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パーソナリティ障害について-生きづらさを抱えている人|種類|原因|対策-

こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂き、ありがとうございます。

今回は長編となります。テーマは【パーソナリティ障害】です。

○はじめに

生きづらさを感じたことはありませんか?

いきなり重たい出だしで恐縮なのですが、僕は正直申し上げてあります。

毎日ではありませんが、「なんて理不尽なんだろうかこの世の中は」と思うことがあったりします。

もし、あなたが同じようなことを思うことがあれば、それはあなただけはないかもしれません。

・孤独で傷つきやすくて、空虚感を抱えている

・何かに夢中になっているときは気にならないけど、それがなくなった時に急に空虚感が襲ってきて飲み込まれそうになる

・本当はもっと人と関わっていきたい、でもうまく人とコミュニケーションを取ることができない

・本当はもっと人のことを好きになりたい、愛したいと思っているのに、うまく人を好きになれない、愛せない

こんな感じで、生きづらさや悩みや不安を抱えて生きている人、苦しんでいる人は多いのではないでしょうか?


ちなみに、最初から僕はこんな客観的に考えることはできませんでした。

他人とコミュニケーションを取るにあたり「なんでこんなに意思疎通ができないんだろう」「なんでこんなに分かり合えることができないんだろう」というところからスタートしました。

「世の中には、自分の頭をどんなに捻っても理解できない人がいるんだ」と思うようになったのです。

僕はそれまで「コミュニケーションを取れば、人は理解し合えるものなんだ」と思っていたのです。価値観の相違があったとしても、共感はしなくても「こういう人もいるんだな」くらいに思えて、その人の考えを受け入れることができるのだと思っていました。


でも、先ほどもお伝えしたように、世の中にはどんなに頭を捻っても理解しえない考えを持つ人がいる、なぜにそんな考えをするのだろう、どうして平気で人を簡単に傷つけることができるのだろうかと思える人もいることを学びました。


ただ、僕は自分のことばかり考えていました。

「なぜ」「どうして」と自分の基準で物事を考えていました。相手の基準で考えることをしていませんでした。

それは自分に余裕がなかったから、客観的な視点で考えることができなかったからなど色んな理由があるのですが、世の中にはこのようなタイプの人がいるんだと思い、その属性の勉強をしました。

その結果、僕は「パーソナリティ障害」というものがあることを知りました。

後ほどにもお伝えいたしますが、パーソナリティ障害とは、偏った考え方や行動パターンのために、色々な場面(仕事、プライベートなどいたるところ)でトラブルを起こしてしまう場合です。

僕は、このようなタイプの人がいることを全く知らなかったので、なんでこんな性格が悪いんだろうかという「性格」の問題だと思っていました。


でも、そうではなかった。


パーソナリティ障害と一言でいってもいろいろな種類があることも知りました。「あれ、僕もパーソナリティ障害なんじゃないか?」と思うこともあります。生きづらさを感じたことがある人は、僕だけじゃないはず。

今回の投稿でお伝えしたいことは

・パーソナリティ障害とは何か?
・パーソナリティ障害の種類
・各パーソナリティ障害になる原因
・周りの人の対応とサポート

などについてです。

このようなタイプの人がいたら、単純に相手の性格が悪いという問題だけで片付けてほしくないという思いが1つ。

そして、そのようなタイプの方と出会った時に、自分が傷つかないでほしい、苦しまないでほしいというのが1つ。

そして、このようなタイプ(パーソナリティ障害)というものの存在を知って頂き、どのような特徴があるのだろうかというのを頭の片隅にでも良いので入れておいて頂きたいというのが1つ。

ご興味がある方は、長くなりますが読んで頂けると嬉しいです。


そして、本題に入る前に、この投稿を作るにあたり、この本を参考にいたしました。

非常に勉強になりました。ありがとうございます!

○パーソナリティ障害とは?

性格が著しく偏った状態のことです。

偏り方はさまざまで、一見正反対のように見えることもあります。自分自身だけでなく、周囲も苦しむ状態で、性格の著しい偏りのために、生活に重大な支障が生じるほど程度が強いものです。

少しくらいその傾向があっても、支障なく生活ができている限りはパーソナリティ障害ではありません。

種類はこのようなものがあります。

<1群>独特な考え方や行動をする
・妄想性
・シゾイド
・失調型

<2群>演技派で感情の起伏が激しい
・境界性
・自己愛性
・反社会性
・演技性

<3群>不安感が強く神経質
・回避性
・依存性
・強迫性

どのタイプも極端な偏りのためにうまく周囲に適応できなかったり苦しさを抱えたりするという点では同じです。

【例】
自信やプライドが行きすぎる→自己愛性
最も不安定→境界性
自信不足から人に頼る傾向が強まる→依存性
自信不足が露呈しないようにプレッシャーがかかる状況を避けるようになる→回避性

【特徴】

●プライドが高すぎて、他人の言葉に耳を貸せない
ex.親切で教えてくれているのに、貶されたと怒り出す
みんなで協力して活動しなければいけないのに、このような人が1人でもいると困ってしまうでしょう。

●自分に自信がなさすぎることを補おうとして、人に救いを求める人もいるex.誰かに頼り切ったり、自信のない人たちが寄り集まっている
自分の意思を持たないと、危ないことにもなりかねません。カルトや犯罪集団、新興宗教の周りには、意思を持たない人々が集まって思いも寄らない暴挙を起こすこともあります。

これらの問題の背景には【パーソナリティ障害】が隠れていることがしばしばあります。これ、本人は自覚がなかったり、困っていなかったりするので、周りにいる人は困り果てることになるのです。

●「自己愛」の障害という一面がある

自己愛とは、自分を大切にできることであり、人間が生きていく上で最も基本的な能力のことです。

バランスの良い自己愛が育っていれば、少しばかり嫌なことがあったとしても絶望したり命を絶ったりしないで生きていけるのですが、パーソナリティ障害の人は、自己愛が強すぎて自分にこだわりすぎたり、逆に弱すぎて自分を大切にすることができない人が多いです。さらに、とても傷つきやすいことも共通しています。

キーワードは【偏った自己愛】【傷つきやすさ】

この共通点は「対等で信頼しあった人間関係を築きにくくさせてしまう」というところにもあります。人を愛することや、信じることがスムーズにできにくくなるので、パーソナリティ障害の人は、傷つきやすい自己愛からくる生きづらさを抱えて暮らしています。

1 境界性パーソナリティ障害

気分、対人関係、行動といった面での変動が激しく、短い間にくるくると状態や態度が変わってしまいます。

<特徴>
・元気だと思ったら、次の瞬間にはどん底に落ち込んでしまう
・一人でいることは苦手だけど、些細なことで傷ついてしまう
・パートナーの心が離れるのではないかと不安で落ち着かない
・自傷行為や自殺企図が多い

周りの人たちは「本当に死んだらどうしよう」と慌ててしまい、急場しのぎの愛情や関心を注ぐようになります。また、周りを心理的にコントロールしたり、振り回してしまうのも特徴の1つです。

併発しやすい症状:うつ、パニック障害、摂食障害、薬物乱用etc…

・気分が最高から最低へと両極端に揺れ動く
最高に幸せな気分だったのが、些細な一言で、次の瞬間には最低の気分で死にたくなったりします。

・自分を支えてくれる人と思うと、極度に理想化してどんどん依存化
ただ、相手が期待の大きさに尻込みすると、見捨てられるのではないかと不安になり、必死にしがみつこうとしたり、自殺企図などの関心を引く行動に走ります。一時的に繋ぎ止めることができることもありますが、さらに相手が引いてしまうと、期待が膨らんでいただけに反動も大きく、激しく失望したり怒り出したりします。こうしたやり取りが続くうちに、本人も相手も傷ついて疲れ切っていくのです。

・自分をつまらない人間だと思っている
自分のことを嫌い、醜く存在価値がないと感じています。このような深い自己否定感は、生まれつきのものではなくて、親との関係でできたものです。例外なく親に強いこだわりを持っていて、年齢を重ねても、親への思いを引きずり続けています。それは、必要な時期に、親から十分な愛情と保護を与えてもらえなかったことが原因です。

親に十分に愛されて育った人は、成長すると共に親を卒業して自立していき、親の存在は次第に色褪せ、心の中に占める割合はだんだん小さくなっていきます。ところが、何かの事情のために親、とりわけ母親から最初の自立をする時期に愛情や関心が適切に与えられないと、子どもは親を卒業できずにいつまでも親を求め、こだわり続けるようになってしまいます。

そして、「人はいつか自分を見捨ててしまう」「絶えずしがみついていないと、自分を置いてどこかにいってしまう」という不安を抱くようになってしまいます。

・父親のとの関係も見逃せない
境界性パーソナリティ障害の増加は、父親が優しくなって「それはダメ」といえなくなったことも関係があると言われています。境界性の人に、振り回してもびくともしない父親的な存在があると、安定することが多いですが、厳しいことが言えるためには、十分な信頼関係を作ることが前提条件です。

●境界性パーソナリティ障害が増えてきた要因
それは、必要な時期に愛情が適切に注がれなかったことが1番の原因です。

親の世代は両極とも言える2つの問題を抱えています。

1つは物質的な豊かさと引き換えに仕事や楽しみ、自己実現をしなければならず、子育てが手薄になっていることです。親は子供に愛情や手をかけずに、様々な代替品を与えて済ませてしまいます。

もう1つは、子育てに熱中しすぎる親がいることです。

子どもに親の願望や期待を背負わせ、夢を成し遂げる理想の我が子を求めてしまいます。ただ、親自信の自己愛の満足を押し付けられた子どもが、その期待に応えられるとは限りません。成功する子どもの陰には、親の期待に押しつぶされた多くの子どもたちもいることを忘れてはいけないのです。

●周りの人の対応とサポート
とりわけ重要なになってくるのは、両親との関わりです。親の対応には2つの視点が求められます。

① 親自身の意識を見直すこと
境界性の人は、親から見ると「期待に反して失望させられた子」と映っているものです。失望させられたばかりか、内心では「ひどく迷惑を被った」と不愉快に思っていることも少なくないです。

そうした気持ちが行動の端々に表れて、敏感な境界性の人を苦しめています。なので、まずは親が自分の失望や落胆した思いではなくて、傷ついた子どもの気持ちになって受け止められるようになることが重要です。

境界性パーソナリティ障害は、うつや自傷行為といった問題から表面化することが多いのですが、そのことで我が子に失望した親の対応が、子どもの気持ちを拗らせてしまうケースがほとんどです。親の思い通りにしようとするのではなく、ありのままの子どもを認めます。子どもの苦しさを受け止めて根気よく見守っていくと、「失敗してもわかってもらえる」という安心感と信頼感が生まれて改善に向かい始めます。

② 一貫した態度で付き合うこと
いい時も悪い時も変わらない態度で付き合うことです。境界性の人は、子どもの頃の不安定な愛着の問題を抱えているケースがほとんどです。愛されるべき時期に愛されなかった愛情飢餓や、親の一方的な押し付けで支配されてきた窮屈さを抱えています。

子どもの頃に得られなかった、その子をまるごと肯定する、安定した愛情を、赤ちゃんから育て直すようなつもりで与えましょう。

境界性パーソナリティ障害の対応で最も慎重さが求められるのは、自殺企図、自傷行為、薬物乱用、万引き、性依存などの行動化です。とりわけ、自殺企図と薬物乱用については、取り返しのつかないことになりが血で、約1割が自殺で亡くなるとされています。

●境界性パーソナリティ障害を克服するための役立つ方針
① 何事も半分くらいで抑えておく
気分も考え方も両極端のが特徴。でも、現実には良くも悪くもあるというその間の無数にあります。それがわかっていても、両極端の考え方から抜け出せないのが境界性パーソナリティ障害の人です。

物足りないけど、半分くらいで満足しようと考えることができれば、うまくいかないことがあった時に「全部うまくやれるより、時々しくじったほうが長い目で見ればうまくいったもの」と思えるようになります。

② 落ち込んだら休む
境界性の人は疲れが溜まると不機嫌になったり落ち込みやすいので、落ち込んだ時にはいろいろ考えずにのんびりと休むこと。良い時には頑張りすぎず、悪い時にはゆったりするようにしましょう。

③ 人に寄りかからずに自分の足で立つこと
境界性の人が本当の意味で障害を克服するためには、自分で自分の問題を引き受けようと心と決めることが大切です。何かが起こった時には「人のせいにしたり人に頼っているうちは本当の解決にはならない」と気づくことが大事です。そのためには一人で過ごす時間を大切にしたり、読書をしたり日記をつけたり、一人でできる趣味を見つけるのも良いです。

好きな人がそばにいなくても、その人を信じられないようになったら、この障害は克服できているのです。

2 自己愛性パーソナリティ障害

「自分は特別な存在である」という肥大した自己意識(誇大自己)を持っていて、「偉大な自分」にふさわしい華々しい成功を夢想しています。そして、「特別なのだから賞賛されなければならない」と考え、プライドが高く他人にひどく尊大な態度をとるが、相手がどう思うかは気にしません。

<特徴>
・容姿にも優れ、人目を引く服装をかっこよく着こなしていたりする
・第一印象では非常に魅力的で好感を持たれることも多い
・控えめで自信がなさそうにふるまっている場合もありますが、それは表面的なものにすぎず、親しくなるにつれて隠れていた身勝手で傲慢な部分が現れて驚かされることもあります。

自己愛性の人は、優れた能力や才能を持っていることもありますが、過去の栄光にしがみついていたり、根拠のないプライド自分こそが世界の中心だというような非現実的な万能感を抱いています。

現実の自分が活躍できないのは、周りが自分を正当に評価しないからと人のせいにします。自信家である反面、批判されることを嫌い、聞き入れません。親切に教えてくれているのに欠点を指摘されたと捉えて激しく反撃に出たり、暴力をふるうこともあります。そして、その指摘が逃れられないものも分かると、全てを台無しにされたように落ち込みます。

実生活は子どものようで、何もできずに他者を都合よく利用します。このプライドと身勝手な搾取のために、しばしば2つの困った事態が起こります

① 周囲の存在を支配し、顎で使い、自分勝手に利用すること
パワハラ、セクハラといったハラスメント、DVや虐待、時には、ストーカー行為や犯罪行為に走ることもあります。自分より弱く抵抗できない相手に向かうのが特徴で、相手の痛みなどなんとも思いません。「自分は偉いのだから、自分のすることはどんなことでも許される」という思い込みがあるのです。

② 周りの人との摩擦から自分のプライドを守るために、対人関係を避けるようになる
時には、自分の欠点が露見することを恐れて、引きこもりになることもあります。自分の抱いている偉大な成功と卑小な現実のギャップを感じると、自分の小さな世界に閉じこもって失望や傷つきから身を守ります。

そして、自分にかしずく人(大抵の場合は母親かパートナー)にだけ顎で命令する暴君になります。また、妬み深くて、他人や家族の幸福を共に喜ぶことができません。そのためにかえって孤立し、不幸になってしまいがちです。

●なぜ、自己愛性パーソナリティ障害が生み出されてしまうのか?
自己愛性パーソナリティ障害の過剰な自信や万能感は、幼い頃の未熟な自己愛が自分を守るために残ったものです。誇大とも言える自信を振りかざしてはいますが、心の奥には「傷ついた自己愛」があります。実際に、自己愛性の人は、うつ状態となって医療の対象となることが意外に多くて、うつ病の2割近くにも見られます。

幼い誇大自己を抱え続けさせてしまう環境には、親の溺愛/褒めすぎ(過大評価)/一人っ子 などが挙げられます。同時に、愛情が必要な時期に母親から無視されたり冷たくされたといった愛情不足が原因の場合があります。溺愛と愛情不足というアンバランスな組み合わせの場合もあります。

「世界は自分を中心に回っている」という思い込みや「自分以外の人は劣っているのでうまく利用すれば良い」という考え方を教えたのは、その人を育てた環境だともいえます。少子化、過保護、教育のあり方から、今では自己愛性はごくありふれたものになりつつあります。

●周りの人の対応とサポート
自己愛性の人が、必ずしも困った状態になるのかと言われたら、そういうわけでもありません。絶えずそばで賞賛し、励ましてくれる人がいて、初めて成功へと進んでいけます。自己愛性の人をうまく支えるコツは、支える人が本人の素晴らしさを映し出す「賞賛の鏡」となることです。

幼い時期のまま引きずっている賞賛や自己顕示への欲求を積極的に満たしてあげることが大事です。もし、両者が自己愛性の傾向を持っていて片方が献身する側に回れない場合は、どちらかが潰されてしまうことになりやすいので、早めに別々の道を歩んだ方が無難です。

献身する側に回る場合も、思い通りになる都合の良い存在になり過ぎないように気をつけます。無理な要求ははっきり断って、行き過ぎた行為があったら我慢せずにしかるべき機関や人物に相談し対応してもらいましょう。自己愛性の人は、実は小心で体面を気にするので、第三者が介入するのが効果的です。

●自己愛性パーソナリティ障害を克服するための役立つ方針
自己愛性パーソナリティ障害を克服するためには、最終的には「自分に捉われない大きな視野を持てる人間になること」につきます。自分だけが良ければいい、自分だけを愛したいという狭い自己愛を脱するために役立つことがいくつかあります。

① チームプレイが必要なスポーツや活動をすること
人は集団で何かをすることが苦手で、一人でできること、あるいは相手が一人だけいればすむ競技や活動をしがちです。でも、チームプレーが必要な場面では、自分が手柄を立てるよりも、自分が犠牲になってチームメイトを助けることが求められます。このようなトレーニングを経験することで、協調的な人間になっていきます。

② 宗教や武道、芸道といった自己鍛錬の学びをすること
宗教;祈り、禁欲、修行を通じて自分への囚われを脱しようとする
武道、芸道:勝負の厳しさや創作活動をすることで、自分を超えた境地に辿り着こうとします。

③ 人に尽くしたり社会活動をすることで、人のために生きる喜びに目覚める一旦全てを投げ出して裸になり、もう1度自分の意思で身につけることが、自己愛性の人が生き直すために必要なのです。親から与えられたものを脱ぎ捨て、自分が選んだ装いに着替えます。新しく身につける装いは、自分のためではなく人のために生きる喜びに目覚めることです。人に尽くす行為をする中で、自分自身の傷も癒やされていくのです。

3 妄想性パーソナリティ障害

他人は油断ならないもので「いずれ裏切るので信用できない」という信念を持っていて、人を心から信用することができません。その信念を証明するために裏切りの証拠を探ろうとして、かえって人間関係が悪くなったり、人間関係が広がらず親密な関係が築けないことが多いです。

<特徴>
① 極端な秘密主義
自分の秘密を人に知られて、悪用されるのではないかと疑ってしまいます。自分の過去や経歴について語ることを嫌い、少しでもプライバシーに関わることを聞かれると「なぜ、そんなことを聞くのか」と相手の質問の目的を怪しんでしまいます。極端な場合は、自分の過去を消そうとしたり、変えてしまったりするほどです。

② 孤独で傷つきやすい
表情にも動作にも考え方にも特有の硬さがあり、柔軟さが乏しく、冗談が通じません。人から言われたことは、ほんの些細なことでも非難侮辱と受け取ってプライドを傷つけられたと感じ、激しく怒ります。

そして、その恨みをいつまでもよく覚えていて、10年20年も前の言葉を一言一句違えず語り出して周りを驚かせることがよくあります。辱めに対する復讐を生涯のテーマにすることがあるほど。自分の痛みにばかりとらわれ、自分の心を傷つけた相手のことが許せないのです。

このタイプの人は、相手を許すことが最も難しくて、そのために本人も苦しむことになります。そして、世間の目や他人の評価をひどく気にします。自分を認めてくれれば力を発揮できるのですが、注意されたり否定されたりすると迫害されているように思い、いっそう孤立を深めてしまいます。

③ 非常に嫉妬深い
パートナーが浮気をしているのではないかと疑い、根拠のない激しい嫉妬心を持ちます。「いつかパートナーが裏切るに違いない」という確信を持っていて、根も葉もない思い込みによって疑い続けます。そして、なんとかしてその証拠を見つけようとします。

パートナーのメールをこっそり見たり、身体検査をしたり、探偵を雇って素行調査をしたりします。ねちねちと執念深く、行動をエスカレートさせやすいので、パートナーは諦めて言いなりになるか、逃げ出してしまうかのどちらかになりやすいです。

④ 人を権力や恐怖で支配しようとする
人を心の繋がりではなくて、上下関係や力の関係で捉えてしまいがちです。気分に波があることも多く、気分が高揚して行動的になる時期と、落ち込んで大人しくなる時期があったりします。統合失調症に似ています。

●なぜ、それほど傷つきやすく凝り深くなってしまったのか?
遺伝的要素もゼロではないと言われていますが、最も大きな原因は育った家庭環境にあると言われています。

親が自分の基準に合わないと頭ごなしに怒鳴りつけ、非難したり責め立てるばかりで、子どもの気持ちを汲み取らないといった環境で育っていることが多いです。子どもは傷つき、自らもすぐに人を非難し、自分が傷ついたことばかりにこだわるようになります。

自分が嫌な思いをしたというのに、気がつけば親と同じ行動をとるようになってしまうのです。家庭の中で、いつ自分が非難されるかビクビクしながら過ごすことで、とても敏感で傷つきやすくなります。そして、いつ自分に非難の矛先が向けられるのかという安心感のなさは、強い警戒心と凝り深い性格を作っていきます。不安定な愛情の中で、人の目は世間体を気にすると同時に、人に心を許すことができなくなっていくのです。

●周りの人の対応とサポート
大切なことは、敵にも味方にもならない冷静で中立な態度を維持し続けることです。親しくなりすぎると、過剰な期待を抱いて独占しようとしたり、気持ちを押し付けてくるようになります。それを断ると裏切られたと感じ、なんとかして支配しようとしつこく付き纏い、ついには攻撃や脅迫にまで発展することもあります。正論で説得したり、逆に逃げ腰になったりすると、妄想性の人は傷ついてしまいます。

また、約束をしたらしっかりと守ることが大事です。妄想性の人は、相手が口にした言葉を驚くほどよく覚えていて、次に言うことが変わることが許せません。状況に応じた変化を受け入れることができないので、できない口約束をすることは絶対にやめましょう。

4 回避性パーソナリティ障害

失敗や傷つくことを極度に恐れるために、試み自体を避けてしまいます。「どうせ自分にはできない」「失敗したら余計立ち直れない」このように、自分が傷つくことを恐れます。

新しいことや楽しいことを見つけることよりも、「嫌な思いをするくらいなら、何もしないほうがマシだ」という考えが、信念のようにこびりついています。「どうせ嫌われる」と思い込んでいるので、人の好意にも気付きません。

本当は人との関わりを求めているのに、人から拒絶されたり否定されるのが怖くて、深い人間関係を作ることができません。回避性の人にとって、生きることは不安で苦痛でたまらず、楽しみを感じることが少ないのです。

●回避性になる原因
① 家庭環境:親との関係
親がなんらかの理由で本人に否定的で褒めることをせず、気づかないうちに低く評価をしていたり、兄弟に華やかで目立つ子どもがいる場合もあります。

親からの愛情は太陽の光のようなものであり、太陽に照らされて育った子どもは、安心と自信を身につけて外の強風にも耐えて生きていけますが、太陽の光を受けられなかった子どもは、不安と自信のなさで自分を支えられなくなってしまいます。

また、本人が希望していないのに、小さな頃から親の望むことをやらされ続けたことに対するアレルギーも見られます。強制労働のように頑張らされ続けてきた後遺症として、無気力になっているケースもあります。「自分には助けを求める自由も逃げ出す自由もない」と思い込み、動けなくなった時にはかなりのダメージを受けているのが普通です。

②いじめなどのトラウマを抱えている場合
回避性の人のトラウマ体験で多いのは、学校時代の同級生や友達からのいじめや子供っぽい教師からの対応で傷ついたという経験です。身近な大人や教師などからの強い叱責や、人前で恥をかかされるような体験がきっかけとなって、臆病になってしまうのです。

回避性の人が増えているのは、人と人とのつながりが薄くなっていることも関係しているといえます。デジタルツールの発達で画面や短い文字でのやり取りが増え、顔と顔を合わせる機会が減っています。また、少子化で子どもに手をかけすぎ、いろんなことをやらされすぎた子どもが増えていることもあります。

●周りの人の対応とサポート
① 親が子どもにかかりきりになるのをやめ、親自信のことに精を出すこと
動かないことは、子どもからの意思表示です。長件の蓄積疲労のようなものなので、すぐには回復しません。その日が早い段階で来ることも、大学生や社会人になってからくることもあります。

倒れることが遅くなればなるほど時間がかかりますので、親は子どもを信じて、子どもが求めてもいないものを与えたりせず、何かをしたいというまでは手を出さずに、子どもの気持ちを尊重しましょう。

② 本人の良いところを見つけて肯定すること
否定され続けてきたために新しいことをする勇気を無くしているのですから、「どうしてできないの?」「やっぱりあなたは….」 などといった言い方をしてはいけません。本人自身も気づいていなかったような長所を見つけて褒め、挫折感や劣等感方解き放つのです。

③ 一度白紙に戻して、1からやり直すつもりになる
それまで周りがかけてきた期待に無理があったと認めて、失敗やつまずきにこだわらず、本人がやりたいと思っていることがあったらやらせましょう。

5 演技性パーソナリティ障害

他人の評価が何より重要で、目の前にいる人を魅了する役柄を演じます。外見や性的な魅力があり、貢がせるけど心は与えない小悪魔的タイプです。とりわけ異性を魅了し、恋愛遍歴を繰り返します。他人の関心を引くために自分を貶めるような情事や薬物乱用、自殺企図も平気でやってのけるのが自己愛性と違う点です。

●演技性になる原因
親の愛情不足
で、特に母親の関心を引こうとして注目を集める術を身につけたと考えられます。病気のふりをする子を可愛がって健気に頑張っている子は評価しないとか、明るい子どもを愛して暗い顔の子は拒絶するといった育て方をされたために「ありのままの自分では愛してもらえない」と思い込んでしまっています。

●周りの人の対応とサポート
親は、いい状態でも悪い状態でもありのままの子どもを愛することです。嘘や問題行動も、普段「良い子」を演じて我慢をしている無理が表れているのです。そのように捉えて、本人の心の中の思いを汲んであげるようにします。

6 反社会性パーソナリティ障害

社会的なルールを守ろうとせず、自分の欲求のために人を傷つけることも平気でやってしまいます。他の人に対する共感性が乏しく、自己中心的に行動している場合があり、人間的な優しさを弱さと考えて毛嫌いします。

●反社会性になる原因
出産時のトラブルや、妊娠中の喫煙によって脳神経系の障害が起こったために、ADHDなどの発達障害を生じて、幼少から問題行動が見られ、さらに加えて親からのネグレクトを受けたケースがほとんどです。母親が子どもを愛さず、祖父母や第三者が不憫に思って溺愛したケースもあります。元々育てにくい子を、不適切な養育がさらに拗らせてしまったような場合です。

●周りの人の対応とサポート
親からも先生からも友達からも認めてもらえず、時には暴力を振るわれて育っています。でも、親から認められたいのです。どんな小さなことでも褒めてあげることが凍りついた心を溶かします。

人は自分を否定し攻撃すると思っているから、感情的にならずに、中立的な言葉の使い方と態度を維持し続けるようにします。

7 失調型パーソナリティ障害

自分の空想の世界に暮らし、周りの人の気持ちを推し量れずに一方的に自分の言いたいことをまくし立てるといったタイプです。被現実的な考えや知覚を持っていて、いつも頭が働きすぎて、考えが際限なく広がりすぎるのです。

●失調型になる原因
何事にも無関心で表情や反応が乏しく、冷たく形式ばった親に育てられたケースが多く見られることから、幼少期に親密で温もりを感じさせる体験が不足することが一因となるかもしれません。

また、統合失調症と関係する遺伝要因や、アスペルガー症候群の一部のタイプとも関係していると考えられています。

●周りの人の対応とサポート
このタイプの人と上手に付き合っていくには、その人の独特のライフスタイルや考え方をある程度理解して尊重することが大事になってきます。常識を超えたセンスやアイデアを評価してあげると力を発揮するようになります。直感やインスピレーションに富むため、良い形で表れると創造性を発揮したり、予言や発明などで社会の役に立つこともあります。

8 シゾイドパーソナリティ障害

他の人への関心が少なく、孤独こそが最高というタイプです。

喜怒哀楽の感情が淡白で無表情で、人がどう思おうとあまり気にしません。それは、鈍感だからではなくて、極めて繊細で僅かな感情の動きにも敏感なために、強すぎる感情が不快に思えてしまうのです。

そして、禁欲的で出世欲も名誉欲もあまり持ち得ません。貪欲さとは正反対で、清貧に生きることが似合っています。男女の関係も同じで、性欲に違和感や罪悪感を覚えてプラトニックな関係を求めることも多いです。

また、静かで淡々とした生活を好み贅沢や華美を嫌いますが、感性や趣味は洗練されています。物質的より、内面的な豊かさに重きを置きます。

●シゾイド型になる原因
幼い頃に母親からの愛情を受けられなかった
ために、人からの愛情や保護を期待しなくなったというものや、統合失調症と関係した遺伝要因も大きいと言われています。ASDとの関係も注目されています。

●周りの人の対応とサポート
本人のペースやタイミングを尊重します。無理に親密になろうとせずに、距離を置いた態度で接し、少しずつ距離を縮めていきます。同じ生活や仕事を淡々と続けていく才能があることから、僧侶やコンピューター関係の仕事に向いています。

9 依存性パーソナリティ障害

自分で考えて決めることができず、全て人に頼るタイプです。

2つのタイプが存在して、1つは「赤ん坊型」です。自立心や生活心がなく、相手に甘えて世話や保護を受けます。自分は無力と思い込んでいて、暴力を振るわれたり、性的や経済的な搾取をされても相手にすがりつきます。パニック障害やうつ病などを抱えている場合もあります。

もう1つは「献身型」です。悪いパートナーに貢いだり新興宗教に献金するなど報われない献身をします。

●依存性の原因
自分の主張を否定され、親の言うことだけを聞いた時だけ「良い子」と褒められて育ったのが典型的なパターンです。相手の顔色に敏感で、人に嫌われないかを過剰に気にします。心の中の本音を我慢し、不満や恨みの気持ちが強まっています。

●周りの人の対応とサポート
「自分で決めなさい」
というのが1番のアドバイスです。もし、依存性の人が何かを選んだり口ごたえをしたら、それが親の気に入らないことであっても、尊重してほめてあげることです。良い子を演じて我慢することに耐えられず爆発して怒り出したら、それをきっかけにして良い方向に向かうこともあります。

10 強迫性パーソナリティ障害

とてもきちんとしていて人間関係も仕事も責任と義務を大切にするあまりに、完璧にやり遂げようとしすぎてうつ病や心身症、過労死になりやすいタイプです。

例えば、旅行に行けば計画通りにこなすことに必死でのんびり楽しめなかったり、環境の変化を嫌い、窓の外の景色が変わっただけで気分が沈み、引越しうつ病を起こしやすいです。

また、自分の一部を奪われるような気がして、ものを捨てられないこともあります。そして、努力は報われるという信念は持っているけど、周りの人、とりわけ子どもにも同じ基準を求めてしまうため、子どもは頑張らされて楽しみの少ない苦行のような生活から無気力になってしまいます。

●強迫性の原因
固執性の強い遺伝的要因とともに、厳しいしつけで育てられたことも少なくないと考えられます。ASDがベースにある場合もあります。

●周りの人の対応とサポート
本人のやり方を尊重することが必要です。その上で、他の方法もあることを提案します。食事や散歩、旅行といった外出や、習い事などに誘って気分を切り替えるとよいと言われています。自分を縛っている固定観念から自由になるように働きかけます。

○まとめ

いかがでしたでしょうか?

1〜10のパーソナリティ障害の共通点は「家庭環境」にあります。幼少期に親(特に母親)からきちんとした愛情を注がれていない場合に、このようなケースになることが多いです。

意識してこのようになることはないはずなので、無意識にこうなってしまっているのです。

じゃあ親が悪いのか?と言われたら必ずしもそうではなく、これは連鎖しているのだと僕は考えています。こういう意味で、普段自分がどこで時間を過ごすのか、環境が人を作っていく、変えていくというのは間違いないと言えます。

自分とは全く合わない、価値観が違うような人が現れても、すぐにその人を否定するのは良くありません。その人にはその人が育ってきた環境があり、その人が悪いわけでもないからです。

このようなタイプが存在するんだということを知っているだけでも、見えるものが変わってきます。自分を守るためにも知っておいて損はありません。


長くなってしまいましたが、ご興味がある方はお時間ある時に目を通して頂けると嬉しいです。

今回は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

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