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異国の地でもクリエイターとして活躍。ノルウェーから単身で来日したRenaの「自分のコンフォートゾーン」の広げ方

こんにちは、Yumi*です。
つくるひとシリーズではインタビューを通し、「何かを生み出す人」のクリエイティビティはいかに発揮されるのかを探っていきます。
今回はノルウェー出身、イラストレーター/デザイナーのRenate Tjelta(以下Rena)さんからお話を伺いました。

Renate Tjelta

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東京に魅せられて、満を持して2017年に単身でノルウェーから来日。
現在も東京を拠点に置きながら製作活動を継続中。2020年5月にオンラインショップをオープンし、日本での絵やグッズの販売も開始した。 年に1-2回ほど、ノルウェーに帰国し家族との時間も大切にしている。

Renaさんが絵を描きはじめたのはいつからですか?

 思い返せば、物心ついたときからずっと私は絵を描きつづけていました。 学生時代は、教科書やノートの空白などとにかくスペースさえあれば落書きをしていました。 そして単なる落書きから「アート」そもそもに夢中になりはじめたのは私が13歳の頃。「犬夜叉」っていう漫画を初めて知ったのがきっかけです。その漫画のストーリーや世界観からとても刺激を受けて、もっと私も絵を描きたいって思うようになりました。

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それから漫画に出てくるお気に入りのシーンなどをインターネットも使いながら集めていくうちに、 ’deviantART’っていうオンラインのアートコミュニティを偶然見つけたんです。 そこには様々な人が所属していて、それぞれが描いたキャラクターや絵を紹介したり、鑑賞したり、いっしょにコラボレーションしたりしていました。 そのコミュニティに所属することで、オンライン上で「絵を描く仲間」を見つけた私はさらに絵を描くことが大好きになっていきました。 もうすでに15年近くたった今でもその当時の友人たちとは交流が続いていて、お互いに近況を報告しあったりそれぞれの制作活動を応援し合えるいい仲間です。

日本に来日したいと思ったきっかけはなんですか?

私が子供だった頃の習い事で空手をしていたから、そして犬夜叉などの日本の作品の世界観に興味があったからです。 私の実家はノルウェーの、自然豊かな小さな街にあります。その小さな街の図書館に日本の作品が置かれていたんです。 もう、それはそれは夢中になって読みました。自分が住んでいるところとは全く離れた世界からはるばるとやってきた漫画や本たち。図書館に置かれている作品を読めば読むほど、「日本をもっと知りたい、実際に行ってみたい」っていう気持ちがどんどん大きくなっていきました。 それから月日がたち、私は母国の大学を卒業しました。しかしその時「私は人生においてこれがしたい」っていうものが正直よくわからなかったんです。だから日々ただ刻々と過ぎていく時間に対して焦りを感じることも多くありました。 しかし、ただひとつ確かだったこと、それは「幼ないころからずっと憧れだった日本に実際に行ってみること」でした。それだったら今、行ってみよう。そして長く滞在していろんな視点から日本を見つめて、自分の将来の糧にしよう、そう思うようになりました。

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実際に来日してみてどうでしたか?

正直そこまで大きなカルチャーショックとか、ホームシックなどはありませんでした。自分の知っている範疇外のことが起きたとしても「異なる文化を持つ環境にいるからそういうものだ」と思えば、何でも前向きに捉えられました。初めて来日してからもう3年になりますが、今思い返すとそこまですごくショックだったことはあまりないですね。あ、でも来日して初めてトイレのウォシュレットをみたとき、「なんだこれは!」って驚きました(笑)
東京って当時もいまでも面白いなって思います。私は自然が好きなので都会すぎてしまうとたまに息が詰まることがあるけれど、高層ビル群の中に突如神社やお寺があったり、自然を感じられる公園があったりして小さなエリアの中にいろんなものが一緒に混在しています。でも不思議なことに調和がとれている。一見すると相反する要素を持ち合わせたものが、うまくバランスを取って共存しているのって日本ならではのセンスだと思います。

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また、就業環境において、日本にあるクリエイティブ関係の仕事に従事するにはビジネスレベル以上の日本語力が必要なケースが多いこともわかりました。選択肢が限られてしまうこともあるのですが、それも今自分に与えられたチャレンジとして、前向きに今できることに向き合っていきたいと思っています。

生まれ育った故郷を離れ、日本に暮しながら創作活動を継続していく中で、大切にしていることはなんですか?

毎日必ずしている習慣があります。それは、ベッドを整えることです。
ごくごくシンプルで、なんだそんなこと?って思われたかも知れません。だけど私たち人間ってできれば毎日、「よし、今日はこれをなしとげたぞ!」っていう達成感や、「自分は生産的である」っていう感覚、肯定感を何かから得られる必要があると思うんです。 生きていれば、いい日もそうでない日もある。仮にその1日がいい1日でなかったとしても、感情に惑わされず必ずベッドを整えることで、少なくとも「私はしっかり自分との約束を守った」って思えます。そんな小さくてシンプルな約束事を日常生活の中に持つことで、どんなに振れ幅があっても「ゼロ」に戻ることができます。

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そして家族やコミュニティを大切に思うこと。これは依存とは別物です。自分も、相手もお互いが心地よいと思える距離感って大切だと思います。 日本はやはり生まれ育った環境とは異なる異国の地。ときに自分の「コンフォートゾーンよりも外」で挑戦しなければならないこともあります。 そんなときに「お帰り!」って受け入れてくれる友人やコミュニティがあるととても心の支えになる。でもそれで満足するのではなくて、自分の「コンフォートゾーン」を広げていくにはあたらしい出会いを自ら求めにいく姿勢も大切にしていけたらと思っています。

これから挑戦してみたいことは何ですか?

3つあって、1つ目は本の挿絵や絵本の製作に携わることです。私の絵は子供の絵本など、かわいらしいテイストのものとの親和性がとてもあるので挑戦してみたいですね。

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2つ目は日本の方に向けたショップもオープンしたのでどんどん拡大していきたいです。私のデザインに共感してくれるひとに対してお届けできたらとっても幸せだなと思います。

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そして最後に「パターン(模様)」の技術をもっと取得して洋服のデザインにも挑戦していきたいなって思っています。

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これからも前向きに学び続ける姿勢を大切にしたいし、学びを通してさらに技術に磨きをかけていきたいなって思っています。

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【Instagram】
https://www.instagram.com/norrenee/

【Shop】
https://renadesign.shop/

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※Renaのプロフィール画像に使用した着物の写真の詳細を知りたい方はこちらからご確認ください。

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