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#3 美しいってなんだろう

こんにちは、ヨシタケです。

以前の記事では、デザインについてあれこれ書きました。

今回は、ランドスケープに関わらず、デザインに興味がある人にも向けて書いていきたいと思います。


題して、
「美しいって何なのか」

デザインを学びたい人は、かっこいい・美しいデザインのやり方、手っ取り早く知りたいですよね。笑

美しいデザインをするために、AdobeのソフトのTipsなど技術的なものはいろいろありますが、美しさについて、一つの考え方を理解すれば、あとは細かなスキルを身に着けるだけで今よりステップアップしたデザインができるようになります。

更には、前回の記事のデザインの考え方や方法論の重要性が伝わるのではないかと思います。それでは行きましょう。

美しいとは何か

早速で申し訳ないですが、今の私ではまだ明確に答えを申し上げることができません。
ただ、一つ「わかりやすさ」は一つのキーワードになると思います。


#1でも触れた通り、文化的背景により評価は異なるとは思います。
しかし、例えば、美しいものには以下のようなものが挙げられるます。

・生物としての性質に由来するもの(黄金比、白銀比など)
・均整の取れたもの
・一貫性のあるもの

それぞれを簡単に見ていきます。
(イメージが付く方は読み飛ばしていただいて構いません)

・生物としての性質に由来するもの(黄金比、白銀比など)

例えば黄金比や白銀比は有名で、モナ・リザやA4サイズなど色んな所に用いられています。かたちにおける長さの比率の話で、ある種均整がとれたものと言えるかもしれません。また、この比率は自然界にも多く存在していて、
それゆえ人間には馴染みが深く、心地よく感じるのではないかという話もあります。
ここで、馴染み深い=よく知っている、つまり理解しやすいと言い換えることができます。

・均整の取れたもの

例えば、正円や正方形といった形を美しいと思う人が多いのではないかと思います。何となく正円に近いけど、線がうねうねしていると気持ち悪いと感じるのではないでしょうか。
あるいは、一つのフレームの中で要素が均等に配置されているものとそうでないものでは、大多数が偏りのないものに安定を感じるのではないでしょうか。
これも、図形が正方形、正円など自分が知っているルールに従っている=理解できるものであると言えるのではないでしょうか。

・一貫性のあるもの

例えば、ブランドがそのイメージを作るためにイメージカラーを統一したり、本や書類のレイアウトなど一定のテンプレートを繰り返し用いるなど、
バラバラのものより美しく感じるのではないでしょうか。
他にも視覚的な情報に限らず、ストーリーなどでも美しいと感じることがあります。例えば、困難に遭いながらも最後まで自分の志を持って努力し続けた話などなど。
これも、一連の流れが想像できる=理解しやすいと言えますね。

わかりやすい=美しい?

以上、多少乱暴ではありますが、
わかりやすさを意識することで美しいデザインが可能だと考えます。
(美しいからわかりやすいとは限らないですが)

例えば、WEBサイトやパワーポイント、資料などのレイアウトでいうと
色、大きさ形を統一することで、わかりやすい=見やすい=美しい
ものを作ることができます。

ところで、#2でデザインは問題解決のプロセス・手段だと書きました。
ここにおいても、取り扱う課題、解決のためのコンセプト、具体的な解決方法にしっかり一貫性があると、提案内容が分かりやすく美しく感じる可能性が高いと言えます。
そのため、常に提案のストーリーを可逆的に精査していくことが重要です。

ランドスケープデザインにおける美しさは?

では、ランドスケープデザインにおける美しさとは何でしょう。
これもいろいろ議論があるので、これというのは難しいですが、、

私は、地域の文脈に沿った景色を造ることだと考えます。
その場所がそこにあるストーリーが何となく理解できるからです。


ランドスケープのキーワードとして、#1では「関係性」という言葉を用いました。

地域の文脈に沿った景色、すなわち周りとの関係性をぶつ切りにしない景色だと考えます。
緑豊かな場所の中にいきなりコンクリートの駐車場が表れるというのは、美しいとは言えないのではないでしょうか。

関係性をぶつ切りにしないためには、対象と周囲の環境の境界線が非常に重要になります。
ある意味ランドスケープデザインの肝は境界線のデザインにあるように感じます。この辺りは、また改めて考えていきたいです。


日本と西欧の違い

ちなみに、日本と海外で庭園や自然に反映される美の価値観が大きく異なることは注意が必要です。
日本庭園など、人間が自然と一体化できるように景色を作ります。

京都、無鄰菴

一方西欧では、自然は人間が支配できるものとして、庭園を造ってきました。

パリ、ヴェルサイユ宮殿


他にも日本人は、陰影礼賛など不便や見えないところに美しさを感じるというのも大きく異なる点だと思います。

こうした価値観に興味がある方はぜひ庭園史などを勉強してみてください。


まとめ

以上、大変難しいテーマを掲げましたが、できるだけ身近に解釈を考えてみました。
今回の記事のまとめは以下の通りです。

・わかりやすい構成を考えることで、美しさを生むことができる。
・ランドスケープデザインにおいては、周囲との関係の調和が
 美しさにつながる
・すなわち境界のデザインが大変重要である。

具体的に美しく=わかりやすく見せるための方法論についてはまた改めてまとめてみようと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは。

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