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【読書note】転職を考えるあなたに贈る、戦略的思考のススメ『転職の思考法』 vol.1

こんばんは、芝本です。

いきなりですが、あなたは転職をしたことはありますか?
実は、ビジネスパーソンの2人に1人は転職をしたことがあるというデータがありますが、今の時代はそれくらい転職が当たり前になりました。

ボクも何度か転職をしましたが、特に1社目から2社目への転職が一番悩みました。めちゃくちゃビビっていたことを覚えています。

なぜ、転職をすることに恐怖を感じていたのかというと、「初めての意思決定だから」と下記の本には書かれていました。

君は自分で大学を選び、就職先も自分で選んできたと思っているかもしれない。しかし、それは、ただ単にこれまでのレールの上を歩いてきただけで、自分で何も決めていない。(省略)意味のある意思決定というのは必ず、何かを捨てることを伴う。これまでの人生で、そんな決断をしたことがあるか?

出典:このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法(P.25)

いや、とても辛辣。ただ、仰るように確かにそんな決断をしたことはなかったです。周りに流されて大学に進学し、周りに合わせて就職活動をスタートさせました。痛みを伴う意思決定をしたことがなかったから、初めての転職の時にめちゃくちゃビビっていたんだととても納得しました。自分の意思でなにかを手放すことになるからこそ、めちゃくちゃ怖いというカラクリだったのですね。

しかもボクに関しては、中学から大学まで私立に通わせてもらい、両親が多額の学費を掛けてくれたからこそ、その投資分が非常に大きく見えてしまい(いや、実際にも、死ぬほど大きいです。)足を留めていたということ。「本当にこれで良かったのだろうか?」というモヤモヤが付き纏うことも目に見えています。

けど、当時のボクは名古屋転勤というきっかけを会社からもらい、転職を決断しました。結果的に、転職をして良かったと心底思っていますが、『当時のボクと同じように恐怖を感じている人にこの内容が届けば良いな』という思いで記事を執筆しました。ぜひ、ボクのことだと思った人は読み進めていただければと思います。

転職の本質は「市場価値」を上げること

いきなり結論ですが、転職とは自分の「市場価値」を高めて、いつでも転職できる状況や、どこでも活躍できる状態を創るということではないかなと考えています。(※書籍の中ではマーケットバリューと表現してますが、その表現をしている自分を想像すると虫唾が走るので、市場価値と表現します。)

市場価値とは、今の会社での価値ではなく、世の中からみた自分の価値のこと。会社が自分を労働力として、いくらで買い取るのかということですね。その市場価値を測るモノサシは3つあります。

市場価値を構成する3つのモノサシ
 ❶技術資産
 ❷人的資産
 ❸業界の生産性

❶技術資産

技術資産とは、世の中的に価値のある技術のことですね。この技術資産は、「専門性」と「経験」に分けることができます。転職活動を考えだしたタイミングでは、この技術資産の棚卸しがとても大事になります。「専門性」はいままでどんな仕事を行なってきたのか、職種に近い考え方ですね。

ちなみに、ボクの専門性は、
 ・無形の法人営業
 ・新規開拓の営業

一方で、「経験」とは、職種に紐づかない技術のことです。営業職だから絶対にマネジメントができるという訳ではないですよね。そして、「経験」において大切なことは、他の会社でも展開可能かどうか。他の業界では展開不可の場合は、技術資産には成り得ないということです。

ちなみに、ボクの経験(=職種に紐付かない技術)
 ・会社経営
 ・チームリーダー、チームマネージャー(30名ほど)
 ・会議のファシリテーター
 ・チームビルディング
 ・IT、広告、人材の業界経験

改めてボク自身も棚卸しを行いましたが、こんな感じでしょうか。20代の時は、ひたすらに営業をし続けました。そして、30代になってから法人化をし、チームリーダーとして仕事に取り掛かったり、会議の司会進行などもしてきました。著書でも書いているように、20代は「専門性」を磨き、30代で「経験」を積み上げていくことが技術資産を高めていく方法です。

GoogleやchatGPTなどで「専門性」に関してのインプットは極めて簡単になりました。しかし、本当に重要なプロジェクトは、エースプレイヤーにアサインされるケースが多いです。だからこそ、特に20代では「専門性」を磨きまくり、実績等で抜きん出る必要性がありますね。「専門性」を突き詰めた人にチャンスが舞い込み、それが他の人との差別化に繋がります。市場価値はレア度で上がっていくので、そういう視点では「経験」は自分の市場価値を上げるためにとても大切な要素になります。

さらに、女性に関しては20代で「専門性」を高めておくことがより大切になります。理由は、妊娠出産育児などで現場を長期間離れることが多いから。復職する際には、「専門性」は極めて大事で、これに関してはとてもシビアな現実という訳です。

❷人的資産

人的資産とは、人脈のことですね。
ただし、単なる繋がりのことを言っているのではなく、「あなただから応援します」とか、「あなたに仕事を発注したい」など、仕事が変わったとしても変わらずに応援してくれる人がどれだけいるのかが、ここでいう人的資産になります。

ビジネスの世界を見ると、優秀な人ほど意外と、あの人が言うからやろうとか、あの人のためなら一肌脱いでもいいとか、『貸し借り』で動いているからだ。もちろん、それは自分にマーケットバリューがあることが前提だがな。つまり、キャリアとは20代は専門性、30代は経験、40代は人脈が重要なんだ。

出典:このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法(P.45)

上記の根拠はどこにあるのか分かりませんが、そういう人が多ければ多いほど、自分の仕事の業績にプラスに働くことは間違いないでしょう。実際に、キャリア支援の仕事も全てが紹介で回っているので、人的資産の価値は30代でも十分に体感しています。

❸業界の生産性

市場価値を決める最大の要素は、業界の生産性だと書かれています。
その業界で働く人が、一人当たりどれくらいの価値を生み出しているのか。つまり、一人当たりの粗利がどれくらいなのかが大事みたいです。

粗利とは、給料の原資となるので、生産性の高い業界は給料が高いということになりますね。まあ、前述した2つの要素と違い、ボクはあんまり理解していないですが、伸びている業界で働くことが市場価値を高めるためには大事ということですね。

いつでも転職可能な状態をつくることの価値

昔と比べて転職が当たり前になった現在は、人材の流動性もとても高くなりました。
転職しようと思えばいつでも転職できる人が多い組織と、転職したくてもできない人ばかりの組織。どちらが組織として盤石かというと、当然前者ですよね。つまり、いまの時代は前者のような市場価値の高い人材に対して、働きやすさを提供する会社の姿勢がとても大事です。

例えば、会社が窮地に立たされた時、市場価値が低く転職が難しい人材ほど、いまの会社にしがみつこうとします。他人を蹴落としてでも、自分がいまの会社で生き残ろうとする人材は、少なからずいるのではないでしょうか。そして、こんな人材を残してしまう会社であれば、どこかで見切りをつける必要があると思います。極論でいうと、その会社に居座る意味がない。つまり、いつでも転職できる状態を作ることは、理想の働き方を実現するためにとても大事です。

組織にいると、給与は当たり前のようにもらえるものと勘違いをする。そして大きな会社にいる人間ほど、実力以上の給与をもらっていることが多い。その中の多くの人間は、会社が潰れそうになったり、不満があると、すぐに社長や上の人間のせいにする。だがな、勘違いするんじゃない。君が乗っている船は、そもそも社長や先代がゼロから作った船なんだ。他の誰かが作った船に後から乗り込んでおきながら、文句を言うのは筋違いなんだよ。
(省略)
金を稼ぐ力を身に付ける。それしかないに決まっているだろう。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法(P.76)

ここでも非常に辛辣なことが書かれていますね。ただ、独立や起業を通して自分で金を稼ぐつもりがないのであれば、少なくとも自分以外にベクトルを向けるのではなく、市場価値を高めておくことで最悪の事態は回避できそうですね。

転職を通して自分の「市場価値」を高めるためには、会社選びは大切になってきます。ちなみに、書籍には下記の3つのポイントで会社を選択することが大事だと書かれていました。

❶、市場価値が上がるかどうか
❷、働きやすいかどうか
❸、活躍の可能性があるかどうか

ただ、個人的な意見として、選考に出てくる面接官をみても、「❷、働きやすいかどうか」なんて、会社に入る前には分からないって思ってます。一方で、「❸、活躍の可能性があるかどうか」は、面接中に下記の質問を通して判断できることもあります。

1、どんな人物を求めていて、どんな活躍を期待しているのか?
2、今いちばん社内で活躍し、評価されている人はどんな人物か?なぜ活躍をしているのか?
3、自分と同じように中途で入った人物で、今活躍している人はどんな部署を経て、どんな業務を担当しているのか?

この質問を通して、自分の活躍の可能性がイメージできれば、活躍の可能性はあるということです。つまり、技術資産を高めていくための「経験」もできるので、市場価値も上がっていくということになりますね。

上記の記事でも書かれていますが、2023年度の人材ビジネス業界は前年度比7.8%増になる見込みです。さらに、ホワイトカラー職種の人材紹介業市場が3,510億円で、前年対比で18.6%増です。

業界が右肩上がりで採用数も増えているので、転職しようと思えばいつでも転職できる人には追い風ですね。

今日はここまで、最後まで見ていただきましてありがとうございました。


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