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人間は光から生まれてきた

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記事一覧

コロナウィルス禍とインパール作戦、 ビルマ戦線からの連想(1)

九州の過疎地に住んで、テレビのない生活をしていると、今は山菜シーズンで、ツワブキ、イタドリ、タラの芽を食べて、春を楽しむことができる。

しかし、コロナウィルス禍によって、妻の仕事はすべてキャンセルとなった。この先、どうやって食べていけばよいかと悩んだ末、今朝はハヤトウリの種(実)を庭に蒔いた。食べるものさえあれば、気分は明るくなる。

妻は日頃できない練習(彼女はトランペット奏者なのだ)をし、私

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人間とは、文化的生き物ではないのか?

人間とは、文化的生き物ではないのか?

別府・鉄輪温泉の真ん中を通る、いでゆ坂。

そのいでゆ坂の真ん中あたりに、大型ホテルに大衆演劇の劇場を併設したヤングセンターがあった。

田植え後や稲刈り後に、農家の人たちが、骨休めのために数日間湯治して、大衆演劇を楽しむ場所でした。

そのヤングセンターが、今年3月末に閉鎖されました。寂しいことです。

私は昨年ゴールデンウイーク開けに、当地を訪れてくれた友人と、ヤングセンターの芝居を見ました。

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マシン→マン インターフェイスとしてのPDF

或いはコンピュータから脳への入力方法について

来週月曜日(3月9日)のデジタル言語学連続セミナー第6回の準備をしている。

インターネット上に、たくさんの電子図書館があって、無料で古典から最新の論文までダウンロードできる

このサービスについて、もっと宣伝してくれないのかと思う。サプライサイドである電子図書館側は、自分はあくまで図書館として、蔵書を電子化してるたまけだから、ことさらに宣伝する必要

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電子図書館の可能性

かつて大学図書館で閲覧し複写した貴重な学術書(ジョン・フォン・ノイマンのコンピュータ関連の文章)が、インターネットアーカイブという電子図書館で無料でダウンロードできることを最近知った。

インターネットは、過去の研究者たちがこれまでに書き著した成果を共有する所まで進化したのかと嬉しくなった。

しかしながら現在活躍中の研究者たちは、膨大なネット上の図書館に興味ないのか、古典的著作の利用例はあまり見

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意味のメカニズムとの対話から、バイオスクリーブハウスへ

意味のメカニズムとの対話から、バイオスクリーブハウスへ

荒川がこの世にいなくなって、自分にできることは、「意味のメカニズム」と向かい合って、そこに描かれている図式のなかにのめり込むことだった。

東日本大震災が起きた2011年12月のマイルストーンのコラムは、光にまつわるものだった。

https://www.milestone-art.com/MILESTONES/issue130/htm/p17tokumaru.html

文字通り手探り状態で、意

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もう美術館の時代は終わった

もう美術館の時代は終わった

2010年に荒川修作がこの世を去ったとき、私はもう一度インタビューしたいと思っていながら、申し込まないままになったことを悔やんだ。

いろんな人が荒川さんと対談やインタビューしてるけど、否定的なものも多く、荒川さんのことを理解するための質問もほとんどみられない。

美学に苦しめられたことのない、ということはつまり、外見上・うわべだけ取り繕った現代アートばかりをみてきた日本人が、荒川を理解することは

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天命反転とは、美学と戦うことだった

天命反転とは、美学と戦うことだった

毎日書こうと思っていたのに、5日ほど休んだのは、荒川修作が1997年に話してくれたことを、読み返していたためでもある。

これはあまりにもったいないから、電子情報通信学会のIBISML研究会に提出している。(2011年6月の信学技報)

ニューヨークに会いに行った私に、荒川はまずどうして天命反転のようなことを始めたのかを語ってくれた。

それは美学から芸術を解放するためであり、魂は神様から頂くから

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オブジェを美術作品と勘違いしている現代アート作家と観客がいるのではないか?

オブジェを美術作品と勘違いしている現代アート作家と観客がいるのではないか?

現代アートといえば、マルセル・デュシャンの「泉」(1917年)が有名である。

台の上に、男性用少便器の朝顔を横にして置いた展示。これがアートで通るなら、何をやってもアートになる、くらいの意識改革を、観る側と創る側にもたらしたと思われる。

現代アートの作品は、オブジェと呼ばれるが、それはなんでもテキトーに置いてもまかり通る。

本当は、まるで違うのだ。

現代アートは、「作品(ピエス、ピース)」

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ことばは、太陽光のようであるべし

ことばは、太陽光のようであるべし

荒川修作の『意味のメカニズム』の図式絵画には、必ずことばが書いてある。絵として見ていると、気にかけずに飛ばしてしまいがちなことば。でもそれにこだわると、大事なことが書いてあるとわかる。

バイオスクリーブハウスには、ことばはない。ことばに代わるものとして、私がいて、あなたがいる。

晴れた日、曇りの日、夜明け前から朝日、日中、夕方にかけて太陽が移動するにつれて、光と木の影が、ある時には力強く、ある

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荒川修作の最高傑作バイオスクリーブハウスから

バイオスクリーブハウスに来て、8日目。

外壁の清掃は終わったけど、建物の内部には入れてもらえない。

Wi-Fiで荒川修作の講演を聴き、暖かな日だまりで過ごす。

昨日よりも気温が5度くらい低い。

ここに来てから、毎日バイオスクリーブハウスの周りを散歩し、掃除しているけど、我々の他にここに来る人はいない。

昨日、近くのスーパーマーケットで、店のオーナーと話をしたとき、彼はバイオスクリーブハウ

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12月18日午後3時 バイオスクリーブハウスに着くと、雪だった

12月18日午後3時 バイオスクリーブハウスに着くと、雪だった

僕と妻は基本的に晴れカップルで、旅行に行くと、いつも暖かくて天気がいい。

今回も12月18日朝9時半にJFK空港に着陸したときは快晴で、ゴキゲンだった。

空港の近くに住んでいる日本人ご夫妻(ご主人と仕事仲間だった)とランチをして、いざイーストハンプトンに向かって走り出したあたりから、だんだん雲行きが怪しくなり、バイオスクリーブハウスは雪の出迎えをしてくれた。

そういえば、去年4月に、『道元を

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バイオスクリーブハウスの壁の洗浄(2日目 続き)

バイオスクリーブハウスの壁の洗浄(2日目 続き)

真冬のニューヨーク、いやクリスマスイブは雪景色ではないかと危惧していたのだが、とても暖かい。

トイレ休憩(バイオスクリーブハウスのトイレは使わせてもらえないので、5分ほどドライブして、ダマークスというスーパーのトイレを借りた)して、チョコレートで元気をつけて、残りの北向きの壁の洗浄をした。

湿気が多いからか、緑色の苔がついていて、なかなか取り除くのが大変。

モップで濡らして、デッキブラシでこ

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バイオスクリーブハウスの壁の洗浄(2日目)

バイオスクリーブハウスの壁の洗浄(2日目)

12月24日現地時間午前10時30分

ニューヨーク州イーストハンプトン滞在7日目。今日も日の出前にホテルを出て、バイオスクリーブハウスに来た。

昨日から外壁の洗浄をしている。

今朝は、モップで濡らしてから、デッキブラシでこする作業を3時間やって、今コーヒー休憩。

適宜脚立を使って、高いところも洗っている。

この赤いところは、北に面してるためか、塗装が一部剥がれていた。作業で傷つけないよう

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ニューヨーク州イーストハンプトンで、荒川修作の遺作の大掃除をする

ニューヨーク州イーストハンプトンで、荒川修作の遺作の大掃除をする

12月18日に日本からニューヨーク州イーストハンプトンに移動しました。その日は雪で家の周りはうっすら白かった。

荒川修作の遺作バイオスクリーブハウスが、取り壊される、売却されるという噂は、数年前からあり、遠く日本に住んでいても気になって仕方なかった。

現在の所有者であるアンドリュー・マクネア氏に問い合わせても、さっぱり要を得ない。

私は2012年初夏に、当時まだ健在だった荒川修作のパートナー

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