繊月

折々の月のように、日々変わっていく日常のよしなしごとを綴ってみたい。 片意地はらずに素…

繊月

折々の月のように、日々変わっていく日常のよしなしごとを綴ってみたい。 片意地はらずに素直に、しなやかに軽く。さして面白くも書けないが。

最近の記事

瞑想のとき

夜が明けるのが遅くなった。 漆黒の空を眺めながら、noteを開く。 何を書くとも決めてないのに下書きに向かう。 習慣、惰性もある。 何より落ち着く。 静まり返った時間。 日中の雑多な思いが消えるとき。 言葉が出てくるのをじっと待つ。 創造力はないので、思い浮かぶのは卑近なことばかりだ。 ないものねだりは栓なきこと。 毎朝変わりもしない頭の中を言葉にしている。 私のnoteは瞑想のようなもの。 あくまで自己中心である。 それでも公共の空間に出したい。 見知らめ誰かに覗いて

    • 閉じ込められた!

      今朝は雨。 予報でわかっていたけどやはり降っている。 疲れ果てて眠りについた。 嫌な夢も見ず眠れたようだ。 ぼんやりしながら、雨の音をきく。 コーヒーが苦い、疲れている。 カフェオレに変えよう。 今日はこのまま一日が過ぎていくだろう。 言い訳をしなくても、無為に過ごせる状況だ。 二日酔いの朝のような倦怠感。 しかし自己弁護は必要ない、仕事疲れだから。 昨夕のことだ。 鶏を揚げる準備をして、お風呂に向かう。 湯船はいいなあ。 ビールが待っている、早くはやく。 洗面所のド

      • 昨日の続き

        今朝もまた窓から金星と三日月が見える。 太陽の、お目見え前の刻。 鳥も起きていない、風もない静かな静かな時間。 ポンカン収穫は最盛期で連日仕事に出ている。 始まった頃は二日で根を上げていたのが、もう四日続いている。 まだまだやればできると我が身を見直す。 出費があるので、身体も気合いがはいったようである。 循環は必要、円滑油だと改めて思う。 昨日の投稿後、「こちらもおすすめ」で、冷蔵庫と洗濯機を手放したと言う記事を読む。 そんなことができるのかと驚く。 そうか、近くにお店

        • 家電を買い換える

          有明の三日月が凛として浮かんでいる。 いい朝だ。 昨夕の仕事帰りの夕焼けも壮厳で眩しく、バイクを止めて見入った。 こんなに美しい景色に会えるのは滅多にない。 自然の営みは単調な日々に潤いを与えてくれる。 写真を載せたくて、何も考えずに書き出した。 どう続いていくか、つれずれなるままに。 先日来、洗濯機の調子がおかしい。 数年来、冷蔵庫の買い替え時期だと思ってきたが、なかなか壊れない。 愛着はあるものの、長年の劣化が痛々しい。 思い切って、どちらも新調することにした。 大

        瞑想のとき

          十二月八日の朝に

          有明の月を撮ろうと庭に出たら、吹き飛ばされそうになった。 今ごろから春のはじめまで、気まぐれな北西の風に悩まされる。 ヒューン、ガタガタ、バタバタ(家が古いので)と、ささやかな幸せなど吹き飛ばしてやると叫んでいる北風。 そんな風にも負けず、昨日も今日もポンカンちぎりの仕事だ。 色がついたミカンから採っていくので、大体一週間おきぐらいになる。 徐々に風はやみ、陽がさして、雲もない青空が広がっていった。 着込んだ服を脱いで、さながら北風と太陽の一幕を観るようであった。 さて今

          十二月八日の朝に

          怠け者の処方箋

          夜はこたつでこのまま寝てしまおうかと思うし、朝は布団から出たくない。 誰かに叱ってもらわないとしゃんとしない怠け者がいる。 温度は低くないのに風が唸る朝。 今日も掃除を頼まれているが雨も降ってきそう。 「無理しなくていいですよー」と連絡あればいいのになあ。 昨日外出したから、もういいやになっている。 ほら、雨も降り出した。 風と雨のフュージョン。 コーヒーを淹れよう。 香りも参加したそうだ。 休みが続いたのに、本を読む気になれない。 ドラマや映画もつまらない。 何をして

          怠け者の処方箋

          渡に舟の外出

          こたつから離れなければと意気込んでいるところに、民宿から連絡があった。 掃除の依頼。 まさに渡に舟、タイミングがよい。 願ったり叶ったり。 一石二鳥。 渡に舟とは法華経の「渡に舟を得たるが如く、暗に灯を得たるが如し」が語源のようだ。 ちょうどいい具合にことが運ぶ。 仏教用語だとは知らずにいた。 それにしてもいつから仕事好きになったものか、我ながら感心である。 でも、渡し舟から三途の川を連想してしまった。 仕事へ行くためだけに外出すると言うのは、ある意味危うい状態だ。 それ

          渡に舟の外出

          傷つくひともいる

          二日間、こたつから動かなかったらいい加減、嫌になってきた。 急な農作業の疲れをとろうと、安楽に過ごしすぎた。 忙しくしている中の、ほっと一息、忙中閑ありは、気分転換にも、息抜きにもなる。 しかし暇を持て余すと身体だけではない疲れが出てくる。 そんな日中、弟から「誕生おめでとう」のLINEがくる。 あれ、どうしたのか、元銀行マンの几帳面な人が。 数字の並びが似ていたから咄嗟に勘違いしたのだろう。 「○ちゃん、大丈夫?」と返信したら、いつもの長文ではなく、平謝りのスタンプがき

          傷つくひともいる

          休日の朝に

          仕事が続き、やっと休みがとれた。 家事がたまっているのに、こたつから動けないでいる。 ひとり暮らしは自分に甘くなり、何事も後回しにしてしまう。 元来怠け者なのに、島に移住してからはよく働いている。 もっとも、働かないと生活できないからではあるが。 しっかり働いてきたならば、今ごろは悠々自適だろう。 選択肢がなかったからではなく、移住する前から決めていた。 土や植物を扱える仕事がしたいと。 最初はホテルの園芸で花作りをした。 仕事は楽しかったが、そのうち、ホテル内に飾る植物

          休日の朝に

          臘月尽

          「看看臘月尽」 看よ看よ臘月尽くという禅語を知った。 茶道では十二月に使われる掛け軸の言葉のようだ。 中国ドラマで、よく「かんかん」と聞く。 「みる」という意味だろうと思っていたが、「ためす、してみる」の意味もあり、看は使い勝手のいい言葉のようである。 それは置いといて、臘月は師走と同じく十二月の別名。 臘とはつなぎ合わせる、今年と来年をつなぐ月の意味。 もともとは中国の、猟の獲物を神に祭る、冬至の後の戌の日の行事だったそうである。 「今年もすぐに去っていく、よく看な

          ぶれないように

          農作業のある日は、前夜から徐々に気持ちを盛りたて、元気で出かけられるようにしている。 もう長いこと働いているのにいっこうに慣れない。 作業のシュミレーションをしないと安心できないのだ。 そんな朝、突然、雨が降ってきたら、小さなパニックにおちいる。 盛り上げた気分が一瞬で萎えてしまう。 しばらくすると、「やったー、休める」 でも中止の連絡は来ない。 農園の場所は降ってないのか、様子見か。 島は丸いので隣の集落では降ってない場合もある。 「あれ、青空が見えてきた」 「やっぱ

          ぶれないように

          今宵は満月

          今宵は満月、天気が芳しくないが見られるだろうか。 今頃は、日の出と月の入りが同じ時間帯。 日の入りと月の出も近い。 さよなら、おはよう。 さよなら、こんばんは。 ポンカンの収穫で身体の節々が痛い。 午前中だけの仕事が続いたので、丸一日の農作業は慣れるまでが大変だ。 それに、自分で選ぶ情報ではなく、不特定の人々からの情報は止めようがなく、疲れる。 身体が慣れるとともに、聞き流しもできるようになるだろう。 新しいお店が出来たの、あの土地はクラウドファンディングでなんとかビレッ

          今宵は満月

          逞しく悲しき犬たち

          動物の物語に弱い。 人間の物語では冷酷なほど涙腺は緩まないのだが。 動物、特に犬が出てくるともういけない。 いつものように図書室で借りた本だ。 「アラシ」 大正半ばから昭和十年ごろまでの北海道の原生林。 炭焼きに携わった親のもとで移動しながら過ごした少年時代。 クロ、アラシ、タキ、ノンコの獣猟犬とともに。 当時は列車には犬は乗せられない。 山を移る際に残されていくことを知り、絶食して命を絶ったクロ。 次は野生に戻っていく葛藤が辛い、山犬の血が混ざったアラシ。 タキはアイヌ

          逞しく悲しき犬たち

          眠りは個性

          ポンカンの収穫が始まると十二月、今年も終わりに近づく。 寒がこないと色がつかないので今年は遅いと思っていたら、特別早かった。 一時期の寒さとその後の暖かさで、ミカンも戸惑ったようである。 初収穫の作業で身体に負担がかかったのだろう。 珍しく、ぐっすり眠れた。 いつも眠れないのは、疲れが足りないせいなのだろうか。 起こされても起きない人がいる。 不思議である。 人間とは、こんなにも個性的なのかと思うひとつだ。 起きている時は、まわりのことに無関心でいられるのに、睡眠中は針一

          眠りは個性

          落語を聴こう

          仕事から帰ってきたら玄関が開いていた、全開きである。 鍵を掛けていないのではない。 「閉めるのわすれた!」 「泥棒?」とは浮かばない。 とうとうここまできてしまったか。 鍵を差したままは、たまにある。 これだけ開けっぴろげでは、人がいるものと思って、かえって安全かもしれないと苦笑する。 猫の入った形跡もない。 しかし由々しきこと、もっと緊張せねば。 集落の中に住んでいた時は驚くことがあった。 酔っ払いのおじさんが、夜に「金を貸してくれ」と勝手に入ってきた。 隣の人を呼んで

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          違うペンネーム

          以前のnoteのアカウントは、自分用に残しているが、まだひとり二人と訪れてくれる。 終了したnoteなのにフォローしてくれる人もいて、心苦しい。 読んでくださる人が多くいたのに、勝手に終わらせてしまった。 しばらく葛藤していたが、ひと月を経てなんとか落ち着いてきている。 違ったジャンルが書ければ使い分けもいいと思うが、いかんせんだ。 想像力も創造力もないユーモアもない。 日常のつぶやきを言葉にするだけでは二つは無理である。 違うペンネームを使い分けている作家はいる。 思い

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