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28歳独身女が単身ドイツ移住を決めた理由

ドイツの企業で働き、お給料をもらい、
ドイツで家を借りて、そのお給料で、家賃光熱費の支払いを行い、一人で暮らしている。

休暇の際は、ヨーロッパ中を一人で駆け巡り、
休日は公園で散歩する。

なんてたくましいのだろうか。
自分がこんな生活を送ることになるなんて一年前は、一ミクロンも想像出来なかった。

私が日本からドイツに移住した理由は、自分に自信をつけるためだ。
日本にいたときは実家暮らし、大手企業で事務職だった。

経済的に困ることはまずなかった。
実家にお金を入れていなかったので、毎月お金が入ってくることはあっても、家賃のようなまとまったお金が出ていくことは無かった。

だから、シャネルのリングを買ったり、ブランドのもののバッグをいくつか買ったりもした。
しかし、まったく満たされてはいなかった。
自由という感覚がなかった。

実家にいるので経済的に自立していないという負い目を感じていた。
典型的な日本企業に勤めていたので、有給はほぼ取れず、入社以来、海外はおろか、大好きな旅行とは無縁の生活を送っていた。(これにはコロナの影響もあるが)

毎日働いて、家に帰って、ストレスを紛らわすためにブランド物を買うか、ヨガ教室に通う。こんな老人のようなルーティンに耐え切れなくなったのも海外移住を決意した理由の一つである。

刺激が欲しい。
もっと苦労したい。
自分の世界を広げたい。
移住を決意した理由はたくさんあるが、一番の理由は自分に自信をつけて、自分を愛したかったからだ。

移住を決意した時の28歳という年齢は、決して勢いだけで行動できるような年齢ではなかった。
同級生の大半は結婚しており、なかにはマイホームを購入している者や、子どもを授かっている者もいて、人生に落ち着きが出始めてくるような歳だ。
それに引き換え、自己肯定感が低いせいで、結婚はおろか恋愛さえ難しかった。まずは自分に自信をつける必要があった。自己肯定感が低いままでは、このまま私の人生は何も進まないという思いが漠然とあったのだ。
そのために、何かしら大きなことにチャレンジをすることが必要だった。

海外移住へのチャレンジは、人生のちょっとした寄り道だはなく、避けては通れない道だった。

決意してからは早かった。
運が良かったか、とんとん拍子に話が進み、昨年の秋よりドイツ企業で採用が決まった。
住宅不足と言われるハンブルクでもあっさり家が決まった。
大学ではドイツ語を専攻していたが、仕事で使うこともなく、ずいぶん埃をかぶっていたので、取り戻すのに苦労した。

最初は苦労が多かった。自信をつけるために来たのに、言語が伝わらないゆえの劣等感に日々悩まされ、自己肯定感は日々削られていった。
食べ慣れた日本食が身近ではなくなったことも辛かった。
欧州特有の寒くて暗い冬にも悩まされた。

ようやく初夏を迎えた今では、少しずつ生活に馴染んでいるという実感がある。語学的にはまだまだだが、自分を誇らしく思えるようになってきた。
美しい気候のおかげで気分もいい。
会社からは病欠とは別に30日の有給休暇を付与されているうえ、欧州各地へのアクセスがよいので、ヨーロッパ中旅行し放題だ。
これは日本企業とは大きな違いだ。

20代はいろんなことにチャレンジしたい。
苦労したい。
いろんな景色を見たい。
いろんなところに行きたい。

足腰が丈夫で、
目がしっかり見えて、
耳も聞こえて、
胃もたれもせず、
少しだったら無茶できる20代。

そんな今の自分にとって、
今のこの環境は最高そのものだ。

日本が恋しくないといったら嘘になる。
しかし、いま自分がドイツで働けている喜びを味わうことの方が幸せへの近道だろう。

この機会を100%活かし、
人間的に成長したい。

そして自分で自分を誇れるようになりたい。


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