『短辺紙文』 スカーラ主人

こんにちわ。スカーラの主人です。閑居料理家。スパゲッテリア Scala。ひとりで伊料理…

『短辺紙文』 スカーラ主人

こんにちわ。スカーラの主人です。閑居料理家。スパゲッテリア Scala。ひとりで伊料理小屋主。ここはひとつの書き落ち葉で、数箇月に一文を書き置きするような。しないような。です。そんなこんなで交流できないのです。いやはや。(文と写真 / © 2020 スカーラ主人)- 転載禁止 -

最近の記事

私片「猫まかせ」1.

朝。 どんなに起きたくなくても、ネコが鳴いて呼ぶので、起きたくないけれど、起きます。起き時はネコの都合。 ネコの声にもいろいろあって、鳴き方にもいろいろあります。ニャゴーンとか、コケッとか、ンキャッとか。 ネコが呼ぶのは、ゴハンの時間。 猫ゴハン。乾燥モノのドライフードと、軟湿モノのウェットフード。ドライフードを白米とすると、ウェットフードは、おかず。 猫ゴハンを食べた後。ネコの様子を見ていると、前足の爪を歯で研ぐみたいにして、噛んでいます。爪で歯を磨いているように

    • 欄外の紙片「料理と暮らす」4.

      いろいろあって、料理と暮らしています。自分で誂えて、自分で撮る。そんな型録。 人参とサヤインゲン入りのフリッタータ。 チーズと黒コショウのスパゲッティーニ。 オレンジ風味のグラニータ。 スパゲッティーニと海老のトマトクリーム風味。 ペンネとズッキーニのクリーム風味 生ハム添え。 抱えているものが頑な過ぎると、人生を台無しにしてしまう、そういうものかもしれないですね。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人

      • 短辺紙文「パスタを茹でる」

        たとえば、食べるものを誂えるとか。そうやって何かをして、どうにか、毎日をやり過ごす。そうしていないと、わたしを追い詰める声が、こころのなかに聞こえてきて、その言葉のせいで、気持ちを苛む。 その声には、見ず知らずの、架空の人物たちの架空の言葉や、過去の出来事にまつわる、過去の人物たちの言葉が入り混じっていて、わたしをどこまでも追いかけてきて、いつまでも苦しめ続ける。 だから、わたしは、人も出来事も遠ざけるようにして暮らしています。その声が大きくならないように。その声を黙らせ

        • 私片「ネコたち。不思議な子たち」3.

          ネコと静かに暮らしています。 ネコたち。不思議な子たち。いつかの様子。 生き物を生かすことは、簡単なことではないけれど、いつも世話が焼けることに、気持ちを支えられていた、そう、いなくなってから気づかされます。 そして、これからも、いろいろなことがあります。 あなたにも。わたしにも。ネコたちにも。 2月22日は、猫の日。 22時22分で、夜も更けていきます。 ネコが寝ておる、わしも寝る。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人 いつかの場面。

          欄外の紙片「料理と暮らす」3.

          いろいろあって、料理と暮らしています。自分で誂えて、自分で撮る。そんな型録。 ブロッコリーの卵ソース和え。 ファルファッレとキャベツのクリーム風味。 オリーブとカリフラワーのサラダ。 自家製のリコッタ・チーズ ハチミツがけ。 フジッリとサーモンフレークのバジルクリーム風味。 知っていることしか知らなくて、出来ることしか出来ないけれど、それでもよいのかもしれないですね。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人

          欄外の紙片「料理と暮らす」3.

          短辺紙文「猫を探す」

          ある日。家のネコたちが2匹、いなくなりました。黒茶のキジトラ猫。黒白毛の猫。ネコたちの写真を眺めて、いなくなった日のことを思い返します。 迷いネコを探す知らせ紙を作って、家の同心円状の500m範囲に配り歩きました。4箇月のあいだ、そうしながら様子をみたけれど、ネコたちは見つかりませんでした。知らせ紙は、3回、配りました。保健所や清掃局にも、届けはありませんでした。 家から100mと少し行ったところに、昔馴染みの小母ちゃんがクリーニング店をしています。クリーニング店は、地域

          短辺紙文「猫を探す」

          紙片「短歌にして詠む」3.

          短歌。気持ちと語の調子。三歌。 「その色は 憂いに射し込む 朱色の陽 夜と混じって 惑いの緋」 「忌むまいと ずいぶん昔に 決めたけど 人の心が それを許さず」 「顔を上げ 雲を眺めて 暮れ見遣る 足元の猫は 私を見つめる」 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人

          紙片「短歌にして詠む」3.

          私片「ネコたち。不思議な子たち」2.

          ネコと静かに暮らしています。 ネコたち。不思議な子たち。いつかの様子。 出来事を遠ざけているつもりでも、いつだって、いろいろなことがありました。 そして、これからも、いろいろなことがあります。 あなたにも。わたしにも。ネコたちにも。 2月22日は、猫の日。 今年は2022年。 22時22分で、夜も更けていきます。 ネコが寝ておる、わしも寝る。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人 いつかの場面。

          私片「ネコたち。不思議な子たち」2.

          欄外の紙片「料理と暮らす」2.

          いろいろあって、料理と暮らしています。自分で誂えて、自分で撮る。そんな型録。 パプリカのトマト煮 ローマ風。 サバとトマトの炒め煮。 牡蠣とチェリートマトのスパゲッティーニ。 カボチャの甘酢風味。 リンゴ入りのケーキ。 気持ちを騒がせるものを遠ざけて、気持ちを閑かにさせるものを、手元におきたいですね。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人

          欄外の紙片「料理と暮らす」2.

          短辺紙文「片頭痛で寝込む」

          片頭痛が起こると、深刻な痛みと気持ち悪さで倒れて、一日中、寝込みます。どうにか動けるようになっても、痛みと気持ち悪さは残っていて、本当に深刻な一日。朝に起きたときから、片頭痛が始まっていることも多々あります。 音や光があると、いっそう、頭痛は酷くなります。処方の片頭痛薬を服用してから、陽射しが入らないようにカーテンを閉め切って、暗く静かなところで横になって、安静にしていなければならないのだけれど、片頭痛は突然に起こって、出掛け先で頭痛が始まると、もう、お終い。駅構内で倒れて

          短辺紙文「片頭痛で寝込む」

          欄外の紙片「本を積む」1.

          本を読んでいると、自分のなかに浮かぶ考え事の言葉が、本に書かれている言葉に置き換えられていって、だんだんと違った気分へ誘導されていくような、そんな感覚があります。 「ミラノの太陽、シチリアの月」。作家は、内田洋子さん。 「男性論」。作家は、ヤマザキマリさん。 「月の部屋で会いましょう」。作家は、レイ・ヴクサヴィッチさん。 「ネコヅメのよる」。作家は、町田尚子さん。 「あもくん」。作家は、諸星大二郎さん。 「誰もいないホテルで」。作家は、ペーター・シュタムさん。

          欄外の紙片「本を積む」1.

          私文「書き置きをする」

          ネットに公開した情報が、データの集合の一片になって、いつまでも保持されることを、とても危ういと思っています。 それでも、残るということを活用させて、こうして記録を作って遊んでいる、とも言えます。 自分に出来ることは僅かしかないけれど、さしあたって、遺したいことを書き事にしたり、遺したいものを写真に写しています。 たとえば、誂えた料理をお題にして、自分なりの料理の準備と手順を書き付けて、写真に撮って。 どれもこれも拙いけれど、それは自分にとって大切なこと、ささやかな物作

          私文「書き置きをする」

          私片「ネコたち。不思議な子たち」1.

          ネコと静かに暮らしています。 ネコたち。不思議な子たち。いつかの様子。 いろいろなことがありました。 これからも、いろいろなことがあります。 あなたにも。わたしにも。ネコたちにも。 2月22日は、猫の日。 22時22分で、夜も更けていきます。 ネコが寝ておる、わしも寝る。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人 いつかの場面。

          私片「ネコたち。不思議な子たち」1.

          紙片「短歌にして詠む」2.

          短歌。気持ちと語の調子。三歌。 「ネコたちが コタツのなかに 住んでいて 冷めた私も 丸く寝ころぶ」 「なにもかも ぜんぶ疲れの せいにして 見るのも待つのも 泣くのもやめた」 「死にたいと 思わない日は 無いけれど ネコが鳴くから 生きているのだ」 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人

          紙片「短歌にして詠む」2.

          欄外の紙片「料理と暮らす」1.

          いろいろあって、料理と暮らしています。自分で誂えて、自分で撮る。そんな型録。 ツナとカリフラワーのスパゲッティーニ クリーム風味。 お米とエンドウ豆のスープ。 フェデリーニのジェノヴァ風 生ハム添え。 スパゲッティーニのアマトリーチェ風。 ナスとミントの甘酢風味。 放っておけることも、ひとつの才能だけれど、放っておけないですね。 -オワリ-   文・写真/スカーラ主人

          欄外の紙片「料理と暮らす」1.

          短辺紙文「DJミックス」

          電子反復音楽、「テクノ」といわれる音楽は、やっぱり愉しい。反復する、電子音の音楽。ミニマル。 そういう反復調子の曲と曲を、途切れないように、曲と曲を混ぜ合わせながら次々と繋いでいって、何時間でも浸っていられる最少で最大の反復音楽を、慎重に構成していく。DJミックス。 延々と聴いていると、気分が良くなってきて、眠くなります。踊りと陶酔の音楽というよりも、テクノ音楽には、もの憂げなところがあって、わたしには、痛みを逸らす没頭の音楽にも感じられます。 テクノ音楽は、波と、うね

          短辺紙文「DJミックス」