので、記録上では記事タイトルとURLは残っているけれども、内容のほとんどが消えてしまったことになる。 29日早朝6時に「立場新聞」の取材主任である陳朗昇・副編集長の自宅を捜査員が訪れ、同副編集長を拘束すると同時に自宅から資料やコンピュータなどを押収した。そしてそれとほぼ同じ時刻に、今年6月まで「立場新聞」の董事(取締役)を務めてい

マラウイで出会った、忘れられない先生と猫。

無茶ぶりだけど憎めない先生マラウイのリロングウェ教員養成大学、表現芸術学科の学科長だったブタオ先生は、印象深い上司だった。 「表現芸術科」:体育・音楽・技術家庭科・演劇などの技能教科が全て融合したような科目。 背は低めでちょっと猫背。髭をはやし、大学の教官として大ベテランの風格が漂う。マラウイ人としては珍しく眼鏡をかける。新しい眼鏡のレンズによくついている小さなシールは、なぜか貼ったまま。そんなブタオ先生に構内ですれ違う時には要注意だ。何かしら急な仕事を頼まれるからだ。そ

東南アジアでサッカーを活用したマーケティングが効果的な理由

現在開催中のAFF Suzuki Cup(東南アジアサッカー選手権)はタイとインドネシアによる決勝を残すのみとなりました。タイ代表では、チャナティップやティーラトン、ティーラシンといったJリーグでもお馴染みの選手も活躍を見せています。インドネシア代表にも若くてポテンシャルある選手が多く、見どころが多い大会ですが、ビジネス面でも注目しています。 ASEANのワールドカップとも言われるほどASEAN現地では爆発的な人気を誇る本大会は、多くの日本企業がスポンサーとして支えています

問いと「歴史総合」 :5つの観点+1に注目して

 この2ヶ月の間、私なりに、新科目「歴史総合」の素材集めをしてみました。この新科目について、ある程度知られるようにはなってきました。これを来春以降実施するとなると、なかなか大変なところもあるだろうなと思ったりもします(とくに教員研修や、学校・生徒や多様な実態を踏まえた文字資料の扱いについて)。近代化、大衆化、グローバル化を時期区分のように扱うことにも、正直抵抗があります。  巷では「歴史総合は日本史と世界史の融合だ(現代の課題との関わりを考察する)」とか「歴史総合は世界史だ(

忘れられた「南洋」—冒険ダン吉と「土人」 2-2-6.アジアの経済成長と、都市化・開発・移民  

南洋諸島ー忘れられた日本領  「南の島」と聞いて、どのあたりを連想するだろうか?  第一次世界大戦開始後の日本にとっての「日本の島」は、赤道以北の南洋諸島であった。ここは現在のミクロネシアを中心とする海域であり、もともとはドイツの植民地であったところだ。  第一次世界大戦後に委任統治領として日本が統治をまかされると、政府は1922年にパラオに南洋庁を設置して、多くの日本人を移住させた。同年にはさっそく、サイパン~沖縄間を直行船が就航している。    その後、南洋諸島は南