サイト「キャリアチケット」を運営するレバレジーズ株式会社に抗議しました。

【2024.1.15】
報告動画を作成しました!

2024年1月13日、ウェブサイト「キャリアチケット」を運営するレバレジーズ株式会社に抗議文および公開質問状を発送しました。

このサイトは、#就活セクシズム 署名運動に触れている記事があったため、知ることとなりました。

抗議文を書いた時点ではここまで酷いと分かっていませんでしたが、
サイト内には、女性のノーメイクはNGと言ったり、男性の長髪は清潔感がないと言ったり、くせ毛やパーマを低く見たりする指南のオンパレード。それも、繰り返し繰り返し、数えきれない程登場します。眩暈がします。

抗議文のメインの部分では、一つの記事について、一見「ノーメイクは有りか無しか」の両論併記のようでいて、結果的に「女性のノーメイクはNG」という差別の肯定・拡散になってしまっていることを指摘しました。

また、続く部分では、その他の問題記事のほんの一部を取り上げ、指摘しました。例えば、くせ毛やパーマを貶めるような表記について取り上げました。

「天然パーマの就活女子は癖を押さえて清潔感を意識
天然パーマの就活女子は、髪質によっては派手なパーマと疑われるので、癖を押さえて清潔感を意識しましょう。おすすめの方法は下記のとおりです。」

「就活女子にパーマはアリ?清潔感のある髪型が好印象のコツ」https://careerticket.jp/media/article/2344/
2024.1.13アクセス

この記事に関して、弊団体のTwitterでも周知したところ、怒りの声が集まっています。

抗議文は何枚にもわたっておりますが、文中で指摘した問題記事はほんの一部にすぎません。
例えば、他には、男性とされる人の長髪は清潔感がないなどと貶める指南も見られます。

ロン毛のように長い髪は、だらしなさを与えてしまうので避けましょう。スーツには合わず、清潔感もなくなってしまいます。

就活でパーマはNG?男性にオススメの髪型を紹介
https://careerticket.jp/media/article/1769/
(2024年1月15日アクセス)

同様の問題が、同じ調子で、繰り返し、大量の記事に現れています。

今回、レバレジーズ株式会社には、
問題のある記事のすべての取り下げ(修正するにしても、その間公開停止にすること)
また、
発信しているマナーの出処を回答すること
を要望しています。

抗議文は以下よりご覧ください。

画像形式は以下よりご覧ください。


レバレジーズ株式会社 御中
キャリアチケット 運営担当者様 <a target=#就活セクシズム 署名チーム SSS (Smash Shukatsu Sexism) ここにURL。チェンジとアルファベットで入力、就活セクシズムと入力、で検索、で出てくる 2024年1月13日 キャリアチケット掲載の記事 「就活ですっぴんはだめ?清潔感のあるナチュラルメイクが好印象のカギ」 他に対する抗議および公開質問状  こんにちは。私たちは、#就活セクシズム 署名チーム SSS (Smash Shukatsu Sexism)です。就職活動の服装・マナー指南における「男女二元論」「性差別」に反対する活動をしています。  御社発信の記事「就活ですっぴんはだめ?清潔感のあるナチュラルメイクが好印象のカギ」(*1)にて、 「メイクは身だしなみの1つなので、すっぴんで就活に臨むのはおすすめできません。面接官によっては、「だらしがない」「社会人としての意識が足りない」と判断する恐れがあります。」 「証明写真もきちんとメイクするのが基本」 「就活ですっぴんは推奨されないといわれていますが」" width="620" height="873">
1/13ページ
などと、本来あってはならない差別を無批判に掲載し、容認するような指南が掲載されております。
 残念ながら、現在の日本社会には、根強い性差別が蔓延しています。
 しかし、そういった現状を踏まえ、就活マナーを指南する側が、差別をする側の行いを無批判に掲載・拡散することと、差別は許されないという立場に立つことは、まったく異なります。

つきましては、レバレジーズ株式会社に対し、

1.当該記事の取り下げを求めます。(この抗議文を受け取り次第の作業を要望します/修正を加えるとしても、その間公開停止にしてください。)
2.その他、男女二元論的な指南や、個人の身体の特徴を貶めたり排除したりすることに同調するような指南(*2)もすべて同様の手順で取り下げまたは非公開にした上での修正をしてください。
3.御社発信のマナーの出処を教えてください。


 回答は、1か月をめどに、2024年2月23日までに頂けますと幸いです。
なお回答は公式のものとして取り扱い、公開させて頂きますことをあらかじめご了承ください。
2/13ページ
詳細

 当該記事の中では、
「すっぴんが理由で落とされるとは断言はできませんし、メイクが採用の理由にもなりえません。」
「女性だからといって「すっぴんで就活してはならない」ことはなく」
「就活では、化粧をすることもすっぴんで挑むことも自由に選択できるといえます。」
と言いながら、

「記事では、就活ですっぴんが推奨されない理由やメイク方法、注意点、マナーを紹介します。」
などの指南がしつこく繰り返し登場します。
 両論併記のつもりでいるかもしれませんが、現在の記事の状態では、残念ながら、差別の容認、加担、拡散にしかなっていないことを、関係するすべての皆様には重く受け止めて頂きたいと考えています。

「女性がすっぴんで面接に行くことが「マナー違反」「だらしがない」と思う人も多いことも現実です。」
「『女性がすっぴんで就活するのは、男性がノーネクタイ・無精ひげで面接に行くようなもの』と考える面接官が多いことも現状です。」
という箇所は、差別の責任を漠然とした「面接官」に委ね、書き手の立場を明確にせずに掲載をすることで、結果的に差別への加担・拡散になってしまっていることにお気づきでしょうか。

 また、記事中の
3/13ページ
「一昔前は、「女性らしさ」や「男性らしさ」の話題が違和感なくされてきましたが、現代では「○○らしさ」に反対する意見を主張する人が増えているようです。すっぴんで就活を進めることに違和感を覚える人も。」
という箇所は、大変申し上げにくいのですが、何が言いたいのかも分からない支離滅裂の状態になってしまっています。


ご提案

 性差別を肯定せず実情を伝える方法として、例として下記のような提案をいたします。

「証明写真もきちんとメイクするのが基本」→言い切り方をやめる。
「面接官によっては、「だらしがない」「社会人としての意識が足りない」と判断する恐れがあります。」→こういったことは差別であり、本来許されないことであると明記する。
「就活ですっぴんは推奨されないといわれていますが」→誰が言っているのか明確にする。

 記事中でせっかく#就活セクシズム 署名運動に触れているのに、結果的に差別を容認・拡散する結果になっていること、また、次ページからも示しますように、他の情報発信の内容が問題だらけのまま放置されていることには、大変失望していますし、次のページより例示するような、他の記事に溢れかえる問題を見ると、#就活セクシズム 運動に触れている記事も、表面的に取り繕ったものなのだろうと考えざるを得ません。
4/13ページ
参考資料

(*1)
「就活ですっぴんはだめ?清潔感のあるナチュラルメイクが好印象のカギ」
https://careerticket.jp/media/article/2239/
(2024年1月12日アクセス)
(*2)
続く「その他問題のある指南につきまして」をご覧ください。
5/13ページ
その他問題のある指南につきまして

 下記に例示するような問題のある記事が無数に存在しており、すべてを網羅することはできませんが、通底する問題を読み取って頂ければと思い、そのうちのほんの一部を取り上げ、指摘します。どの記事にも共通して取り組んで頂きたいのは、既に申し上げた通り「本来あってはならない差別を容認・拡散するような記事ではなく、一貫して、差別は許されないという立場に立つ」「ありとあらゆる立場の就活生の存在を当然のものとして念頭に置く」ということです。

●「就活に化粧は必要?好印象を与えるメイクのパーツ別ポイントを知ろう」
https://careerticket.jp/media/article/2282/

問題個所の例:
「就活で化粧をするべき理由は社会人として必要な身だしなみであるため」
「化粧は社会人として「身だしなみ」のひとつとして考えられる傾向があります。そのためノーメイクは避け、化粧をすることをおすすめします。」

・漠然と「身だしなみであるため」「考えられる傾向にある」という言い回しを使って発信者としての責任を回避するのをやめてください。一貫して就活生に寄り添う、差別を許さないという立場に立つ、ということをすれば、こういった記述にはならないはずです。同様に、「なにが正解?面接官受けする就活メイクはコレだ」(https://careerticket.jp/media/article/137/)での「薄すぎるまたはノーメイクは好ましくありません。」という記述に関しても、断言する方法をやめてください。あなた方には、人に対して、化粧をするように断定口調で指示する権限はありません。「面接で好印象のメイ
6/13ページ
クとは?パーツごとのポイントや業界別のおすすめを紹介」(https://careerticket.jp/media/article/2172/)において「すっぴんはNG」「しかし、メイクをすることは、相手に不快な思いをさせないという社会人としての最低限のマナーです。」などと断言していることも、擁護の余地もなく、明らかな差別です。即刻取り下げをお願いします。

区切り線

●「面接準備を完璧にしよう!必要な対策とマナーや持ち物などを紹介」
https://careerticket.jp/media/article/686/

問題個所の例:
(男性とされる人に対し)「長髪や染髪は避け」「ひげはきちんと剃り」
(女性とされる人に対し)「ノーメイクや厚化粧は避け」「靴は黒のパンプスで、ヒールの高さは3~5センチを目安に選ぶのがおすすめです。」
・男性とされる人のみに対し、長髪や染髪をいましめること、問答無用でひげをすべて剃ることを課すのをやめてください。様々なアイデンティティやバックグラウンドの人がいることを認識して下さい。
・女性とされる人のみに対し、ヒール付きの靴を履くことが当たり前かのように指南するのをやめてください。

区切り線

●「就活女子にパーマはアリ?清潔感のある髪型が好印象のコツ」
7/13ページ
https://careerticket.jp/media/article/2205/

2024年1月15日修正・追記、レバレジーズ株式会社には問い合わせフォームより通知済み:
上記リンク、正しくは
https://careerticket.jp/media/article/2344/
以上修正

問題個所の例:
「天然パーマの就活女子は癖を押さえて清潔感を意識
天然パーマの就活女子は、髪質によっては派手なパーマと疑われるので、癖を押さえて清潔感を意識しましょう。おすすめの方法は下記のとおりです。」

・派手なパーマと派手でないパーマの違いはなんでしょうか?また、パーマではいけない理由は何でしょうか。ルッキズム、レイシズムにも繋がる重大な問題であると認識して下さい。

区切り線

●「スカートは苦手!就活で着るパンツスーツの選び方とは?」
https://careerticket.jp/media/article/1710/

問題個所の例:
「ベルトと同様に、ストッキングも着用必須です。
パンツスーツならストッキングを履く必要はない、と思う人もいるかもしれませんが、パンツスーツを綺麗に着こなすには着用したほうが良いです。
何故ならパンツスーツは下着のラインが浮き出てしまいやすいから。恥ずかしい思いをしないためにも、ストッキングはきちんと身につけましょう。冬場は防寒にも一役買ってくれます。」
8/13ページ
・女性とされる人にのみストッキングの着用を強制することは差別です。パンツスーツで下着の線が浮き出る問題があるのであれば、それはピチピチのパンツスーツの問題ですし、下着の線が浮き出ることを防ぎたい人たちは、個人個人で異なった対策をすれば良い話です。また、ストッキングを一枚履いたからといって、下着の線が浮き出ることを防止できるとは限りません。

区切り線

●「【画像解説付き!】就活バッグの選び方!サイズやおすすめの機能など幅広く解説」
https://careerticket.jp/media/article/2457/

問題個所の例:
「メンズ・レディースバッグの違いを知っておく
就活バッグには男女兼用で使用できるものもありますが、メンズ用・レディース用ではデザインに違いがあります。」
・どういったジェンダー・アイデンティティの人がどういったカバンを選ぶのかは自由です。

区切り線

●「就活でYシャツの第一ボタンは留める?面接での正しい服装マナーを解説」
https://careerticket.jp/media/article/2432/

問題個所の例:
9/13ページ
「男性は第一ボタンを留めてネクタイを締める」「女性用のブラウスは第一ボタンをがない場合も」

・「就活女子」「就活男子」という呼称をやめてください。人をカテゴリで二分し、客体化するような呼称を用いないでください。(こちらの記事も同様:「就活女子におすすめのYシャツは?印象アップできる選び方や着こなしのコツ」https://careerticket.jp/media/article/2424/)
・ワイシャツの形状や着用方法を男女の二種類に分けて指南するのをやめてください。例えば、首元までボタンをしめてネクタイを締める女性の存在を無いものかのように語らないでください。「女性は」「男性は」ではなく、「こういうタイプのシャツは」といった区分の仕方をお願いします。

区切り線

●「就活に必要なものとは?基本アイテムと役立つアイテムをまとめてご紹介」
https://careerticket.jp/media/article/2449/

問題個所の例:
「女性の場合、肩掛けタイプのトートバッグが定番です。」
「就活に限らず、スーツ着用時には女性はストッキングを履くのがマナーです。これはパンツスーツも同様で、靴下や素足は厳禁とされています。」

・女性とされる人のみにストッキングの着用を強制することは差別です。ただちに取り下げてください。
10/13ページ
区切り線●「就活便利グッズを活用しよう!お役立ちアイテムを項目別にご紹介」
https://careerticket.jp/media/article/2450/

問題個所の例:
「女子学生は予備のストッキングやメイク直しグッズを持ち歩こう」
(「女性向けの就活便利グッズ」として)「髪ゴム・ヘアピン」

・女性とされる人がストッキングの着用や化粧をするのが当然であるかのような指南をやめてください。また、女性以外にもヘアピンや髪ゴムを使う人の存在を無視しないでください。
区切り線
●「就活セミナーは絶対に黒髪?業界ごとの傾向と許容されるカラーレベル」
https://careerticket.jp/media/article/2378/

問題個所の例:
「髪色の印象は男女でも異なる
企業によっては、「女性は自然な茶髪なら良いが、男性は駄目」としている場合もあります。男性の茶髪は女性に比べて許容されない傾向があるので、注意した方が良いでしょう。」
11/13ページ
・一方的に決めつけた性別を理由に、合理的でない偏ったルールを押し付けることは許されません。人権侵害をする側に立つのか、人権侵害を許さない立場に立つのか、御社の立場を明確にしてください。
・また全体を通して、黒色の髪を前提とした指南をやめてください。こちらの記事「就活の茶髪は一体どこまで許されるのか」(https://careerticket.jp/media/article/1656/)も同様です。「ただし、もともと地毛が茶色い人は、無理に黒く染める必要はありません。万が一選考中に聞かれたときは、地毛であることを伝えれば理解してもらえるでしょう。」とありますが、髪の毛の色は誰かから許可をもらってそこにあるものではありません。
区切り線●「就活のYシャツ選びのポイントを解説!男女別マナーを知ろう」
https://careerticket.jp/media/article/2353/

問題個所の例:
「男性と女性では、Yシャツの形そのものが異なっています。」
・男性と女性でYシャツの形が異なっているのではありません。別の形のYシャツが存在し、着る人は自由に選べるべきです。
区切り線●「就活のコートにおすすめの色や形を男女別に紹介!着脱時のマナーも解説」
https://careerticket.jp/media/article/2349/

問題個所の例:
12/13ページ
「レディースのコートの丈は、スーツのスカートの裾より少し短い、膝上のショート丈が一般的です。丈が長い方が防寒性に優れていますが、重たい印象を与えてしまうので就活時は控えましょう。」
・コートの丈は、体調や気候に合わせて個人が選べるのが当たり前です。

 以上、無数に存在している問題表記のほんの一部を取り上げました。男女二元論によって「女性はこう」「男性はこう」という規範を一律に押し付けることは、それに当てはまらないすべての人のアイデンティティや生き方、尊厳を踏みにじり、排除し、就職活動のスタートラインに立つことすら妨げるものです。また、性別を理由として、合理的理由のない服装規範を押し付けることは、決して許されません。こういった指南の押し付けにより、心身の健康に支障をきたしたり、生きることをやめたいと願う人も存在します。

 これを、人間の命に関わる問題として受け止めて頂けますよう、お願い申し上げます。
13/13ページ

この記事が参加している募集

就活体験記

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?