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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2022年3月の記事一覧

ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』

☆mediopos2681  2022.3.20 「言語が違えば、世界も違って見える」のは 私たちの社会の言語習慣の体系が そこで使われている言語の影響を 広範囲にわたって受けているからで たとえば色の認知ひとつとっても その体験は色そのものだけからくるのではなく 色を名づけた言葉に強く影響されている ある文化的慣習のなかで 自然に感じられている常識的な認知も 別の文化的慣習のなかでは 必ずしも自然であると感じられるわけではない 言葉は世界に対する認知を切り取り 表象

ウクライナとロシア──「分断する」言葉ではなく、「つなぐ」言葉を求めて。 奈倉有里

2021年10月にイースト・プレスから刊行された奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』は、高校卒業後、2002年から2008年の間、単身ロシアに渡り、日本人として初めてロシア国立ゴーリキー文学大学を卒業した筆者が、テロ・貧富・宗教により分断が進み、状況が激変していくロシアを活写したエッセイです。本書の中には、現在のロシアによるウクライナ侵略の背景にあった出来事が、ミハイル・シーシキン(ウクライナ人の母とロシア人の父の間に生まれモスクワで育った作家。1961年~)と、アンドレイ・クル

英国散歩 第22週|英国のパブ文化とカフェ文化【パブ編】

はじめにイギリス人の生活とは切っても切り離せない、紅茶とビール。 紅茶はティールームでお菓子と。ビールはパブでフィッシュ&チップスと。イギリス観光でも定番のそんな情景がすぐに浮かんできます。 今回の連載テーマは、これにコーヒーも加えた3つの飲み物を巡るイギリスの歴史と現在について。 これら3つに共通するのは、単に現在のイギリスで人気の飲み物というだけでなく、それらが提供されてきた場がイギリスの歴史においてとても重要な役割を担ってきたということです。 パブ(ビール)、コーヒ

ウクライナと地図

私たちは有事に接したとき、「情報を集約する」という必要に迫られます。 それが自然災害であっても、戦争であっても。 3月11日──。今年もその日を迎え、当時のことを思い出しています。 あのとき、あの瞬間、私は六本木の東京ミッドタウンにあったヤフー本社で勤務していました。最初は、何が起きたのかわからず、テレビやインターネット等で急いで情報をかき集めました。 そんな中、現在Georepublic Japan代表を務める東修作さん、さらには当時、ヤフーグループの一員だった関治

ウクライナについて思うこと(2022年3月13日)

歴史は合理性だけではなく、いくつかの偶然によっても針路を若干変える。合理性が説明力を失うと、専門家の予想は外れる。 そもそも多くの専門家たちは、ウクライナでの戦争は起きないと予想していた。どこにも合理性がないからだ。しかし戦争は起きた。 そして、戦争が始まった当初における大勢の予想は、ウクライナが1週間以内に降伏するというものだった。恥ずかしながら、僕もそうなるだろうと諦めていた。戦力が違いすぎるし、NATOは何もしてくれないだろうからだ。 しかし、ウクライナの人々は命

ロシア人とウクライナ人の歴史的統一について(プーチン論文)和訳

※グーグル翻訳を主に使っているのと、歴史的な専門用語がわからないところが多く、意味がわからなかったところもおおいのですが、概要がわかれば良かったので、翻訳がおかしいところもそのままグーグル翻訳をコピペして修正していませんのでご容赦ください。要点は太字にしてるので、そこを読むなだけでプーチンの主張はだいたい理解できます。 During the recent Direct Line, when I was asked about Russian-Ukrainian relati

ウクライナ情勢について子どもと話すこと:教員向けアドバイス

〈ウクライナ情勢について子どもと話すことと、子どものエンパワーメント〉では主として親を対象とするアドバイスを紹介しましたが、次の記事では、それぞれユースワークと国際開発、社会心理学、カウンセリングを専門とする3人の研究者(オーストラリアン・カソリック大学)から、教員向けの助言が提示されています。オーストラリアの学校を念頭に置いたものなので日本の状況にあわせて柔軟に対応する必要はありますが、教員のみならず、子どもたちのまわりにいる親その他の大人にとっても考える材料になると思いま

基辅餐厅。北京に唯一あるウクライナ料理のレストラン

日曜のグルメ、今日は北京唯一だと言われるウクライナレストランの「基辅餐厅」(キエフレストラン)を紹介したいと思います。 場所は長安街の西側の沿線にあって、2000年に営業開始。最近のニュースで急に話題になってエリア人気レストランのNo. 1に上昇しています。 dianpingの評価システムでは、5点満点中の4.8点で味、環境、サービスそれぞれが4.6点、4.6点、4.5点となります。1人当たりの平均消費額は203元(約3700)で大衆レストランよりはやや高めですが北京のロ

ロシアによるウクライナ侵攻について

ロシアによるウクライナ侵攻の勃発した翌朝は、ちょうど期末試験の最中だった。 言うまでもなく許しがたい暴挙である。 すでに今年度の授業は実質的に終了していた。生徒たちに、どうしたら伝わるだろうかと思案して、普段はあんまりそんなことはしないのだが、朝、新聞の一節を朗読した。 《今日、約70年続いた『戦後』は終わってしまったのだ。》という文句をよみあげる。子どもたちは反応する。 「えー」「そんなにすごいことなの」 それでも粛々とテストは続く。「どういうことなのか教えて下さ

178. ひろゆきさんへの返答を補足しました

 3月11日放送のABEMA Prime『ひろゆきさん拡散希望』を見ていただきありがとうございました。最初に1人で話し続けてしまい『あれ?話し続けていいのかな?』と不安になっていたのはお気づきだったでしょうか。  結果としては拡散して頂くことになり、多くの人に知ってもらうきっかけとなりました。ひろゆきさん、番組スタッフの皆さんありがとうございました。  さて、生放送でちょっと緊張していたこともあり、質問への答えがチグハグな場面もありましたので補足させてもらおうと思います。

ウクライナ戦争における「宥和政策」の効用をめぐる橋下徹氏へのリプライ

註:こちらは、2022年3月6日に、Twitterで橋下徹弁護士から、ウクライナ戦争での平和の到達の仕方について、私への疑問を頂きましたので、それに対する返答をまとめたものです。https://twitter.com/hashimoto_lo/status/1500461182892662787 また一番上の写真は、ウクライナのキエフで4年前に講演した際のものです。 橋下先生、真摯でご丁寧なご返答を有り難うございます。橋下先生のご説明は直接的な言い方で反発もあろうかと思い

#30 グルジア(ジョージア)語

ジョージアという名前が好きじゃない。でも勝手に知らない名前を使うわけにもいかないので、ここでは慣れ親しんだ「グルジア」で統一する。正直、まだグルジアという名前の方がましだった。というのも、国際的に迎合するために英語の名前に変えるという風潮はどうにも好きになれないからだ。グルジア人には迷惑かもしれないが、グルジア人に「それぐらいなら英語もロシア語もやめてグルジア語で『グルジア』を意味するサカルトヴェロをなぜ諸外国に使わせないのか」といつも私は文句を言っている気がする。 ところ

日本の食糧援助絡みのいろんな話(3)

「日本の食糧援助絡みのいろんな話(1)」では 食糧援助のあらましについて、 「日本の食糧援助絡みのいろんな話(2)」では 港での荷役などについて 少し書かせていただきました。 今日は、援助米の内容、 つまり 被援助国へ送るお米の種類について 書いてみたいと思います。 日本はミニマムアクセス米として 米生産が盛んな多くの国々から毎年おコメを購入しています。 細長いインディカ米(長粒種)が主流ですが、 無論米国からは カリフォルニア米(中粒米)を購入しているので、 被援

「ダボス会議アジェンダ2021」ウラジーミル・プーチン大統領の講演全文

ロシア大統領府執行部2022 イベント情報 世界経済フォーラム(WEF)主催のオンラインフォーラム「ダボス会議アジェンダ2021」のセッションで、ウラジーミル・プーチン氏が講演しました。2021年1月27日 15:10 モスクワ、クレムリン 世界経済フォーラムが主催するダボス会議Agenda2021のオンラインフォーラムのセッションにて WEF公式ビデオ オンラインイベントは1月25日から29日まで開催され、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、中東、北米、ラテンアメリカの国