中部地方の石造物㉟:鎌田五輪塔(伝・鎌田正清供養塔)

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名称:鎌田五輪塔

伝承など:鎌田兵衛正清供養塔

所在地:静岡県磐田市鎌田


2020年に開業したJR東海道本線の御厨駅を下車し、南方に十分ほど歩いた住宅地にある須賀神社のあたりは、かつて藤原秀郷流首藤氏の一族で鎌田氏という豪族の館があった場所であると言う。

同所には万福寺と言う鎌田氏ゆかりの寺院も存在したと言い、その寺院跡の農地の一角には、三基の五輪塔が残されている。

この五輪塔は鎌田兵衛正清(政家とも)の供養塔と伝承されているが、鎌田正清は源義朝の家人で、平治の乱に敗れて東国に落ち延びる途中、尾張国野間で長田忠致の裏切りに遭って義朝とともに討たれた人物である。

鎌田氏はこの地の豪族で、五輪塔は家臣が正清を供養するために造立したと伝わる。

三基ある五輪塔のうち、最も大型の中央塔は、空風輪が欠損するものの鎌倉時代末期の作であり、左塔、右塔はともに南北朝時代の作と推定される(右塔の水輪は別石)。

鎌田正清の時代よりも後年のものであるが、鎌田氏ゆかりの石塔である可能性は高く、また磐田市内の五輪塔としても最古の作例である。


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