京都府内の石造物㊶:補陀落寺宝篋印塔(伝・小野皇太后供養塔)・層塔(伝・小野小町供養塔)

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名称:補陀落寺宝篋印塔・層塔

伝承など:小野皇太后供養塔(宝篋印塔)、小野小町供養塔(層塔)

所在地:京都府京都市左京区静市市原町 補陀落寺


叡山電鉄の市原駅で下車し、南へ数分歩いた所にある補陀落寺は、「小町寺」の通称で知られ、小野小町終焉の地とされる。

伝承によると、小野小町は老いた後で父親の所領のあった市原に隠棲し、その地で没したが、死後にその屍は野晒しになり、源信がそれを葬ったとも、西行がこの地を訪れた際には小町の髑髏から芒が生えていたとも言う(この伝承にちなんだ「穴目の薄」が境内にある)。

本堂の前に建つ宝篋印塔は、小野皇太后(冷泉天皇の皇后・藤原歓子、小野に隠棲したためにそう呼ばれた)の供養塔と伝承されるが、鎌倉時代後期の造立である。

均整の取れた美しい完形の大型塔で、同じ京都市の誠心院にある正和二年銘の宝篋印塔(和泉式部の墓と通称される。「京都府内の石造物⑫」参照)とよく似ており、この宝篋印塔も同時期の作であろう。

なお、境内には小野小町の供養塔とされる層塔があり(三枚目)、こちらも鎌倉時代後期の作と思われる。


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