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BOOK

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本との出会いを忘れないための備忘録。
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【本】1ミリの後悔もない、はずがない

【本】1ミリの後悔もない、はずがない

イカを捌く場面から始まる。なんとイカの中から同じ大きさの魚がずるりと落ちる。堰き止められていたものが流れ出る。イカの中身も感情も似た形状をしているように感じた。ふとした瞬間に過去の記憶がずるりずるりと頭の奥底から流れ出る。止まらない。落ちていく。

私が思い出したのは、餃子の彼のこと。ままならない気持ちを抱えて悶々と過ごした夜。どうしようもなく恋い焦がれていたこと。色男な彼が私を求めて、手を伸ばし

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【本】うつくしい人

【本】うつくしい人

夏の暑さで一日に読める言葉の量が激減してしまった。その中でズズズと引き込まれるように西加奈子さんの本を読み終えた。もう一度、じっくり読み返したい一冊。

「他人の目を気にして、誰かに羨まれる自分でなくては」とがんじがらめになる主人公。息が詰まって読みすすめる気持ちが何度も挫けそうになった。それはきっと、自分を重ねたから。この数ヶ月でだいぶ緩んだけれど、自分で自分に多くの枷を課していた気がする。

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【本】読書記録 七月

【本】読書記録 七月

食わず嫌いならぬ読まず嫌いになりがち。新しい世界に飛び込むのは何でも勇気が要る。角田さんの本から気になった二冊を読んだことで、弾みがついた。いつもなら図書館や夫の実家の本棚で流し見してしまう本。えいや!と思い切って借りてみた。せっかく時間があるのだから、貪欲に軽やかに本との出会いを楽しもうと思う。
目次は読んだ順に。生きづらさを感じながらも目の前の日々に立ち向かう登場人物が多めのラインナップとなり

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【本】読書記録 六月

【本】読書記録 六月

今月はまだまだ読書に勤しみそうですので、ここいらで一回書き残しておこうと思います。読んだ本と読後感を合わせて残しておく形が気に入りました。お時間がある方はお付き合いくださいませ。今回は和歌もあります。夏が近づいたからかアルコールに惹かれています。

凪に溺れる

夏が近づくと海にまつわる本が読みたくなるのは何故だろう。何かが変わるかもしれないという予感。それが叶わなかった時の絶望。きっと誰もが心の

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【本】黙々と本を読んでいた数日の記録。

【本】黙々と本を読んでいた数日の記録。

お久しぶりです。あれほどあった「投稿したい!」という気持ちが消えてしまって数日。代わりに図書館で借りてきた本を貪るように読んでいました。覚えている本だけ、ここに残しておこうと思います。フワフワと軽いものは少なく、心の芯がじりりと焼けるようなものが多めです。そしてトップバッターは漫画です。個人的なコメントばかりなので、流し見程度にご覧くださいませ。

デスノート

読んでも読んでも終わらない、大ボリ

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