東北地方の石造物⑤:陸奥国分寺五輪塔

名称:陸奥国分寺五輪塔

伝承など:なし

所在地:宮城県仙台市若林区木ノ下 陸奥国分寺


東北地方には平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての初期五輪塔が多く現存する一方で、五輪塔の数が増加する時期にあたる鎌倉時代後期の五輪塔は、関東地方と比べると随分少ない。

特に太平洋側は、初期五輪塔を造立していた平泉奥州藤原氏の影響が途絶えてしまったことと関係するのか、鎌倉時代後期の作例がほとんど見つからないが、その中で数少ない鎌倉時代後期の五輪塔が仙台の陸奥国分寺にある。

地下鉄薬師堂駅が最寄りであり、駅名の由来でもあり伊達政宗によって再建された薬師堂のある旧伽藍とは道を挟んで反対側の新しい区域の墓地内に五輪塔はある。

惜しいことに破損が激しく、空風輪も欠損しているが、凝灰岩製の大型塔で典型的な鎌倉時代後期の五輪塔の特徴を示し、東北地方に残る鎌倉時代後期の石造物として貴重である。



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