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11. 【読書編】どこまで人事を尽くして、どこから天命を待つべき? 〜『嫌われる勇気』を読んで〜

Buongiorno a tutti!
今回は読書についての記事を書こうと思います!
noteで本について書くのは初ですね。
プロフィールにも書いていますが、僕は読書が好きでその中でも心理学や文化人類学など、環境が人間の思考に及ぼす影響や心が作り出すものに興味があります。

心理学にも数多の学派がありますし、僕自身が学問として修めているわけではないので、素人の一意見として参考程度に読んでほしいのですが、今回はアドラー心理学をみなさんにご紹介したいと思います。

・アドラー心理学との出会い

以前、友人から聞いたアドラー心理学について興味が湧いてきて、色々と本を読んだり動画を見たりしていたのですが、その中で『嫌われる勇気』という本に出会いました。

皆さんもこのタイトルを聞いたことがあるかもしれませんが、こちらはアドラー心理学をもとに哲学者の岸見一郎氏が書いたもので、2020年の時点で世界累計485万部も売れているという大ベストセラーの著書です。

僕は自己啓発系の本やビジネス本はあまり好んで読まないのですが、その理由の一つにタイトルの胡散臭さがあります。

『嫌われる勇気』というタイトルもかなり胡散臭いので、人生の中で読むことはないだろうなと思っていたのですが、アドラー心理学の入門書として中田敦彦さんを初め多くの人が推薦していたので読んでみようという気持ちになりました。
(ちなみに僕はかなりYouTube大学のファンです)

今回は『嫌われる勇気』の中で僕が特に気に入った一文についてご紹介します。
もちろん、この本の説くエッセンスは他にもありますので、僕のnoteを読んで少しでも気になった方はぜひ実際に本を手に取ってみてください!

・ニーバーの祈り

ではさっそくその文について。
それは「ニーバーの祈り」と呼ばれているそうです。

文中では、キリスト教社会で古くから口承されてきた祈りの言葉だと紹介されていましたが、調べてみると詳細は定かではなさそうです。
ただ、神学者のラインホルド・ニーバーという人がまとめたものなのでニーバーの祈りと言われているようです。

作中で紹介されていたのは祈りの一部なのですが、こんな内容です。

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

ニーバーの祈り

アドラー心理学では、「わたし」の管理下にあるもの、管理下にないものを明確に区別し、管理下にあるものを変えていこう(めちゃくちゃざっくりした説明)という考え方が骨子の一つとなっていますが、このニーバーの祈りはそれをとても端的に捉えているように思えます。

「わたし」の管理下にないものを受け入れる力を、「わたし」の管理下にあるものを変えることができる勇気を、そしてその二つを区別する賢さを与えてくださいという、人生にとってとても大事なことを伝えてくれています。
(僕はキリスト教信者ではないので、それらが神様から与えられるものなのかについては分かりませんが。。)

あなたの人生であなたができることは何か

管理下にないものを受け入れると言うのは、ある種の諦めも含まれているように感じてしまうかもしれませんが、自分にはどうにもできないことは実際にこの世にたくさんあります。

すごく下世話な例になりますが、あなたがもし片思いの相手に振り向いてほしいと思っても、その人が振り向くかどうかを決められるのはあなたではありません。決めるのはその人自身なのです。

もちろん、あなたの努力で補うことができる部分もあります。全てを諦める必要はありません。
好きになってもらうよう努力することはとても正しいことです。
しかし、自分ができることには限界があるのです。

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、ベストを尽くすことができるのはあくまで自分の変えられる範囲です。
それ以外は天命(自分の意思の及ばない範囲)に任せるしかないのです。

仕事でも恋愛でも家族関係でも、対人関係は必ず必要になります。
アドラー心理学は幸せに生きるために必要な何かを与えてくれると僕は思います。

さて、初の読書編、いかがだったでしょうか?
少しでもみなさんの読書欲・知識欲を掻き立てられていれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました。

Grazie mille e alla prossima volta!

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