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ビフォア・サンライズ

私も「理性ある大人の判断」というものを気にしがちなので、 すごい刺さった。 「今後一生会わないか、今結婚するかなら、結婚するを選ぶよ」 という言葉にハッとさせられた。 あの二人の空気感なら乗り越えていけるのではないかと思う反面、 やはり一夜だけの関係の方が良いのではないかと思ってしまう一言だった。 物事をメタで捉え、自分の考えを持っている人と出会ったことが 私も何回かある。 そういう人との会話は、とても楽しく「出会い」の素晴らしさを実感させてくれる。 自分は素敵な出会い

    • ロスト・イン・トランスレーション

      まず、スカーレット・ヨハンソンの尻から始まるオープニングは 数ある映画の中でもトップレベルのお気に入りです。 ピンクの透けたパンツに強烈な印象を受けました。 流れは穏やかですが私は退屈せずに見ることができました。 一番この作品の好きなところは、影の使い方です。 アメリカから日本に来て、寂しさや絶望にくれている主人公の心情を影を使ってうまく表している印象がありました。 暗闇から光がある場所へ出てくるという表現があまり見られず、逆に光のある場所から暗闇へ移動しているシーンが

      • 花束みたいな恋をした

        菅田将暉への嫉妬心を何とか抑えながら観終えることができました。 対人関係を保つには人と人を繋ぎ止めておくもの、 「枷」が必要だと考えます。 1年間同じクラスで仲の良かった友達がクラス替えで別のクラスになると、遊ぶことが減るという現象は多くの人が経験したことがあるでしょう。 この現象は同じクラスで過ごすという枷が外れたことにより起きる現象です。 恋愛においてもこの枷をどうはめていくかが結末を左右します。 私の思う一番重い枷は「子供」だと考えます。 人間は共通の目的のため

        • キャッチミーイフユーキャン

          これまたレオナルドディカプリオです。 トムハンクスとのダブル主演にも関わらず彼はまたベテランを喰いやがりました。 悔しいので、「トムハンクスの胸を借りた」と言っておきましょう。 とんでもねぇ野郎です。羨ましい。 何と言ってもスピルバーグフィルムですよ。 非常に面白い。 にしてもFBIはガバガバすぎませんか。 飛行機のトイレから外へ脱出してしまうようなクレイジーボーイを雇うんですから。 アメリカっぽくて好きですが。 追いかけ合い構成の映画はいですよね。 私の好きなジャンル

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          イェスマン

          行動を起こす理由はイェスと言えとセミナーで言われたから。 何とも馬鹿らしい理由だが初めはそれでいいんだなぁとポカポカしました。 酔った勢いでグリニッジ天文台の周りをを走りながら自撮りするシーンが面白すぎてしんどかったです。 振り落ちの大切さを改めて認識させられました。 お笑いで使われがちな言葉ですが、映画にも大切な要素だとジムキャリーたちが教えてくれます。 にしても振り落ちとはいい言葉だと思います。 とても普遍性があり素晴らしい教訓です。 ジムキャリーの顔の柔らかさは

          イェスマン

          君に読む物語

          序盤に恋の結末とアリーの認知症を明かすことで、中盤に描かれる恋仲の二人が輝けば輝くほど泣けてくる構成。 上流階級の女と貧しい男の恋物語の二代巨頭の一つだと思う。 個人的にタイタニックの方が好きだ。 ライアン・ゴズリングの演技は昔からよく真似をする。 僕の中で王子様といえば彼だ。 彼の口の形が大好きだ。何ともいえない「へ」の字。たまらない。 こういった、ただただ素敵な物語は嫌いではない。  中途半端に世の中を斬っている物より断然好きだ。

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          ギルバートグレイプ

          愛する家族が原因で本来自分が目指していたものを目指せないという葛藤。変わらない日々に一人の女が加わることで変化が生まれる。 非常に面白い作品だと思う。 私の参加した作品は完全に本作と同じコード進行を使っている。 だが本作同等、いやもしくは本作以上の面白さになっている。 しかし、不安要素をあげるとしたら、私の演技だろう。 おそらく私はレオナルドディカプリオの立ち位置にある。 一年前はレオナルドディカプリオと比較される日が来るとは思ってもいなかった。障害の度合いが全く違うと

          ギルバートグレイプ

          ボーイズ・ライフ

          ロバートデニーロを喰いにかかっているレオナルドディカプリオの恐ろしさは凄まじい。 レオナルドディカプリオは恐ろしい。恐ろしい。天才だと思う。 ディカプリオのコネでチョイ役で頑張っていたトビーマグワイアも好きだ。 もはや「かっこいい」「イケメン」という世間が向けがちな彼への印象は無くなった。今は怖い。 最近レオナルドの出演作を漁っっているが、 彼のすごいところはその年代にしかできない役柄をほぼコンプリートしていることだと思う。 ロバートデニーロに関しては言うまでもない。

          ボーイズ・ライフ

          ブラッド・ダイヤモンド

          とても面白かった。 女性ジャーナリストの登場人物を使って、人間の当事者意識についても言及している。 目の前で大量に人が殺された後、その死体に近づき必死にシャッターを切るシーンがこの映画の個人的ハイライトだった。 昨今流行っている所謂「切り抜き動画」でこのシーンだけ切り抜き掲載すると、「ハイエナかよ」「曲がった正義感」などの言葉で批判されるだろう。 しかし、彼女はこの悲惨さを伝えるには撮るしかないという。 私に彼女の行動は「かっこいい悪足掻き」に見えた。 彼女自身も最

          ブラッド・ダイヤモンド

          私の男

          最初の方の銀行でのシーンの構図は非常に好みだった。 画面の真ん中にズドーンと机を配置することで出る綺麗な遠近感が美しかった。 全体的に見るとセリフの量が少なく感じた。 絵で説明する映画が好きなことに気付かされた。 全体を通して撮り方が上手いなぁと思った。 何度でもいうがラブシーンは大嫌いだ。 アンハサウェイとジェイクギレイホールが主演のセックスを主軸に置いた「ラブ&ドラッグ」よりもラブシーンが長い。 尺稼ぎですか?と言いたくなる。 ちなみにラブ&ドラッグは好きだ。 ス

          彼女がその名を知らない鳥たち

          怒涛の終盤には息を呑みました。 気になった点は二つあります。 一つ目。 動きがダイナミックでない日本人は、引きの長回しに耐えるのが難しいので、カット数で魅せるのは仕方がないことではあるのですが、無意味なカット割が多い気がしました。 さらに、カット数が多い割に、スローなため若干序盤に眠くなりました。 カット数を多くするならスピードが必要です。 その極端な例がシンゴジラだと思います。  二つ目。 関西弁の違和感です。 彼らの関西弁の違和感は「関西弁すぎる」というところから

          彼女がその名を知らない鳥たち

          あの娘は知らない

          福地桃子さんの透明感がヒシヒシと伝わってくる映像が素晴らしかったです。 無音の使い方が勉強になりました。 映画館で無音の状態が続くと、観客は音を立てない様にする為、自然と呼吸が浅くなります。 「無音によって観客に物理的な息苦しさを与え、福地桃子さんの夢の中とリンクさせる」という、 古典的ながら無理なくこの技法を使っているところが私は好きでした。

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          メランコリック

          このテイストで素敵な終わり方をする作品は珍しく、とても面白かった。 あの入り方をする映画は大体誰かが死んで、フワッと嫌な雰囲気を含んだ終わり方になりがちだがそうではなく、最後は皆が前を向いていくというのはカウンターを食らった感じで惚れた。 東が可哀想と映るか、自業自得と映るかが観る人の価値観によって違う部分だと思う。 起承転結がハッキリしてて左上に「転」「結」と幻で見えるような感じだった。 非常に見やすく、 「この瞬間がずっと続けばいいと思える瞬間のために生きる。それ

          メランコリック

          さよならくちびる

          とても最高でした。こういう終わり方がやはり好きです。 2人の関係性の描く量が個人的には適度で見ていて気持ちがよかったです。正直途中で間伸び中かな?と思う時もありましたが、それも良いと思えるような終盤でした。 あいみょんっぽくね?と思って調べたらあいみょんだった時嬉しかったです。

          さよならくちびる

          きみはいい子

          子供と親の関係性を考えさせられました。 宿題でハグされてこいと先生が言うと子供たちは嫌がりながらもハグされてくるというところから、子供の親への愛を感じました。 しかし、物語中ずっとパチンコオヤジの子供の不穏な空気が付き纏っています。 それによってホッとはできないところが良いなと思いました。 私はあの子はハグもされてなければ、どこかに引っ越したのだとストレートに予想します。 ハグはいいよなと改めて思いました。 恋人とする好きな行為ランキングでは私は圧倒的にノーマルハグが

          きみはいい子

          朝が来る

          非常に面白かったです。 こういうワクワク感の出し方もあるのかと勉強になりました。 主要な登場人物たち一人一人にフォーカスして描くにしては とてもまとまっていてスムーズ過ぎて好きです。 中学生という性に目覚める時期の恋愛は非常に危ういなと感じました。 妊娠させてしまった男の子が悪いとは言えないもどかしさが面白いです。 妊娠した女の子が悪いのかと言われるとそんなわけなくて。 子への指導が疎かだったと彼らの親を責める事もできない。 不条理感のある映画は好きです。 あまりに

          朝が来る