sengenyama_613
2023年8月11日 14:38
父の征き祖母と叔母らと家守る 田畑のあれば戦債も買う
2023年7月22日 10:59
ねぢ花と気づきたる時草刈りの 鎌は根本を通り過ぎたり
2023年7月9日 16:01
梅雨明けは近きか葵は秀に近く 花のぼらせてわが丈を越ゆ
2023年6月26日 11:30
梅雨晴れ間惜しみて韮を植ゑ急ぐ 冬から春へのわが家の身過ぎ
2023年6月16日 00:49
子つばめの育ちの早し巣のへりに 五つの嘴(はし)を並べ餌まつ
2023年6月8日 17:56
残照はなほ続きをり一輪車 慣れし女孫はわれのあとさき
2023年5月22日 10:08
鎌を研ぐ傍に並び立つ孫の 幼き方の靴みぎひだり
2023年5月10日 18:29
はつ夏の陽に輝ける柿若葉を妻は誉めをり二度も三度も
2023年5月2日 23:32
咲き盛る霧島つつじの枝撓(たわ)む夜半に降りし雨滴ふくみて
2023年4月19日 19:01
日溜りの土手に蓬を摘む妻のまだ小さいと笊を傾げる
2023年4月15日 22:38
若竹の秀の抜き出でて竹藪の笹揺るるなく小糠雨ふる
2023年3月31日 19:58
あかときに草刈る鎌を研ぎあげて砥の粉拭へば鉄気(かなけ)が臭ふ(生涯に一冊だけ作った歌集のタイトルになった歌)
2023年3月16日 20:16
春寒にひと日おびえし春彼岸けなげに愛(かな)しかたくりの咲く
2023年2月22日 19:33
夕空に浮く三日月にすがりたし思はず洩らす今日の疲れを
2023年2月9日 19:58
きさらぎの畑の小径の乾きそむ身籠る山羊を引きて帰れり
2023年1月13日 12:41
初詣の客に会釈を返しゐる着ぶくれしまま拝殿に座し