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「私の仕事」からみたNGO。

みなさん、こんにちは。今回は私が働いているNGOの仕事について少し綴れられればと思います。他の記事でも述べていますが、私の仕事はいわゆる「国際協力」の業界に入ります。国際協力といってもざっくりしていて、人によってイメージが違うのではと思うので定義づけをするのは難しいというのが私の率直な意見なのですが、私が働いているNGOは海外で人道支援や開発支援事業を行っています。

人道支援というのは、ざっくりというと自然災害や人災(戦争・紛争)によって家を亡くしたり食べるものがなかったりする人たちのために緊急で必要なものを届ける支援です。例えば日本がウクライナに送り続けている支援は人道支援にあたるでしょう。一方で、開発支援というと、より長期的な視点で行う支援になります。例えば、学校がない村に学校を建てるのは開発支援になり得ます。学校ができることによって、ちゃんとした教育を受けることができない子供たちが学校に行けるようになり、大人になったら、お金を稼げる良い仕事につける人が増え、裕福な家庭が増え、社会全体が発展していくという世代を超えた長期的な効果を理論的に想定することは可能です。このように視点が短期的か長期的というのも人道支援と開発支援の違いといえるかもしれません。

私がいる団体はエチオピアで人道支援の事業を行っており、ガンベラでの難民支援は2014年からずっと続いていました。ガンベラにいる難民は南スーダンで起きている紛争から自分の命を守るために故郷を背に逃げてきた人たちです。そういった難民のために国連をはじめとする国際社会が設置するのが難民キャンプです。国際社会は、難民たちが人としての尊厳を失わず最低限の生活を送れるよう、食糧、シェルター、医療、水、衛生、教育などさまざまな面から支援を送り届けます。以上がざっくりとした私の仕事から見える「国際協力」です。

私は現地事業統括、要するに駐在員としてエチオピアでの業務についています。具体的には、事業進捗の管理、現地スタッフの管理、会計作業、国連や政府機関、その他関連NGOなどとの連携、現地情報の収集などがあります。私の団体は日本人は私一人だけで、他はエチオピア現地支部のエチオピア人スタッフです。エチオピア現地支部は日本からの事業資金だけでなく、ヨーロッパの国々から資金をもらいエチオピアのさまざまなところで事業を行っています。旱魃対応や難民支援など緊急対応的なものから、学校を建てたり灌漑を造ったりするような長期的な効果を期待する開発支援だったりです。

エチオピア支部は、私がいる日本支部が引っ張ってくる資金で、ガンベラ州にいる南スーダン難民の支援を行ってきました。具体的には水衛生分野で、トイレ建設、衛生啓発、手洗い場建設などです。人口密度が高くなる難民キャンプでは、衛生状態を保つことが難しく、コレラやチフスといった水系感染症が流行る可能性が高くなります。なので、トイレを作り排泄物を適切に処理したり、適切な手洗い、水容器洗浄、清掃などの啓発、手洗い場の設備などで、感染症の流行を予防し、難民の健康を守ります。私は現地のプロジェクト・マネージャーとしてガンベラ事務所に駐在をしていたので、実際に難民キャンプの中に入り状況の把握をし必要な支援のあり方を考えることができたのはとても貴重だったと思います。

ガンベラの難民の歴史は20年ほど遡りますが、2013年末に起きた南スーダンの情勢悪化のため大量の難民がガンベラに流入しました。南スーダン難民の帰還は進んでおらず、本来緊急対応的に設置される難民キャンプは長期化しています(これは世界的な傾向でもあります)。その中で、支援を届ける立場にある側は緊急フェーズと同じように支援物資を与え続けているわけにもいきません。難民がより自立した形で生計を建てていけるようにする必要があります。そのために難民が必要なものはなんなのか。そのためにするべきことはなんなのかを考えることが最重要課題となっています。ガンベラに寄り添って2年以上が経ちました。いろいろな課題がある大変なところでいろいろ苦しめられますが、私ができることを考え行動していきたいと思います。

以上ざっくりと私の仕事について徒然と綴ってみました。日本でNGOというとあまり馴染みがないと思うので、少しでも理解の役に立てられれば幸いです。日本においてNPOやいわゆるNGOが注目を浴びるようになったのは1995年の阪神淡路大震災以降といわれ(この年は「ボランティア元年」と呼ばれたりもします)NPO法ができたりと、日本におけるNGOの歴史は欧米のそれと比べてとても浅いです。しかしながら、NGO(Non-governmental organization:非政府組織)は世界中で活躍する団体の総称であり、市民社会寄りの立場であることや政府よりも小回りの効く特徴を活かし人々のために力強く、素早く、時には創造的に働く組織です。

#私の仕事

見出し画像引用元:https://www.ketto.org/blog/things-to-consider-before-making-donation-to-an-ngo


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