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弱い絆「ウィークタイズ」から考える自分の居場所

現在、転勤族の夫と結婚し、新卒から勤めた会社を退職後、専業主婦をしています。
その中で、自分の人生を見つめ直し、自分に何が出来るのか、自分の強みは何なのか、世の中に価値提供出来ることはどんなことかを日々考えながら模索する毎日です。

今日はとあるYouTubeを見ていて「ウィークタイズ」という言葉を耳にし、確かに自分の人生において、そしてこれからの人生においてこの考え方は重要だなと思ったので、そのことについて書こうと思います。

「ウィークタイズ」って知っていますか?
弱い絆という意味で1973年にスタンフォード大学のマーク・グラノヴェッターが論文の中で書いた理論のことです。

この理論では、毎日顔を合わせていたり、家族や仲のいい友人と強い絆でつながる人間関係よりも、適度に顔を合わせる程度の人間関係の方が有益な情報をもたらしてくれるということを述べています。

一瞬そんなことある??と思うかもしれませんが、自分の人生を振り返るとこれは確かにあるな~と思います。


なぜウィークタイズが良いとされているのか


そもそも何故ウィークタイズの方が有益な情報が得られるのかを考えてみると、関係が深い人は関係が深いゆえに、自分のことを良く知りすぎていたり、特性を把握しすぎているからだと思います。

自分の家族は昔からの自分の行動や生活を見ているがゆえに、この子は向いていないのではないか、こっちの方がいいのではないか、など選択する情報が限られてしまう気がします。

その点関係が浅い人は、普段は自分とは異なる人間関係に属していたり、異業種で働いているなど、自分とは異なる発想を持っている人が多いかもしれません。

異なる視点からのアプローチを受けることにより、自分の可能性が広がることがあるんだと思います。

また、親しい友人などは特にそうだと思うのですが、親しいゆえに言いづらかったりすることがあります。
これは実際にわたしが経験したことですが、とても仲のいい友人の恋愛相談を受けていると、「あれ?ちょっとこの彼氏さんヤバいかもしれないな・・・」と思うことありませんか?(笑)

でも、その子のすごく笑顔で嬉しそうに話す顔を見ているとなかなかい言えない・・・
これはその友人とわたしの関係が深いからだと思います。

また、会社の直属の上司や先輩など、今後の関係性を考えると気を遣って話を進めないといけないことってよくあると思います。
そこには利害関係が発生しているため、なんでも気軽に話せるという社風だったとしても、利害関係が薄い人よりは言葉を選びながら話すことになると思います。

また、これはわたしが一番そうだな!と思うのですが、結構重たい話こそ関係の深い人に話すよりも関係の薄い人の方が話しやすかったりします

関係性の深い人は自分のことを本当に思ってくれている可能性が高いため、うかつに重い話を持ち出すことは難しいです。
親身になって聞いてくれることが分かっているからこそ話しづらいこともあります。
その点、同じ内容でもウィークタイズの関係にある人の方が、そこまで重くとらえずにアドバイスをもらえたりすることがあります。
自分もただ自分の中から吐き出したいだけだったのかもしれないと、重い気持ちが消えたりすることもあります。

そう考えると、もちろん自分のことを大切に思ってくれている身の回りの強い絆で結ばれている人たちも大切ですが、このウィークタイズの関係にある人もとても大切な存在だと思います。

また、色々な場所にこのウィークタイズを持っていることで、人生の可能性が増えたり、人生が豊かになっていくのではないかなと思いました。

セカンドプレイスとサードプレイスの混ざり


では、このウィークタイズの関係を築くにはどうしたらいいのか。

それはずばり、サードプレイスを持つことだと思います。

最近サードプレイス(第三の場所)という言葉をよく聞きますが、まさに現代を生きていくにはこのサードプレイスは必要不可欠だなと思います。

ファーストプレイスは自分の家庭。
セカンドプレイスは会社。
そしてサードプレイスはその名の通り第三の場所

家庭でも会社でもない自分にとってのもう一つの居場所

わたしはこの言葉に出会ったのは大学の授業だったので相当前だと思います。その時はファーストプレイスとセカンドプレイスは当たり前にあり、手に入れるものだと思っていました。

今再びこの言葉の意味を考えると専業主婦というのはファーストプレイスしか持っていないんだなと思います。

その時は色々な働き方があることも知らなかったし、で時代が今ほど進んでいなかったので、そこまで深く考えることはなかったのですが、今の自分はセカンドプレイスがなくてサードプレイスは持っている??セカンドプレイスとサードプレイスが混ざりつつある??

こんな現象になっている気がします。

フリーランスをされている方や、複数の仕事をしているいわゆる副業・複業の方たちはセカンドとサードが混ざっているんじゃないかな??と思います。

副業での仕事で広がったコミュニティが自分の一つの居場所になったり、自分の趣味でやっていたもともとサードプレイスだったところから、仕事に結びついてセカンドプレイスになったり。

個人で発信したり稼いだりできる時代になったならではの現象なんじゃないかなと思います。

でもそれだけたくさんの居場所を持つことは、自分の価値感や視野を広げてくれるので良いことだと思っています。

自分のウィークタイズを考える


最後に自分のウィークタイズの関係にある人はどんな人なのかを考えたいと思います。

わたしは、サードプレイスとして持っている大きな存在としてピアノが一番に思い浮かびます。

幼少のころからピアノをやっていて、大人になってからは大人だけを教える先生の教室に入るようになりました。
先日演奏会に参加したのですが、本当に学ぶことが多かったなと感じます。

そこに参加する方は、年齢も性別も、住んでいるところも、職業も家族構成も経歴も、何もかも違う人たちで、でもピアノが好きという共通点で結び付いています。その関係がとても心地いんですよね。

また、最近では料理関係の方と知り合うことが多くなり、そちらでも自分とは違うバックグラウンドを持った人たちに日々刺激を受けています。

こちらも同じく共通点は、料理をビジネスにしたいという志が同じ人たちというところで、他は全く違う人たちばかりですが、ここのコミュニティがあるからどれだけ成果が出ていなくても、同じ気持ちで励まし合えるのだと思います。

また最近では、SNSでの繋がりでも同じようにサードプレイスが出来上がったりします。
わたしは、昔からすごく好きなピアニストの方がいて、その人のファンの方とSNSで繋がりコンサートに一緒に行ったり、地方に住んでいる人でも旅行に行ったりしたときに連絡をしてご飯に行ったりする関係の方がいたりします。

共通の趣味を持っているのは、たまにしか合わなくても話が弾むしお互いの好きなことを話しているのは楽しいですよね。

そして最近は、会社を退職したこともあり、セカンドプレイスが無くなったのですが、ありがたいことに前職の同じ部署だった方たちや、前部署・前々部署の方たち、そして同期たちが、ご飯や飲み会に誘ってくれることがあります。

在籍中であれば、それはセカンドプレイスとしての自分の居場所だったのが、最近は前職の方たちとの関係がわたしのサードプレイスになりつつあります。

今何をしているのかやプライベートなことも話をしたりして、今まではなかった関係を築いているなと感じています。

強い関係だった人が弱い関係になることで話す内容も変わってくる。
これぞまさにウィークタイズだなと思います。

自分の生活の変化によって、居場所の変化、関わる人たちの変化、色々な変化がありました。

このnoteの世界もわたしの中で、ある種一つの居場所だと思います。
そして、noteをやっている人はそういう方が多いような気がします。

これからも、一つ一つのウィークタイズの関係を保ちつつ、変化を楽しんでいきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

シンバ🦁




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